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73話 あらあら、魔族領ですって

 本当に大変な1日だったわ。

 はぁ〜。

 龍王が現れた事で、上を下へと大騒ぎ。

 私は竜を影に潜ませたわ。

 お父様とルバー様に話を付けるべく、会議室へと乗り込んだの。

 何とか3人だけになる事ができたけれど、もしもの時のための保険をかけた。

 ハチに魔術“ヘルシャフト”を掛けてもらい、話をしたの。

 コレが大事おおごとにならずに済んだのよね。


 で、結論から言うと……。


「今日から、新しいクラスメイトを紹介しますね。鐡竜一くろがねりゅういちくんです。自己紹介をして下さい」

「はい。僕は、鐡竜一です。渡来者で、今は紅蓮の龍王をしています。僕の中にもう1人居ます。僕の能力じゃ無くて、特殊スキル“暴食之王ベルゼビュート”を持っています。もう1人を紹介します」


 5歳の竜は可愛いわ。

 ただ、鐡ナナとしては複雑だね。

 この2年後に……。


「トッシュだ。夜・路・死・苦」

「「「「「ブッ!!」」」」」


 トッシュの姿に代わってすぐ、ヤ◯キー座りからの名台詞。

 異世界人の私達には吹き出すしか、選択肢が無かったわね。

 まぁ〜、う◯こ座りはこのさい忘れるとして……通常通りに授業が始まったわ。


 この転校生騒ぎも大変だったけれど、実はあの後も大変だったのよ。

 最後の最後に、みんなと顔合わせをしたの。

 そしたら、竜&トッシュとロクがバトルをやらかしてしまったもんだから慌てたわ。

 勿論すぐに誤解が解けて、竜の膝の上でネズミ隊の講義を受けていたけれどね。

 問題は、ロクの魔力にあったの。

 ロクの魔力の元は、爆炎のジャバルの娘シャルルのモノ。

 彼女の飼い猫がロクだったのよ。

 そこに現れたのが、5人の魔族達。

 その内の1人が、シャルルの左腕を捕食した。

 力を得た5人の次のターゲットが、龍王だったの。

 しかも、竜の心を奪った姿はシャルルの魔力を纏った、シャルル本人……では無いわね。

 本人はすでに死んでいるもの。

 姿を真似た偽物よ。

 許せないわ!



「鐡くん。この名字って……」


 青ちゃんが私をチラリと見たわ。

 僅かな動作だったけれど、竜はしっかりと見ていたのね。


「うん。そうだよ。僕は鐡ナナの孫なんだ。そして……この中でも一番の歳上だよ」

「「「「「はぁ?」」」」」


 私も含めて、間抜けな声が重なったわ。

 そりゃ~そうなるわよね。

 だって、どこからどう見たって、今の竜は5才児の姿なんですもの。


「僕がこの世界に来たときが、このぐらいだったから……あれから……20年ほど過ぎているから……本当は……25歳だね!」


 その笑顔が眩しいわぁ。

 あれ?

 この子が産まれたのは、1976年6月20日に誕生したのよ。

 25歳なわけ無いじゃ無いの! !


「竜、それはおかしい話だわ。だって、貴方が産まれたのは……」

 〈「ナナ! その話はいずれする。それまで待ってくれ」〉


 私は、言葉を飲み込んだわ。

 スキル“意思疎通”でいきなり、話して来たんですもの。

 黙ってろ! と、いうことね。

 後からキッチリ聞かせてもらいます……教えてくれるかしら?


 それはさて置き。

 青ちゃんが、冷静に自己紹介を始めたわ。

 さすが委員長よね。


「私は陸奥青森むつせいしんです。青と呼んで下さい」

「わたしはマノアよ。シクヨロ」

「わたしはマナス。本当は勇者なんだけれど、ナナと同じ障がい者なの。だから、ココで一緒に学ばせてもらっているわ。わたしも貴方と同じ、転校生よ。ヨロシクね」

「俺はスアノース・シド・エディート。エディでいいぞ。俺も竜って呼んでいいよなぁ?」

「僕は、ホゼッヒ。ホゼと呼ばれているから、それでいいよ。それより……さっきのは……なに?」


 ホゼから、もっともらしい質問が飛んできてわ。

 さらに、エディから意外な疑問も、ね。


「だったら俺も! 紅蓮の龍王って……ひょっとして、闘技場を壊したのは……」

「エディ! その事は……」

「ナナ、ちゃんと言わないと理解されないよ。エディ、ホゼ、マノア、マナス、青。僕の話は少しだけ難しいかもしれない、それでも最後まで聞いて欲しい。僕は……」


 竜は自分の能力からトッシュの事まで、丁寧に分かりやすく話したわ。

 隠す事なくね。

 後から何故? と聞くと、たった一言の答えだった。


「仲間だからね」


 この言葉に、みんなの緊張が解けたの。

 私達も、自分の特殊スキルや魔術を説明したわ。

 最後にマノアが。


「これポラロイドカメラね。仲間の証よ」

「ナ、ナ、ナナ! ! も、も、貰っていいの? ? ?」


 目をキラキラさせながら、私を見つめているわ!

 あ、あ、あの頃の竜坊よ!

 鼻から一筋の赤い涙が、零れたわ。


「「「「ナ、ナ、ナナ(ちゃん)! ! !」」」」


 みんなの声が、私に聞こえる事は無かった。





「ルバー様、コレはどう言う状況ですの?」


 私は竜を連れて、昨日の会議室へと来ていた。

 夕食を済ませた後、お父様から連絡があったの。

 昨日と同じ会議室へと来てくれ、だったわ。

 この場所へと、また足を踏み入れた訳ね。

 そこに居たのはルバー様……だけ?

 辺りをキョロキョロした私にハチが色々、教えてくれたわ。


『ナナ、魔術“ヘルシャフト”が発動しているワン。さらに、この部屋だけではなくて隣の部屋まで魔術内なんだ。その部屋には、王様にガロスに貴族連中がいるワン。話し声だけ聞こえているみたいだよ』

「ルバー様。この部屋割りに、意図があるのですか?」

「苦肉の策だよ。さすがに、紅蓮の龍王様と王を同じ空間に居ていただく訳にはいかないからね。さて、くだんの龍王様を紹介してもらえるかい?」


 はぁ〜。

 なんて、キラキラしたお目々で見てるのよ。

 眩しすぎるわ。

 おそらく聞きたい事は、魔族に関してよね。

 まるで事情聴取だわ。

 机が1つに、三脚の椅子。

 何だか、悪い事をしちゃった気分。


「トッシュ。貴方が出て来てくれるかしら? 聞きたいのは、龍王の事であり、あの山の向こうの話だわ。頼めるかしら」

 〈「……喋れねぇ〜事は、話さないぞ」〉

「問題ないわ」


 私の一言で、影から出て来たのはダンディな前紅蓮の龍王トッシュ。

 惚れ惚れするようなスタイすよね。

 喋らなければ!


「で、俺に聞きたい事って何だ」


 ドスンと椅子に座った。

 足を広げた横柄な座り方をしたわ。

 何処ぞのヤ◯ザさんもビックリね。

 私はその隣の椅子に、楚々として腰掛けたわ。


「聞きたい事って、魔族領に関してですわよね」

「いや、その前に尋ねたいことがある」

「私に? トッシュに? どちらですの?」

「龍王様に、だ」

「俺かぁ。何だ?」

「えっと、その、あの、……」

「あぁ?」


 キ、キ、キモチワルイ。

 恥じらうルバー様の姿は、流石にねぇ。


「ルバー様、大丈夫ですか? ご気分が優れないのなら、私が質問をいたしますが」


 覗き込むように見ましたわ。

 すると、勢いよく首を振り。


「イヤイヤイヤイヤ、僕がするよ。その、えっと、ま、まずは……」

「まずは……」

「まずは……3サイズから教えて下さい!」


 ズコー!

 予想外の質問に、2人してコケてしまった。

 その音は、隣でもしていたの。


「「「「ルバー! !」」」」

「五月蝿い! だいたいお前らこそ、可笑しいんだぞ! 目の前にいるのは、創世の1ひとりなんだ。この世界を創ったとされる神龍の1柱なんだぞ。コレがどれほど凄い事なのか理解できないのかぁ! ……神龍の1柱は海になり、空になり、大地になり、風になり、そして、魔獣の王になった……そんな一文がある。と! 言う事は、今目の前にいるお方こそ神龍その人なんだぞ!」

「……そうなの?」


 頭をポリポリ掻いていたトッシュを見たわ。

 複雑そうな顔をしていたわね。


「まぁ〜なんだ。そうだ! と言えばそうなんだが、違うと言えば違う」

「回りくどい言い方ね。違うの? 違わないの?」

「その辺は勘弁してくれ。言える事と言え無い事がある」

「それは、知っていて言え無い事? 知らなくて言え無い事?」

「両方だ。知っていても、喋る事を許され無い事柄だったり、何故? こんな風になったのか、の確認が取れない事だったり、だ。間違った事は言えん」

「だ、そうですってルバー様」

「え! あ、そ、そうだね」


 だめだこりゃ〜、完全に乙女の目だわ。

 文献に出ていた人物が目の前にいれば、こうなるわよね。

 ここは私がしっかりしないとダメね。


「私から、質問していいかしら?」

「おう」

「あの山の向こうには、どれ程の魔族がいるのですか?」

「なるほど、良い質問だ。では、ナナに質問だ」

「質問に質問ではおかしいでしょう!」

「あははは! 確かになぁ。でも、意外に重要なんだぜ。で、だ。質問だ! 魔族とはなぁ〜んだ」

「「はぁ?」」


 突拍子もない問いに、変な声が重なったわ。

 ルバー様と顔を見合わせ、はてな顔をしてしまったじゃないの。


「魔族は……魔族……です……か?」

「魔力を宿した……人族? ……です……か?」

「え! ルバー様! 魔族って人族なんですか?」

「それは、分からないけれど。魔獣は、魔力を宿し過ぎた獣ですよね。だったら、魔族は、魔力を宿し過ぎた人という事になる。流れ的に符合するかなぁ〜、と思っただけですよ」

「当たりだ! なかなか、やるじゃないかぁ」

「あ、あ、ありがとうございます!」


 眩しい笑顔です事。

 私は溜息を吐きながら、感じた事をそのまま言ったわ。


「はぁ〜。でも、魔族が人族なら、とんでも無い人数があの山の向こうに居るんですね。怖いわ」

「ナナ、それは違うぜ。と、言うより……う〜ん……理解できるかぁ? そもそも、人の矜持はなんだ?」

「え? 矜持とは、自分の能力を優れたものとして誇る気持ち。自負。プライド……プライド……。人の矜持は、命を守る心ですわ」

「僕は、全ての命を護る力であり魔術、です」

「なるほど、そんなモンだろうなぁ。じゃ、聞くが、獣としての矜持はなんだと思う?」

「「? ?」」


 私はハチを見たわ。

 首を傾げた、可愛い仕草で答えてくれた。


『生きる事ワン』

「へぇ〜、そうなのね。ハチが生きる事ですって。完結ですわね」

「あははは! 確かにそうだなぁ。大正解だ。あの山の向こうは、人の矜持より獣の矜持が優先される。命より生きる事。弱い者は強い者に捕食され、力になる。弱肉強食の世界なんだ。ふっふっふ……」

「そこは、笑う所ではありませんわよ!」

「悪りぃ〜。竜が、焼肉定食? なんて言いやがるから思わず笑ってしまったぜ。兎に角だ! 魔力の無い者も弱い者も、皆等しく強い者の餌になる。そんな世界が、あの山の向こうに広がってんだ。正確な人数は不明だが……おそらく、魔族は5人。魔獣は……捕食されているだろうから……不明だなぁ」

「トッシュ。その5人って」

「あぁ、その5人だ」


 ルバー様を置き去りにして、頷き合ったわ。

 そして、私が口走ってしまった言葉にルバー様だけでは無く、隣で聞き耳を立てている人達までも戦慄する事となる。


「私達は、勝てそう?」

「あははは! 俺でさえ無理なのに、お前達が勝てる訳ないだろう」

「!」

「よね。ルバー様、そんなに驚かないで下さいよ」

「し、し、しかし……」

「はぁ〜。何とかなりませんの?」


 トッシュは顎に手を当てて、何かを考えていたわ。


「う〜ん、そうだなぁ。今の俺では無理だ。でも……俺は、この首輪を付けて確信した。ルバーが言ったように、人の矜持が魔族に対抗する手段だと、なぁ」


 あらあら、ウインクが素敵ですわね。


「ルバー様。勇者や異世界人だけではありませんわ。全ての人族に、警告と教育をするべきです。知っているのと知らないとでは、心構えが違います。あの山の向こうには、自分達を脅かす脅威がいる事を周知させて下さい。そして、スキルと魔術の研摩をしましょう! 活路は此処にこそ、あると考えますわ」

「分かった。……龍王様」

「トッシュでいいぞ」

「ト、トッシュ。魔術の考査の協力をお願い致します」

「おう! 俺の方こそよろしくなぁ」

「はい! こちらこそ、よろしくお願いします。ナナくん、すまないが後を頼む。僕は、王様とガロスに話を付けて来るよ。“解”」


 ルバー様は、そそくさと部屋を出て行ったわ。

 私は最後の疑問をトッシュにぶつけた。


「ねぇ〜、トッシュ」

「な、な、なんだよ。品を作ってたって、意味ねぇぞ〜」

「あら、ダメだったかしら? まぁ、いいわ。ねぇ、間違った事は言え無いとか、確認がどうのとか、言っていたわよね。誰からに聞くの? それとも、調べるの?」

「その事かぁ。……聞くんだよ。と、言っても直ぐじゃねぇ。今は寝てるんだ。後、4年ぐらいは起きねぇと思うぜ」

「え! 寝すぎでしょう?」

「あははは、確かに寝すぎだなぁ。本当に……寝すぎだぜ」


 遠くを見つめ哀しい表情を見せたわ。

 なぜ? と、聞きたかったけれど無理ね。

 哀愁が私の言葉を飲み込んだみたい。

 いつか話してくれるわよね……トッシュ。




「よっしゃ! やってやるぜ! ガロス! さぁ、俺にスキル“闘気功”を教えろ! オー!」


 朝からテンション高いわ。

 昨日の哀愁はどこに消えたのよ。

 ご飯だってモリモリ食べるし、授業は……寝ないで竜が受けていたわ。

 それにしても、問題は山積みね。

 でも、敵の姿は見えた気がしたわ。

 5人の魔族。

 彼らがロクの飼い主を罠に嵌め、竜の恋心を弄び龍族を魔力に変えた。

 その魔族が山の向こうで、手ぐすねを引いて待っているかと思うと、枕を高くして寝られ無いわ。

 あの後のルバー様は早かったわね。

 本当に迅速だったわ。

 王様と貴族に話を付け、大々的に発表をしたの。



【勅使からの言葉である】

 龍王からの情報により。

 新たな事実が判明。

 魔族は実在し、力を付けているとの事。

 その数、不明。

 しかし、恐れるなかれ。

 我々にはスキルがある。

 魔術がある。

 全ての民に告ぐ。

 我ら勇者、異世界人が民の営みを脅かす存在から護ってみせる。

 勿論、勇者や異世界人だけでは無い!

 全ての民に告ぐ。

 スキルと言う武器を持て!

 魔術と言う手段で魔族を蹴散らそうぞ!



 民を鼓舞する言葉の羅列ね。

 吐き気がしそうだわ。

 肝心な強さについての発表は無し。

 ついでに、具体的案の提示も無し。

 無し、無し無し無し……。

 はぁ〜、これでいい訳ないわよね。


「お父様。アレは何なんです? 何も言ってい無いのと同じでしょう」

「う、う〜ん……」

「あははは! ナナは厳しいなぁ」

「トッシュ、でも」

「仕方ないだろう。アレでも、何も言わ無いよりは良いと思うぜ。努力できるヤツがやればいい。出来無いヤツを不安の坩堝に陥れても仕方ないだろう。配慮と言えば、最善の配慮だ。さぁ! ガロス! 教えろ!」


 偉そうに言いましたわね。

 でも、正論だわ。

 下手に不安を煽っても、仕方無いですものね。

 それでもねぇ〜。

 はぁ〜、釈然とし無いものを感じるわ。


「トッシュ、すまんが少し待ってもらっていいかぁ?」

「何でだよ」

「もう1人? 1匹? 来るんだ」

「あ! 来た来た。アイザック殿! こちらだ」

「ホ、ホ、ホワイトベアー? ! 彼奴らは、孤高の獣だろう。誰にも靡かない事で知られる、あのホワイトベアー、だろ?」

「おそらく、そのホワイトベアーよ」

『ナナ殿。遅くなってすまない』

「礼儀正しい!」

「注目するとこ、そこ!」


 悠然と歩いて来る姿は、何処ぞの王様よね。

 頭を軽く下げて、私とトッシュに会釈したわ。

 言葉は通じなくても、意味は理解できる仕草。

 何処で覚えたのよ。


『遅くなってすまない。出がけに子供達がグズってしまい、マナスとロキアに手伝ってもらってあやしていた』

「大丈夫よ。元気があっていいじゃない。紹介するわ。こちらは……」

『挨拶は結構だ。見ただけで強者だと分かる。それに、マナスから聞いた。龍王トッシュであろう。我の事も話しておいて欲しい』

「わ、わ、分かったわ。トッシュ。こちらはホワイトベアーのアイザック。クラスにマナスっていたでしょう。彼女の従魔なの。トッシュと一緒よ。最近“恭順の首輪”を付けたから、スキル“闘気功”を学びに来たのね。ちなみに、私は通訳で呼ばれたのよ」

「俺は、トッシュだ。1度、手合わせを願いたい」

『フッ、命は大切にしたい』

「あははは〜、言い過ぎたわ。貴方ならいいセン行くと思うけれど。トッシュ。アイザックは、命は大切にしたいですって」

「なるほど……それは俺のセリフだなぁ」


 トッシュはアイザックに右手を差し出した。

 その手を左手で握り返したの。

 ある意味、歴史的な瞬間だったかも?

 だって、紅蓮の龍王と獣の王とされているホワイトベアーが、握手をしているのよ。

 絵面的に豪華だわ。

 思わずカメラでパシャリ。

 お父様まで入れて、もう一枚。

 何だか、平和ね。

 でもこれから、この2人の凄さを垣間見る事となるのよ。

 そう思うと、怖いわね。


「ヨッシャ! 始めるぜ! !」


 はぁ〜、無駄に元気なトッシュ。


『ウム! 宜しくお願い致します』


 はぁ〜、無駄に礼儀正しいアイザック。


「まずは、身体に流れる気を感じるんだ」


 はぁ〜、無駄に難しい言葉を話すお父様。

 はぁ〜、そして私は溜息ばかり。

 はぁ〜、はぁ〜。

敵の姿が出て来ましたね。

もう少し話せば……ウフフ

秘密にしている方が良いですよね。


次回予告

「マーゼ! ココがよこくらちぃぜ」

「ブード! ……へぇ〜……なにもないね」

「だね」

「でも、よこくしていいみたいだよ」

「じゃ〜、にぃちゃんであるオレがするぜ」

「え〜! ずるい! !」

「オホン。……次回予告。

あの山の向こうの現実を知ったナナ達、人族は恐怖を覚えた。 トッシュにより齎されたのは驚愕の情報に狼狽えるルバー。しかし! 生きる道を閉ざされた訳ではない!その事実をしかと見ろ!前に進む事こそ人の矜持なり!!

どうだ?にぃちゃんはかっこよかっただろ?」

「しゃべりかたが、まったくちがうけどね」

「え?」


アイザックの子供達にして頂きました。

子供なので平仮名率が高いのですが、ね。

可愛さをご理解下さい。


それではまた来週会いましょう!

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