ミストベール式剣術
私の名はアベール・フォン・アーガイル ミストベール王国の男爵である。
私は今冒険者ギルドの舞台の上にいる。
いくら国王からの要請とはいえ貴族の私がなぜヒヨッコの試験官なぞせねばならないのか甚だ疑問だが副騎士団長どのまで駆り出されているのだから文句も言えない…
私の相手は16~17位の青年だったが余り強そうには見えない。
まあ、さっさと終わらせるか…
…なんだと私と同じ構え?
コイツ≪ミストベール式剣術≫の使い手なのか?
ミストベール式剣術とは後の先を取るカウンター式の剣術である。
相手の攻撃を霞のようにかわし、相手を一撃必殺で仕留めるという…
技の特性上高い回避能力、攻撃力を必要な為使い手はごく一部で極められる者はごくわずかである。
この剣術に20年以上費やした私に同じ剣術で挑むとは!!
ムッとした表情で睨み付けるが相手は微動だにしていない。
「始め!!」
受付嬢の宣言があったが互いに動かない…いや動けない
互いの技は後の先を取る技の為攻撃できないのであった。
「「…」」
コイツ隙がない…
なぜだ高々16前後の若造がこんな…
※実際は140超えています
「来ないなら行くぞ?」
ケインズが構えを解きアベールに斬りかかる。
バカな?あり得ない行動に少し驚くが迫る斬撃 かわし≪ピニングソード≫を叩きこもうとした刹那に視界に見えたのは切り裂かれた木剣であった。




