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感情のオセロ  作者: snow
3/4

2話 <目標どうする?>

僕がオセロ部に入ることになって、もう一週間がたった。週一回行くって約束は守らなくちゃいけないから、今日は行く。運動部に入るのは嫌だからな。

放課後になり、部活に行く時間になった。

僕は部室の前に来た。あの時より遠慮しなくていいのは楽だ。

僕が扉を開けた時、中にいる人がこっちを見た。中にいたのは佐倉井南だった。

「他はいないの。」

「はい。いつも私が一番です。…でも、もうすぐ来ると思いますよ。」

「そう。」

それを聞いて、僕は、静かに本を読んでいた。とても集中して読んでいた。だから、誰か入ってきたのにもきずかなかった。

「すごい難しい本読んでるね。」

影ができたと思ったら、羽倉柚子がのぞき込んでいた。

「よー。」

「ごめん。柚子、南。SHR長引いちゃって…ってあーーー!来てる!」

「夏樹うるさい。」

「ごめん。瑠衣。」

「なかなか来ないから来ないかと思ったよ。白沢君。」

「週一回でいいって約束だろ。」

「そうだね。」

「よ~し!全員揃ったから、今日はこの部の目標を決めちゃいたいと思います~!」

「目標…段位取得じゃないのか?」

「違いま~す。それは、私の目標。今は、部の目標。」

「柚子が決めるんじゃないのか?」

「瑠衣君。せっかくだから、この六人で決めたいなって。」

「そっか。」

「私は、九段取得がいいと思う!」

「目標が高いのはいいことだけどそれは無理。だって今も7人しかいないのにたった3年で達成なんて。」

「じゃあ、瑠衣君はどうなのさ。」

「それより俊は?」

話そらしたな。

「俺、そんなに詳しくないから。」

「やっぱり、瑠衣君は何がいいとおもんですか?」

「…僕は、全日本に出場がいいと思う。」

「それがいいと思う!うちらは、級も持ってないだから。そこまで行くのも大変でしょ。」

「嫌だ。」

「柚子!」

「嫌だ!そな低いのは嫌だ。もっと高い目標がいい!」

「柚子には低いかもしれないけど、うちらにとってはとても高いの!」

「嫌だ~~!!!」

「なら、どんな目標ならいいだよ。」

「結城君。」「白沢君。」

うるさいからだ。僕に口出しされたくないなら静かに早く決めることだ。

「結城君は何がいい?」

は?

「何で僕に聞くの?」

「だって、白沢君も部員だし。六人でって言ったじゃん。」

「……なら、王座戦目指せば?」

「で、出たことあるの?」

「小学生の部に一度だけ。」

「す、すご~い!」

「一回は出てみたいんだよね。王座戦。よし、反対がなければこれにするよ!」

「あの~柚子さん。聞いてもいいですか?」

「何?南ちゃん。」

「王座戦とか、全日本って何ですか?」

「えっ!南ちゃん知らないの!?」

「え、は、はい。」

「俺も知らないよ。」

「俊まで。」

まさか、オセロ部なのにそんなことも知らないとは…。

「え~とね、オセロには大きい大会が3つあってその2つかな。まず、名人戦。これは3月に行われる大会。この大会は予選とかないからだれでも参加OK。次は、全日本選手権。これは11月に行われてるんだよ。こっちはブロックごとの予選に勝たなくちゃいけない。最後に、王座戦。これは7月に行われるんだけど、先に言った2つの大会で成績優秀じゃなくちゃ出れないの。名人戦に出ていいとこまで行っても全日本選手権に出れてなかったら王座戦には出れない。私も一度でいいから出てみたい。」

「王座戦に出れる成績ってのは毎回変わる。たいていここら辺ってのはあるけど、油断できない。その時の運も味方につけなきゃいけなくなってくる。」

「そうなんですね。」

「それにしても夏樹さんはよく知ってたね。」

「ほら、うちオセロ好きだから、大会や、級とかがあるって聞いて調べようって思って調べてたから。」

「そっか。」

「反対はないね~!じゃあ、決まり!オセロ部の目標は王座戦優勝!」

「は~~!?」

ゆ、優勝…?こいつらが?無理だろ。

「何で優勝になってんの!?」

「決めたもん!」

「ちょっと!!柚子さん!出場ですよね!」

「違うよ。優勝。」

「何で…?柚子の考え理解できない。」

「だって。目指すならtop一番上の王座でしょ!」

「それはそうだけど、でも!」

「九段よりは高くないでしょ。なら一期だけでも王座に就きたいじゃん!それに、本気のオセロをするなら、トップを目指さなくてどこを目指すの!」

「…しょうがないな。柚子は決めたら譲らないから。」

「………部長が決めたならしたがわなきゃだね。」

「みんな…。王座に向かって頑張ろう!」

「「「「おう!」」」

羽倉柚子がリーダーとなって部をまとめた。少しまぶしい。僕の居場所がないみたいだ。

なんか、胸が苦しい…?なんだろう?

「白沢君も。」

急に羽倉に言われて何のことだがわからなかった。

「頑張ろう!」

「「「おう!」」」「お、おう…?」

一応言っといた。

「よし!」

会っていたようだ。

そして、部の中に笑顔の花が咲いた。それも5輪。それぞれ個性があってみてて飽きない。

それにさっきの胸の苦しさがなくなって、何かすっきりしたような…?

まあいいか、僕には関係ないし。…でも、もう少しかかわってみようかな。この胸のことわかるかもしれないし。

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