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第8話「依存心」

「それでは、夢の話を」

「はい。夢の中で、あたしは歌姫でした。ただの歌い手ではありません。歌声で、他人を言うなりにさせることができました。どういう仕組みかは、わかりません。とにかく、他人の思考、感情を、意のまま、恣に操ることができました。ある種の洗脳とも言えますね。夢の世界には、色んな音曲が溢れました。喜ばせたり、怒らせたり、哀しませたり、楽しませたり、笑わせたり。初めは、面白がっていられたのですが、途中で、この能力は、自分に対しては効果がないということに気付きました。一度、そのことに気付いてしまうと、どこからともなく、虚しさが募ってきました。虚しさを忘れようと、笑いを溢れさせても、疎外感とでも言いましょうか、より惨めに感じるだけでした。周りには人がたくさんいるはずなのに、孤独感に苛まれました。憂鬱から、自分の手で終わらせてしまおうと、窓の外へ飛び立ったところで、目が覚めました。辛い、夢でした。ごめんなさい。こんな暗い話を聞かせてしまって」

「謝る必要はありません。道中、気を付けて。よい旅を」

「はい。行ってきます」

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