人権擁護団体の代表に兄妹愛(しかも妹は二人)を認めさせようとする双子の妹たち
子供ができないのに結婚できるのであれば、子供を作らないと誓えば近親や年の差の恋愛だってありと思いませんか?
なんて考えて書きました。
テレビに良く呼ばれる有名コメンテーター絹川あざみ。
彼女はとある人権擁護団体の代表でもある。
彼女は今日もテレビ番組で自分の意見を言いまくっていた。
「ですから実の妹、それも中学生の双子相手に性行為ですか?例え同意だとしてもそれはもう犯罪ですから。血のつながりでアウト、中学生でアウト、二人相手とかもうスリーアウトでしょう?そんな人は捕まって当然ですよね。最低の人種ですよ!」
さも当然と言うようにまくしたてる絹川女史。
「次のニュースです。○○国で同性の結婚が認められたそうです。このことについて絹川女史さんはどうお考えですか?」
「素晴らしいわね!同性で結婚できないとかありえませんから。愛は自由であるべきです。日本も早くそうなるべきですね!」
そんなことを言っている絹川女史を見て、苦虫をかみつぶしたような顔をしている少女たちが居た。
自分たちが愛する兄が逮捕されて、最低の人種とこき下ろされたのをテレビで見て、怒りが沸き上がっていたのだ。
「コイツ、絶対に許さないから」
「思い知らせてやるわ」
双子の少女たちは絹川女史に復讐を誓った。
「先生、番組宛に手紙が来ています」
「あら、私宛なの?また苦情?それともファンレター?」
「助言をしてくださいって書いてあります」
「あらあら、それなら読んであげないとね」
嬉しそうに手紙を受け取る絹川女史。
『私は中学生の女の子です。でも、本当の自分は男の子だと思うんです。でも、こんなこと誰にも言えません。どうしたらいいでしょうか?』
「あらあら、簡単なことなのに。ねえ、今日の番組でこの手紙の事を取り上げてもいいかしら?」
「わかりました。そのように手配します」
そして番組内にて。
『私は中学生の女の子です。でも、本当の自分は男の子だと思うんです。でも、こんなこと誰にも言えません。どうしたらいいでしょうか?』
「それはね、あなたは男の子で間違っていないのよ。だから、男の子の服を着たり、男の子らしいことをしても何の問題もないから!」
そう持論を展開する絹川女史。
そして数日後。
っまた絹川女史に手紙が来ていた。
『ぼくは中学生の男の子ですが好きになった人も男性なので、気持ちを打ち明けられません。どうしたらいいでしょう?それに中学生は子供だから恋愛するなと言われそうで怖いです』
この質問にも絹川女史はテレビで答えていた。
「男性同士の愛は少しも悪いことではないのよ。思い切って告白してみなさい。中学生でもあなたは一人の『人間』なのよ。だからもし差別的なことを言われたら私に言いなさい!」
さらに数日後。
『男3人の仲良しコンビだったけど、ぼく以外の2人が男同士なのに付き合い始めました。でもぼくも2人のことが好きなんです。3人で恋人になったらいけないのでしょうか?』
「男女の恋愛で結婚するなら3人で付き合うのは無理だけど、男3人が恋人になるくらい問題ないわね。子供だって作れないのだから、3人で恋人らしいことをしてもいいのよ。もし法律が変わって結婚までできるようになったらまたその時に考えたらどうかしら?」
すらすらと思ったことをテレビでしゃべりまくる絹川女史。
「はい、CMです」
「おつかれさまー」
「絹川女史先生、お飲み物です」
可愛らしい中学生くらいの男の子が絹川女史に飲物を差し出す。
「あら、ありがとうね」
「それと、先生のおかげで勇気が出ました!」
「え?」
「ぼくの手紙、いつもお返事してくれてありがとう!」
「あら?あなただったの?」
「今日はお礼に来たんです」
「あらあら、別にいいのに」
「おかげでお兄ちゃんと本当の恋人になれました!」
「お兄ちゃん?」
絹川女史がその少年をよく見ると胸が膨らんでいる。
「あなた、もしかして女の子?!」
「いえ、先生が認めてくださったように、ぼくは男の子なんです」
「ええっ?!最初の手紙もあなただったの?!」
「ぼくは男の子だって認めてもらえて嬉しかったです」
「そ、そうなの。それは当然の事だわ」
「それで、お兄ちゃんとも恋人になれました!」
「どうしてそうなるの?!お兄ちゃんって、大人の男性よね?」
「もちろんです」
「あなた、女の子じゃないの!」
「男の子ですよ!先生も認めてくれたじゃないですか!」
「うっ。でも、大人と中学生とか兄弟とかおかしいわよ!」
「あれ?先生は中学生も一人の人間だって言ってくれましたよね?それに『子供だって作れないから3人で仲良くしても問題ない』って」
「3人?」
すると同じ顔をした少年…の格好をした少女がやってきた。
「ぼくたち、お兄ちゃんの恋人なんです!」
「まさか性行為をしているの?」
「もちろんです!でもお兄ちゃんは無精子症で子供はできないから問題ないんです!」
「兄妹で性行為とかありえないわ!」
「だからぼくたちは妹じゃなくて弟です!子供ができないなら恋人らしいことをしてもいいっていったじゃないですか!」
「ううっ!ま、まさかそのためにあんな質問をしたの?」
ようやくはめられたことに気づく絹川女史。
「あなたがお兄ちゃんのことを『最低の人種』なんて言うからよ」
「相手によって言うことを変えるあなたのほうが最低よ」
「何言うのよ!同性愛は至高なの!尊いのよ!爛れた兄妹愛とか大人と子供の愛なんて絶対に許されないのよ!」
「どちらも子供ができないのにどうして駄目なんですか?」
「大人と子供なら子供ができることだってあるわよ!」
「無精子症だったり、生理前の子ならいいんですか?」
「そんなの詭弁よ!」
「つまり異性愛を『差別』しているんですね?」
「これは『区別』よ!兄妹愛とか大人と子供の恋愛とか不潔だわ!」
「やっぱり差別をするんですね。人権擁護団体っていいながら、本当は人権をないがしろにしているのね」
「ダブルスタンダードって言うのよね」
「小娘が何言うのよ!」
「小娘ですって」
「それも差別用語じゃないかしら?」
「私の言うことは正しいのよ!」
「だから『ぼく』は男の子で、男性と恋人になっていいって言ってくれたじゃないですか」
「それがたまたまお兄ちゃんだっただけなんです」
「ううううう、うきいいいっ!」
ついにキレる絹川女史。
「ちょっと!こいつら摘まみだして!どうして誰も何もしないのよ?!」
するとADがスケッチブックを見せる。
『知らないうちにネット中継されているので、テレビ局が関わってもみ消そうとしているとか思われると困りますから、先生はもう帰ってください』
「え?ええっ?!ネット中継ってカメラどこよ?!すぐに止めて!動画も消して!中継だから無理?どうしてくれるのよっ!」
叫んで崩れ落ちる絹川女史。
「この動画はお兄ちゃんの裁判で使わせてもらうわよ」
「少しでも早く帰ってきてもらえるようにしないとね」
実際は双子の妹たちは男の子になるつもりなどなく、お兄ちゃんも無精子症などではない。
絹川女史の言動を誘導するための演技だったのだ。
しかし、人権擁護団体の代表である絹川女史がダブルスタンダードなことを言って『逆差別』を行ったことは全世界に知れ渡った。
お兄ちゃんと双子の実妹の関係を裂こうとするには、女の子が男の子になることを否定することであり、男性同士の恋愛を否定することにつながっていってしまう。
他の人権擁護団体はこの案件を黙殺することにした。
しかしそのためにかえって信頼が揺らいでいることに気づかないまま。
「お兄ちゃん、おかえり!執行猶予ついて良かったね!」
「エッチは大人になるまで我慢するけど、それ以外は恋人らしいことしようね!」
「「大好き、お兄ちゃん!」」
お読みいただきありがとうございました!




