霞流剣術
霞流剣術は後の先を主としたカウンターを中芯にした剣術であった。
だが祖父はその様式があまり好きでは無かったらしく新に先の後の先を取る技を開発した。
相手のカウンターを誘い、さらにカウンターで返す祖父はこれを≪燕返し≫と呼んでいた。
ケインズは≪燕返し≫を使ったただし相手を直接狙えば怪我をする恐れがあるし、木剣を狙ったとしても同じ材質の為両方が折れる可能性もあった。
ゆえにケインズは木剣の数ミリ手前を切り裂いた。
真空の刃が木剣に当たり相手の木剣は切れたしかし、その勢いに木剣が耐えられるはずもなく黒く炭のような状態になっていた。
(…あれ?これ引き分け?)
恐る恐る受付嬢を見るが唖然として固まっていた。
「…えーと?これは勝ち?負け?」
「はっ!」
声に反応しようやく帰ってきたようだ。
「ケインズさん合格です!」
そういえば勝ち負けは関係無いんだっけ…
「ふう…ありがとうございました。」
と一礼をし舞台を降りた。
相手はまだ信じられないといった顔で切れた木剣を見つめている。
「では本登録を行うのでギルドのカウンターにお越しください」
受付嬢に連れられ建物に戻っていった。
「あの技は…カイン様の…」
副騎士団長はケインズの後ろ姿を見ながら呟いた。
ミストベール式剣術は専守防衛の集団剣術で相手が攻撃してこないと真価を発揮したない、魔法などの遠距離攻撃で牽制を行うのが普通である。




