表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/22

第17話「独創心」

「それでは、夢の話を」

「はい。気が付くと、とても無機質な空間にいました。化学の実験室や、病院を連想させるような、徹底して自然を排除しようという、強い意志を感じる部屋でした。床には、顔面全体を丸ごと覆うことができる仮面と、背番号の縫い付けられたローブが置いてありました。しばらくすると、壁面に文字が浮かび上がり、二つを着用するように命令されました。指示に従うと、今度は床面が光りました。壁面を見ると、床面の光を追えという指示に切り替わってました。光っているところまでいくと、その場の光が消え、その先に新たな光が灯るという具合でした。しばらく歩くと、同じ格好をした人たちと合流しました。人数は、どんどん増えていきます。全員で、同じ場所を目指していました。徹底した個性の排除と、中枢一括管理が進んでいるようでした。そうして、全員に同一財、同一サービスを享受させることで、統括にかかる無駄な煩わしさを省いているのでしょう。不気味で、目的の分からない行進は続きましたが、底知れないおぞましさから、仮面とローブを外してしまいたくなってきました。その欲求が耐えがたくなり、ついに、外してしまいました。すると、一緒に行進していた人たちが、一斉に私に向かって襲い掛かってきました。暗闇に紛れてしまおうと、光っていない場所へと走るのですが、走る先、走る先、床面に光が灯りました。ついに、追っ手の一人の手が肩に掛かったところで、目が覚めました」

「そうですか。それでは、よい旅を」

「ありがとうございました」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ