91話 あらあら、帰路ですって
この子達は、魔術やスキルに対する愛情が怖いくらいだ! と、言う事を理解したわ。
ロクの新しい魔術&スキルは、ハチ達の探究心を刺激したらしいのよ。
未来理論などと言うモノまで、提唱する始末。
本当に、大変だったわ。
そもそも、魔術“未来予想図”とスキル“未来予想図”は、2つで1つの技なの。
常時発動型のスキル“未来予想図”と、未来を固定する魔術“未来予想図”。
どちらも、特殊で異世界人特有の魔術とスキルなの。
マリアを取り込むことで、ロクが使えるようになった技なんだけれど。
私は末恐ろしい、思いがしたわ。
異世界人にはこんなにも恐ろしい、未知なる魔術やスキルが宿っているのよ。
それは、私にしても同じ事。
獣の声が聞こえるだなんて、まるで夢のような能力。
さらに、姿無き声まで聞こえるのよ。
例えば、竜の中にいるもう1人の龍王トッシュの声も聞こえるし、マリアの中にいた別人格のシャルルとも話が出来たわ。
私には、耳をすませば色んな声が聞こえるの。
一瞬、人畜無害な能力に聞こえるけれど、意志あるすべての者たちを仲間にできるのよ。
ある意味、最強よね。
他力本願だけれど。
それに引き換え、ロクの特殊魔術と特殊スキルは、自分だけを守るためとはいえ、未来を視ることができるスキル。
小石1つで変わってしまうのだけれど、その未来を固定してしまう魔術と併用して使えば怖いもの無しよね。
使いようによっては、事が起こる前に対処が出来るのよ。
罠を仕掛けることも容易いだろうし、使い勝手いい魔術とスキルだわ。
はぁ〜、お父様とルバー様を含め、9人でワイワイガヤガヤ。
晩秋の吹きすさぶグラウンドが、侘しさを醸し出していたわ。
この数ヶ月、軍人学園に住み込んで考査、考査、実査に考査。
そんな毎日が続いていたの。
ちなみに、腐っていたのは……私だけね。
はぁ〜、辛いわ。
はぁ〜、ルジーゼに帰りたい。
はぁ〜、カムイちゃんに会いたい。
「あら? ルバー様。お父様は、どちらへと行かれたのですか?」
「ガロスかい? ルジーゼに戻る準備をしているはずですよ」
「え! 本当ですか?」
「オヤオヤ、何も聞いていないのかい?」
「はい。何も聞いていませんわ。お父様ったら……内緒にしていた理由を聞いてきますわ! ハチ! お父様の所へゴー! ですわ」
「アハハハハハ! ガロスも大変だなぁ」
なんですと! !
私の知らないところで、帰る準備は進んでいたなんて!
しかも、青やマノアやロキアにマナス、エディやホゼ。
みんな知っていたんですわ!
私だけが知らなかったのよ。
「お父様! なんで私だけ、教えてくれなかったのですか? 」
「はぁ? ナナにも話したぞ。そんなことはいいから、早く支度をしなさい。父さんと入れ替えで、ルジーゼへと出発する。はぁ〜、もう一度、言うぞ。冬の間はルジーゼに居て、春4月前にはスアノースへと戻る計画だ。今度はしっかりと頭に入れておけよ」
「……うっ〜、分かりましたわ」
お父様に促され、用意をしたの。
と、言ってもほとんどの荷物は、私のマジックバック改に入っているのよ。
楽と言えば楽チンよね。
「青、当分、会えなくなるわね」
「そうね、ナナちゃん。寂しいわ」
「わたしも!」
「でも、すぐに会えますよ」
「ホゼの言うとおりだぜ。春頃には戻ろんだろう?」
「そうよ。そのつもり」
「なぁ、ルジーゼって、なにか名産あったけ?」
「はぁ〜、勉強したでしょう。えっと……」
「……ナナちゃん。ルジーゼ地方は、ルジーゼ山を背景に暖かくさほど寒くない。しかし、山が低いために魔獣が頻繁に出現している。勇者が駐屯している為に、魔獣も減り住みやすくなったが、家畜は飼育ができなくなった。しかしながら、水が豊かに湧き出ていて豊穣な土地。人々は豊かな水と、荒らされることの無い土地で果樹園や農業、農林が盛ん。と、教科書に書いてあったでしょう」
「「「すいませ〜ん」」」
「エディとナナちゃんは分かるけれど、マノアちゃんまで返事しないでよ」
「えへへ〜。ナナ! わたしフルーツの盛合せが良い」
「じゃ、俺、苺!」
「マノアちゃんもエディも! なんて事を言うのよ! !」
「アハハハ! もちろんOKよ」
そんな他愛もない、友との挨拶を済ましてから、ルジーゼの宿舎へと向かったわ。
みんなとはスアノース城でお別れね。
私たち貴族は、参勤交代制をしているの。
ロタ家はスアノースとルジーゼとを半年に1度、兵士を交代しているのね。
そして2年に1度、大掛かりな交代をするわ。
ほぼ全ての兵士が移動するの。
もちろん、お父様もルジーゼへと立つわ。
私は、勉学を理由に帰らなかったの。
本当は、ハチとロクと忠凶がルバー様に捕まって、考査やら実査やらに加勢しているうちに帰りそびれたのよ。
本当は帰りたかったわよ!
弟が産まれたのよ!
母様にも会いたかったし!
私が、育った山々に会いたかったわ!
何よりもカムイちゃんに……会いた〜い! !
ところがルジーゼ宿舎に居たのは。
はぁ〜。
「ナナ! 爺ちゃんだよ!」
「キャ!」
ハチの背に座っていた私を攫って頬ずりずり。
もちろん、お爺様のガウラ様ですわ。
そのまま、左上腕二頭筋の上に鎮座したの。
安定感は、イマイチね。
ハチの方が高級ソファーって感じで、お爺様はスプリングが壊れた硬いにソファー。
それぐらいの違いがあったわ。
でも、不思議ね。
落ちないのよ。
多分だけれど、ハチと同じ。
スキル“闘気功・纏”かしらね。
お爺様も、お父様と同等の使い手ですもの。
これぐらい朝飯前よ。
少しだけ高い目線でハチやロク、ネズミ隊を見下ろしていたわ。
何だか、偉くなった気持ちが沸き起こるわね。
変な気分だわ。
「そう言えば、ロクよ。Sランクに……なったらしいなぁ」
あら、嫌だわ。お爺様ったら、イヤらしい笑みを浮かべているわね。
ヤバイわ!
完全にヤバイわぁ! !
「お、お、お爺様」
『気になるのかい? あんたなら、相手に不足無いニャ』
「ホッホォ〜。やる気のようだぞぉ〜」
「「お父さん!(ロク!)そんな時間はありません!」」
私とお父様の声が、ユニゾンしてしまったわ。
そしたら……。
『仕方ないニャ』
「仕方ないのぉ」
ロクとお爺様の声も、ユニゾンしたの。
ついでに、落ち込み方もそっくりね。
肩を落として項垂れちゃったわ。
ウケる〜。
そんなことなどありつつ、ルジーゼ地方へと旅立ったの。
愛しの我が家に帰るの。
カムイちゃんに会えるわ。
旅の過程は、順調だった。
ただ、ロクとハチの朝練ならぬ朝試合が凄いのよ。
第1試合は体術オンリー。
第2試合はハチだけ魔術OK。
第3試合はロクだけ魔術OK。
第4試合は魔術オンリー。
第5試合は何でも有り。
そんな馬鹿げた試合を毎朝するのよ。
呆れるでしょう。
2日に1回はネズミ隊も参加するのね。
その際は、ハチに付くの。
力のバランスだって。
ロクったら、偉そうに言っていたわ。
でも、ハチに言わせると『仕方がないワン。Sランクは伊達じゃないワン』だって。
忠大も、魔力の大きさより特殊魔術とスキルが問題みたいと言っていたわ。
やはり、未来が見える“未来予想図”がネックになっているみたい。
そんなある日、お父様がハチに知恵を授けたのよ。
何かしら?
「ハチ、ネズミ隊。ちょっといい考えがある。あのなぁ〜……」
とまぁ〜、何らかゴニョゴニョゴニョとね。
話していたのよ。
『そんなんで、本当にイケるワンかぁ?』
「そんな不安そうな顔をするな。大丈夫だ! とりあえずやってみろ」
『分かったワン。やってみるワン。ネズミ隊!』
ハチ、ネズミ隊とお父様の7人でまたゴニョゴニョと、密談し始めたの。
ちなみに私は、ハンナの腕の中。
「ねぇ、ハンナ。貴女なら、分かる?」
「私には、分かりかねます。ロクには、隙が全くありません。通常、属性に反って攻撃をすれば、負ける事ないはずです。ところが、ロクには通用しません。なんと言っても、3つの属性を持っている為に、太刀打ちできません。どんなに、属性を攻めても相反する属性であったり、より大きな同属性で相殺されたりと、攻撃をなしませんよ。さらに、体術に関しましても敵いません。勝てる要素は、皆無です」
「ハンナ……試合した事あったかしら?」
「ございません。ですが、見ていればロクの強さが理解できます」
「あらあら、そうなのね。で、お父様は何を授けたと思う?」
「それも、分かりません。ガロス様は何かを思い付いた様ですが……何でしょうね?」
2人で首を傾げる事しか、できなかったわ。
あらあら、打ち合わせが終わったようね。
ネズミ隊が左右に散ったわ。
そして、ロクの正面をハチが陣取り、堂々と対峙したの。
『ネズミ隊! やるぞ!』
『『『『『はっ!』』』』』
『フン。見え見えニャ』
分かっているようね。
自信満々の顔をしているもの。
それにしても、激しいわね。
ネズミ隊は魔術“雷喜”を流れるように連発しているし、ハチは魔術“ストーンランセ”や“ストーンアックス”、“ウインドアロー”に“ウインドランス”。
持てる全ての、攻撃系魔術を繰り出していたわ。
それは、ネズミ隊も一緒。
始めは1発も、攻撃はヒットしなかったの。
見えているかの様に……ではなく、本当に視た未来で避けて行くのよね。
スキル“未来予想図”と魔術“未来予想図”の強さだわ。
恐ろしいわね。
『どんな攻撃でも、当たらなければ意味が無いよ! あたしに当ててごらん。アハハハ!』
ちょ〜強気。
でも、本当に当たらなければ良いのよね。
最強の防御だわ。
ところが……。
バチ!
ボコ!
『ギャ! !』
『やったワン』
忠中が放った魔術“雷喜”と、ハチの魔術“ストーンランセ”がロクにヒットしたの。
当たったのよ!
未来を視えていたはずなのに、攻撃がロクに当たったの!
驚くじゃない。
私が話すより先に、激が飛んだわ。
「手を緩めるな! !」
お父様は、ハチとネズミ隊に叱責したの。
……手を緩めるな!……。
どう言う意味?
『『『『『『おう!』』』』』』
気を取り直して、波状攻撃がまた始まったの。
あれ?
また、当たらなくなったわ? ?
さっぱり分からないわね。
答えを求めて、私はお父様に詰め寄ったわ。
「どう言う事ですの? 教えてください。お父様」
「なに、簡単な事さぁ。ロクの特殊スキル“未来予想図”は、完璧なスキルと思われがちだが欠点はある。問題は5分。この5分が鍵を握る。スキル“未来予想図”は、5分先の未来を視るんだったなぁ。だったら5分以上、攻撃を続ければいい。未来を見ようが見ないが関係無い。そして、常に未来を視続けている為に、隙が生まれる。たとえ、固定したとしても攻撃力は変わらないからなぁ」
「では、ガロス様。ハチたちに授けた知恵とは、途切れる事なく攻撃しろ! ですか?」
「ハンナ。その通りだ」
「お父様。そんな簡単な事で良かったのですね」
私のこの発言に呆れた顔をした、お父様とハンナ。
「ナナ様。その波状攻撃がどんなに、難しいかお分かりですか?」
素直に首を横に振った。
「知らないわ」
「ハァ〜。まぁ、ナナなら言いそうだがな。よく想像しろよ」
「分かりましたわ。お父様」
とりあえず、お父様の話に集中したわ。
だって、よく想像しろよ! なんて言うんですもの。
こっちだって真剣になるわよね。
「単発攻撃では弱すぎる。複数攻撃は味方を巻き込む可能性がある。敵は未来を視るスキル持ち。ナナなら、どんな風に戦う?」
「え? どんな風に……単発では弱くて、複数は危険……。大技ならどうですか?」
「アハハハ! 確かに有効かもしれんが、未来を視るスキルがある。簡単に避けられるぞ」
「だったら、無理ですわ」
「ナナ様。未来を視るスキルは脅威です。単発の攻撃では、ロクに傷をつける事はできません。複数の攻撃で、ロクに迫るには味方の連繋が必要不可欠です。出会ったばかりの人なら難しいかもしれませんが、ハチとネズミ隊なら問題はありません。阿吽の呼吸で連繋が取れる間柄だからです。だからこそガロス様は、途切れる事なく攻撃しろ! と言ったと考えます。彼等だからこその、指示だったのです」
「お父様、そう言う事だったのですか?」
「その通りだ。俺が考えていた以上の結果だがな」
あらあらいつの間にか、ハチとネズミ隊それにロクまで、お座りをしてお父様の話を聞いていたわ。
そして、何かを思い出したロクが声を上げたの。
『そうかぁ! アレが完成したんだね! だからあれほどの連繋が取れていたんだ。納得だニャ』
『そうワン』
『なるほどね。やっぱり、便利かい?』
『はっ。スキル“意思疎通”ほどではございませんが、登録を必要としませんので便利かと存じます』
『そうかい、そんなに便利なのかい? ハチ、あたしで試してニャ』
と、思ってもみない方向へと進んで行ったの。
私は慌てて止めたわ。
もちろん、説明しながら話していたの。
だってここに居るのは、お父様とハンナなのよ。
隠すことなど何も無いわ。
その、お父様とハンナが不思議そうな顔をしはじめたんですもの。
私は相変わらず、何をこの子たちが言ってしまったのか理解していないんだけれどね。
だって、難しいんですもの!
私には、もう無理無理。
「ちょっと待ってちょうだい。貴方たち何を言っているの?」
『何って? ハチがスキル“闘気功”の新しい使い道を見つけたんだニャ』
「え! 新しいスキル? !」
「それは、どんなスキルなのかい?」
突然、空から声がしたの。
見上げた私達。
その目に写った人物とは!
「ルバー様! !」
「なんでお前がここに居るんだ! !」
「そうですよ! 仕事はどうしたんですか?」
次々と言い連ねる私にお父様にハンナ。
そんな私達の前に、魔術“スプリングボート”から飛び降りたルバー様。
ベチャ!
「痛え!」
お約束のオチをしつつ着地したの。
そして、何事も無かったような態度で話し始めたわ。
心が強いですこと。
「それは、どんなスキルなのかい! 流石にハチとロク達だね。どんなんだい? ボクにも教えてくれよ!ねぇ! 早く教えてくれよ!」
大ハッスルでまくしたてるんですもの。
ドン引きだわ。
でも、ハチ達が考案したスキル“闘気功”の使い道って何かしら?
私が話を進める前にお父様が割り込んだの。
「ハチ……」
「ルバー! なんでお前がいるんだ! 何よりも先にその答えを所望する! 返答によっては……追い返すぞ! !」
「フン、答えは簡単だ! ガロス。お前は大切な物を忘れていたんだ! それは……コレだ! !」
マジックバック改の中から、大量の本を出したの。
絵本? では無いわね。
魔術本やらスキル本。
体術の基礎、なんて本のタイトルもあったわ。
「ワザと置いて行ったんだ。こんな物を持って帰っても、カムイが困るだけだ! まだ2歳だぞ! 読めるかぁ!」
まぁ〜、あきれた。
カムイちゃんのお土産だったのね。
お父様の言う通りだわ。
いらないわね。
「そんな事より。新発見した新しいスキルとは何だい? 早く教えてくれないですか?」
「はぁ〜、ルバー様。落ち着いて下さい。まずはその本を片付けましょう」
「そ、そ、そうだね。で! どんなんだい?」
本気で呆れながらも、確かに気になるものね。
とりあえず、ハチに聞いたわ。
「ねぇ、ハチ。貴方に聞いたら良いのかしら?」
『そうだね。僕だよ。唐突だけれど……スキル“意思疎通”は確かに便利ワン。でも、アレは登録した人同士じゃ無いと使えない。中には登録したくないヤツだっているし、その場限りの人もいる。もう少し、手軽に使える様にならないかなぁ〜との思いから考査が始まったワン。で、目を付けたのは糸電話。でも、スキル“意思疎通”ではどうにも出来なかったから、スキルの加工がやりやすい“闘気功”で考査をし直したワン。すると、糸状に出すことに成功したんだ。そこからが早かったワン。この、先をこんな風に着ける。そうすると、喋る音が糸に伝わり相手に聞こえる。まぁ〜、簡単な事しか伝えられないけれど、戦闘中には丁度いいワン!』
付け加えるように、忠大が話しだした。
『確かに、上、左、右、など単語ですが、戦う上でとても大切な事です。素晴らしいスキルの使い方だと存じます。何よりも、登録無しで使える所が良い点だと思います』
そう付け足しをしながら、忠凶がルバー様の露出している腕に何かを着けたの。
そして、5メートルほどトコトコと、歩いて行ったわ。
すると、みるみるうちにルバー様の顔が赤らみ始めたの。
何かをあった!
「ガロス! 凄いぞ! チュウ、チュウと聞こえる。面白いぞ! なるほど、なるほど。スキル“闘気功”にこんな使い方があったのかぁ。フムフム……スキル“闘気功・糸”。………聞こえたか?」
「何にも聞こえん」
「なるほど、なるほど」
「ウワァ! ルバーの声が二重に聞こえた!」
「なるほど、なるほど」
「止めろ! 気持ち悪い! 喋るなぁ」
「すまん、すまん」
「だから……」
延々に続きそうね。
そして、こちらも。
『ロク! ネズミ隊! 登録されたぞ。コレで“糸”が使えるワン』
『ハチ、あたしに教えな。やってみたいニャ』
『忠凶、そのまま少しづつ離れてみろ』
『わかったよ。忠大』
などと、考査を始める始末。
とんでもない子達ね。
私はそっとハンナに触れ、帰る趣旨を伝えたの。
付き合ってられないわ。
でも、お父様はルバー様が私達を追ってきた本当の意味を感じ取っていたみたい。
私の知らないところで、話しが進んで行ったわ。
パチパチ。
バチバチ。
パチパチ。
バチバチ。
「ルバー、何で来た。本当の目的は何だか」
「……ガウラ様に頼まれた。スアノースに立つ3日ほど前、山の向こうから不吉な揺れを感じたらしい」
「揺れ?」
「元大地の勇者だぞ。お前だって知っているだろう。大地の振動で、目に見えぬ先まで見通す事ができる事を」
「もちろん」
「毎朝の日課で見ていたらしい。僅かな揺れでしかなったみたいだから、気にしなければなんてこと無い出来事だったと。ところが、頭の隅から消える事なく、不吉な思いが心を占めるようになったと話していた」
「そうかぁ」
「そんなに畏まるな。大した事ないさぁ。ボクだって羽を伸ばしたいし、カムイくんにも会いたい。スアノースばかり居てもつまらないからな」
「アハハハ! 言えてるな。確かに、引きこもり過ぎた」
「言ったなぁ! アハハハ!」
「アハハハ!」
「アハハハ!」
2人の笑い声が木霊した。
大変遅くなりましたが更新いたしました。
けして映画を観に行っていて書くのが遅くなった訳ではないのですよ。
すいません。
大好きな漫画の実写版を観に行きました。
無理やり話を繋いで2時間少々にまとめた映画。
ただ素晴らしいCGに脱帽しましたね。
続きがありそうでした。
それでは次回予告。
「名前すら出なくなったわね」
「あぁ」
「私とマギノで予告をするわよ」
「あぁ」
「次回予告
ルジーゼへと帰ってきたナナ達。ナナの前に立ちはだかったのは誰だ! 姿の見えない敵が迫る!
こんな感じでいいかしら?」
「あぁ」
「ねぇ、マギノ」
「あぁ」
「あぁ、しか言って無いじゃないの!」
「あぁ」
マギノとベルネにしてもらいました。
注意ですぞ!
予告通り行かなも?
すいません。
頑張りますので、どうぞ宜しく。
ではまた来週会いましょう!




