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第5話:少女との出会い

「ん、んん……。」


目が覚めると、そこは……

知らない天井だった。


って、これはもういいか。


「寝てしまったか……。」


旅の疲れというより、殆どがあの親父ののせいだがな。


ぐぅぅぅぅぅ〜〜


「……。

なんか、食べに行こうか…。」


そういえば俺、今日は何も食ってない。


朝急に親父から鍛錬するよう言われ、それですぐにここの学校に、()()()()入学させられるんだからなぁ〜。


街の風景は、ビルやらは建っているもののやはり中世ヨーロッパの感じがする屋台なども多い。


なんか違和感しかない。


街の外には森があり、街は外壁で囲まれている。

モンスターが街に流れ込まれないようにするためか?


そう考えるしか無さそうだ。


そうこう考えているうちに、俺はいい感じな店を見つけた。


「ごめんくださ〜い。」


「は〜い!」


俺が声をかけると、奥から声が帰ってきた。どうやらオープンしているらしい。


「いらっしゃいませ!

おひとりさまでしょうか?」


奥から出てきたのは、見た目が9、10歳ぐらいの女の子だった。


「あ、あぁ。」


「かしこまりました!ではこちらの席へどうぞ!」


意外と接客に慣れてるみたいだ。

お客への対応がしっかりしている。


「こちらメニューになります。

では、注文がお決まりでしたら呼んでください。」


そう言って、さ〜っと、ほかのテーブルに行ってしまった。


「さて、何があるのかな?」


俺はメニューに目を通し、料理を注文した。


料理が運ばれるまで少しかかったが、料理自体は、美味しかった。

まあ、人も多かったし、しょうがないか…。


俺は辺りを見回して、そう思った。


俺が入店する前から、随分と人が多かったらしく、色々と、ガヤガヤうるさかった。


「おい!」


俺がそう考えるいると突然お客の1人が怒鳴り始めた。


「料理長を呼べ!」


「お、お客様!いかがしました?」


「あ?なんだ?このちびは、ここの料理長を呼べつってんだよ!早くしろ!」


「私がここの料理長です。

どうかしました?お客様。」


「テメェ〜、この料理に虫が入ってたぞ?

テメェの店は虫の入った料理を出すのか?」


「え?そんなはずはありません。

これを作る時はそんなの入ってません。」


「おい、テメェ、しらばっくれてんじゃねぇぞ!」


さっきから怒鳴っていた人がテーブルを叩いた、すると同じテーブルに座っていた3人が立ち上がった。


「おいおい、虫が入ってるんだ、どう落とし前付けてくれるんだ?あぁん?」


「えぇ?!

そ、それは……。」


怒鳴っていた男の人が料理長の襟を掴まみあげているとそこへ凛とした声が響く。


「やめなさい!

あなた達!」


俺の横のテーブルに座っていた女の子が、声を上げた。歳は見た目からして14、5歳ぐらい、俺と同い年のように見える。


「あぁん?なんだ?テメェは!」


「その虫、さっきあなたがこの料理に入れたのを私はこの目ではっきりと見ました。

それなのに虫が入ってたと嘘をつくなんて!」


「見てたァ〜?

どこに証拠があんだよ?あぁん?」


「私が証拠です!私がこの目で見ました!」


「はぁ?テメェ?頭おかしいだろ?テメェの目が腐ってんじゃねぇのか?

いいかお前らよ〜く聞け!

俺様は、Bランク冒険者の、ガルド様だ!

そんな俺に対して、なんだ?テメェ?喧嘩売ってんのか?」


「いえ、喧嘩を売ったのはそちらが先です。

しかし、このままでは収まりそうにもないですね。

いいでしょう。決闘を申し込みます。」


「はは!おもしれぇ〜、もし俺が勝ったら、この料理のとおし前と、テメェは俺に濡れ衣を着せようとした罰を与える。」


「えぇ、もし私が勝ったのなら、料理のお代と料理長へ誤っていただきます。」


へぇ〜、決闘なんか、あるんだな、この国には。


「表へでろ!相手になってやるよ。」


おぉ、早速だな、ここの連中の強さを図らせてもらうとするか。


「へへぇ、お嬢ちゃんだからって手加減はしねぇぜぇ〜!」


「っ!これは決闘よ!なぜ4人?!」


「はっ!決まってんだろ!俺たちはパーティだ!決闘ももちろんパーティで受けるに決まってる!」


「そんな!」


「へっへ!今更引いても遅せぇよ!」


そう言うと、1人の男が刀を彼女目かけて振りかざし、彼女はなんとかそれを受け流したが、そこへすかさず後ろにいた魔法師らしき人が、魔法をぶつける。


「っ!」


彼女にとって不利だな。


俺がそう考えていると、3人の男が一斉に動き出した。

このままでは負けるのは必然だな。

仕方ない。


「おい、待てよ!

お前ら4人の大人が1人の女の子をいじめてるなんてなぁ、みっともないとは思わねぇのか?」


そこへ俺が発言する。


「ぁ?なんだてめぇは!こいつの仲間か?」


「いや違う、だが、お前らのやり方には納得ができないな、どうせなら俺も混ぜてくれよ。」


「は!いいぜぇ!まあ、テメェ1人加わったところで4対2、テメェらは、不利なのは間違いねぇんだよ!」


「まあ、認めてくれるんだったらいいんだよ。」


「おい、大丈夫か?」


俺は地面に尻餅をついてる彼女に手を差し伸べた。


「え、えぇ、何ともない。」


「そうか、ならいい、悪いが、お前の喧嘩に俺も混ぜてくれないか?

流石に4対1は、卑怯すぎるからな。」


「あなた、腕はたつの?」


「さぁな、ずっと山の奥で生活してたから俺の実力が通用するかどうかはわからん。

やれる所までやるだけだ。」


「そう、なら、行きましょう。共に。」


「さぁ、始めようぜ!」


その言葉が合図となり、今まで律儀に待ってくれた男4人が一斉に動きだす。


3方向からの同時攻撃と、後ろに魔法師がサポート。

なかなかバランスの取れているパーティだ。


だが、動きがまるでダメだった。

動きに無駄がありすぎる。


俺は、アイテムボックスから、刀を取り出し縮地魔法を発動させ、一気に魔法師との間合いを詰める。


この場合は、魔法師が1番厄介だから、まずそこから潰すことにした。


魔法師は突然のことに反応できず、魔法の詠唱が途絶える。


「甘いな!」


俺は刀を魔法師に振りかざし、気絶させる程度の力で振り下ろした。


魔法師の処理が終わると同時に、前衛2人が俺めがけて間合いを詰める。

たが、俺は炎魔法で大きな渦をつくり、2人とも巻き込んだ。


彼女と、もう1人の男の方は、少し離れているところで戦っているため、そっちに被害が出ることは無かった。


俺が彼女の方へ駆けつけようとしたが、既に少女の刀が男の首をしっかりと捉えていた。


「勝負あったな。」


「くそ!テメェ、何もんだ?なぜ剣術と魔法の両方を操れる!」


「そんなことより、お前らにはやるべき事があるだろ?」


「っ!くそ!」


男達は以外にも素直で、少女との約束は守られた。

どうやら決闘というシステムには絶対的束縛力があるみたい。


「助けてくれてありがとう。」


「いや、助けたわけじゃない、単に俺の実力を図ろうとしただけだ。」


「ううん、それだったとしても結果的に私を助けることになったから、一応礼を言うわ。

ありがとう。」


「あ、あぁ。んじゃ、俺はこれで。」


「ちょっとまって!

あなた、剣と魔法を両方使ったわよね?

一体どうやって出来たの?」


「………。

俺がお前の質問に答える義務はないだろ?」


「っ!それはそうだけど……。」


「なら、余計な詮索はするな、じゃあな。」


「まって!あなた、もしかしてショーナリーア学園へ入学を希望する生徒?」


ん?ってことは、あいつもか?


「あぁ、そうだが。」


「そう…私もその学園へ入学を希望しているわ。」


やっぱりか。


「あぁ、そうか。」


「私の名前はリン・フェブルムあなたの名前は?」


「レン、レン・ウォーリィビエだ。」


「そう、レンね、わかったまた、入学試験で会いましょう。」


あぁ、そうか、どうせまた会うのか……。

めんどくさい事に頭を突っ込んだなぁ〜


「あぁ、そうだな。」


俺はそう言葉を残し、この場を去った。

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