牛猪その1
未知の力にて前書きの情報に髪茶とオッドアイ(赤 黒)の情報追加。
≪カーン カーン カーン≫
「ん?」
「え?」
外が騒がしい。何かと思っているとクラナは外へと飛び出した。
「何があったの!?」
警報かなにかなのか?
「ブルボアが村に接近してるらしい!なるべく家から出るな!」
「そんな村にまで来るなんて滅多に無いのに…」
「ブルボア?」
牛なのか猪なのかはっきりしてほしい…
「二本の角が生えた猪じゃよ」
騒然としてる中で婆さんが答えた。
「気性が荒く奴が通った後は荒れ果てるという厄介な奴さ」
それはヤバそうだな…
(…ナナ情況は?)
(村の北方面から体長2mほどの生き物が時速60km/sで移動中10分ほどでこの村に到着します。)
(10分で待避は不可能だな…仕方ない…)
おもむろに立ち上がると村の北側に向かう。
「え、ちょっと!何処に行くんですか!?」
「皆さんは待避を私が時間を稼ぎます。」
「そんな無茶ですよ!死んじゃいますよ!?」
「まあ大丈夫ですよ」
一度振り返り笑顔で
「いざとなったら奥の手がありますから」
猪擬き位で使うことは無いだろうけど
「皆さん急がないと到着してしまいますよ」
そう告げると小走りでナナの指定したポイントに移動した。
(3 2 1 engage!!)
「そこか!」
繁みの中から巨体が飛び出す。
ベースは猪のようだが角や足回りは牛に近いようだ。
突進してきたブルボアをすれ違いざまに首をめがけて切りつける。
「浅いか!」
角に阻まれ首を落とすまでには至らなかったが、それなりに深手は負わせたようだ。
ブルボアは足を止めこちらに向き直り突進の構え。
体がうっすらと輝いているように見えた。
「なんだあれは?」
(どうやら回復しているようです。)
「体にナノマシンでも入ってるのか!?こいつは!?」
(謎のエネルギーを感知!おそらくこれも魔法なのでしょう)
治療魔法ってことか…なら!
「一撃で刈り取るしかないか!」
剣を鞘に戻し手を添える。
「霞流…抜刀術一の太刀…」
息を止め突進して来るブルボアを水平に切り伏せる。
「斬鬼」
ブルボアは再生することなく上下に分かれた
だった。
「直剣だとやりにくいな…」
剣を鞘に納める。
霞流抜刀術は長い航海中にケインズが暇潰しに研鑽した剣術を元に開発したオリジナル剣技。
通常の戦闘ではフォトンブレードを使う事がほとんどで抜刀術はできないので実践使用は初めてだったりする。
(流石マスター!)
脳内でパチパチと音がする。
(ナナ今度刀を作ってくれないか?)
(了解です!)
「で、これは食えるのかな?」
牛と猪の合の子ならうまそうだ。
(問題…ありませんが…問題が発生しました。)
「どうかしたのか?」
ブルボアの死体を亜空間に収納しながら聞いた。
(村人が避難している講堂の方へ別のブルボアが向かいました。)
「なんだと!?」
町の方を向くとあちらこちらから煙が上がってる。
「ちいッ」
ケインズは講堂の方へ走り出した。
斬鬼
突進からの抜刀術
る○剣の瞬天殺みたいなものを想像していただければ…