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商人の謝罪

前回のあらすじ

ケインズさん狼無双

俺たちは守備隊の半数と帰路についた。残りの半数は安全確認のためしばらくここで警戒するようだ。


町へと着くと入口にアースウルフを押し付けてった馬車が止まっていた。


「おい!どうだった?」

門番をしていた男が戻ってきた守備隊に詰め寄る。


「大丈夫だ。こちらの方たちが追い返したらしい。」

と俺達を紹介する。


「あの規模を追い返した!?」

馬車の中から恰幅のいい40代位の男が驚きの声をあげて降りてきた。


「この声…」

確か俺達に逃げろと言ってた声だな。


「あー!貴方は!」

向こうも気がついたらしい。


「私は商人をしております。ディスと申します…」

と丁寧な口調で自己紹介すると頭を下げる。


「私はケインズ、あなたのお陰様で酷いめに会いましたよ」

皮肉を込めて笑顔で言った。

苦労させられたのだから、このくらいの嫌味は許されるだろう。


「も、申し訳無い!」

といきなり土下座された。


「いや、そこまでしなくても!」

さすがにやりすぎだそれは…


「私たちのせいで亡くなる可能性もあったのだこれでも足りません!」

と地面に頭を擦り付けている。


「怪我ひとつしてませんから気にしないで下さい!」

軽い気持ちで皮肉を言った事を後悔した。

なんとか頭をあげてもらうと。


「ではこれを受け取って下さい!」

そう言うと下の者に目配せし、布の袋を持ってこさせた。

受け取ると中には金貨が300枚ほど入っていた。


「え、こんなに?」


「遺族の方に渡すようにと用意していたものです…」

一人金貨100枚か…遺族に対する謝罪としては妥当な金額なのだろうか?


「…わかりました!ですからもう気にしないで下さい!」


「ありがとうございます!」

とまた土下座をした。

だからやめい!!


「それで護衛の方は大丈夫だったんですか?」

そのために急いでいたのだと聞いたが?


「一命はとりとめましたがしばらくは安静にしていないと…」


「そうですか、無事で何よりです。」

押し付けられた介があったというものだ。

と思ったが口にはしない。言ったらきっとまた土下座が始まるだろう。


「ですが…ここから森へと入らねばならないのに護衛が居なくなってしまってほとほと困っておりまして…」


「森?」

そういえばこの人たち山側から来たんだよな?

こんな僻地にどんな用があるんだろう?


「メンカル村に薬の仕入れに向かうんです。」

メンカル村…?


「ああ!婆さんの客か!」

そういえばクラナは婆さんに言われて薬草集めてたな。


「なら森に入る必要は無いぞ?今は切り開かれて道ができてるからな。」


「え?」

ディスは驚きの声をあげる。


「結構な幅を確保したからこの馬車で行っても問題ないぞ?」

事態が飲み込めない様なので安心させるつもりで言ったのだが…


「確保した?アインズ様が伐採したのですか?」


「あ?ああ…」

何を言っているのかよくわからないが事実なので頷く。


「ケインズ様は魔法がお得意なのですね…」

驚きながらそう返すので


「いや?俺は魔法が一切使えないが?」

素養無しという古傷が疼く…


「え、魔法も無しで…?」

驚愕し過ぎてガクガクと震えている。


「あ、そろそろ行かないと…」

空気をと察しそそくさとその場を去る事にする。


「ちょっ!」

何か声を掛けようとしているが気にせず町に逃げ込んだ。


あの人が再登場!?

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