67話 あらあら、守護獣ですって
ハチの魔術“闘気功・玉”とエディの特殊魔術“フライ”のおかげで、あっという間にソルの洞窟まで来た私達。
術を解いた瞬間、雹が大地を抉る音と獣の咆哮が出迎えてくれたわ。
流石に恐れ慄いたわよ。
でも、子グマの事が気になり先へと進んだわ。
そこで見たものとは、変わり果てたホワイトベアーの主の姿だった。
2メートルほどの巨体に、我を忘れた深紅の瞳。
身体のあちらこちらから魔石が顔を出し、宿った魔力を放出していたの。
悍ましい光景に息を飲んだわ。
誰もが動けない中、魔獣化を許可したロクとネズミ隊が取り押さえに動いてくれた。
見事な連携に、見惚れてしまうほどだったわ。
ハチはハチで新しい魔術“エンジェルリング”で、私達全員と主と子グマの命を繋ぎ止めてくれた。
ここまでは、うまく事が運んでいたわ。
ただ、これからが問題よね。
そもそもなぜ、主ことアイザックさんは我を忘れるほど暴れてしまったのか?
正気をともり戻した今、全てを話してくれるのかしら?
不安は尽きないわね。
『……我が……したのかぁ? 我は……何をしたんだ?』
忠大と忠凶のスキル“影法師・影縫い”が完璧に極まっているから、全く動く事が出来ないわ。
話をする為に、首から上を解放してもらったの。
辺りを見て驚愕した様ね。
おそらくだけれど、生きていけるだけの環境と助け合える仲間が居たからこそ、過酷なソルの大地で暮らしてこれたはず。
それが、どこもかしこも穴だらけ。
崩れなかったのが不思議なくらいの荒れように、言葉を無くしているわ。
そして、毛布の上でリズム良く寝息を立てている子グマが2匹。
その奥には、一部白骨化しているホワイトベアーが1匹。
助け合えていた仲間の姿など、どこにも居ない現状。
まさに、自分を責めるしかない状況よね。
私は爆発しない様に感情をコントロールしながら、話し出したわ。
「私の声は聞こえるかしら? アイザックさん!」
ダメよダメ!
もう少し、深呼吸しないといけないわ。
「フゥ〜、スゥ〜、フゥ〜。もう一度、言うわね。正直に答えてちょうだい。……私の声は聞こえるかしら?」
『あぁ、聞こえている』
「そう、改めて名乗らせてもらうわ。私はルジーゼ・ロタ・ナナ。この地を統治するメースロア・セラ・ベネル様の依頼で、貴方に会いに来ましたわ。ところが……この有様は何? 何がどうなったら、こんな事になるの?」
『姫様。スキル“走破”を使いますか?』
「そうね。使ってちょうだい。ただ、話はアイザックさんから聞くわ。間違っていたら訂正してくれる?」
『はっ。では……スキル“走破”……。……整理いたしました』
忠大が影から姿を現し、アイザックさんに触れたわ。
暫しの間があり、読み取りを完了したようね。
私は忠大に頷き、そして頷き返され、また影へと消えて行ったの。
さて、話を聞きましょうかぁ!
「包み隠さず話して下さい。順を追ってね。ちなみに、暴れるおつもりなら……それ相応の措置をいたしますが……どうされます?」
私はロクを見たわ。
彼女は、私を抱いているハンナの足元で、警戒心剥き出しで唸っているわ。
『暴れたりなどせん……このままで良い。
我はアイザック。そこの屍は、妻のヒョウ。赤子は、我の子でブートとマーゼ。この洞窟は、程よく暖かく住みやすい空間だった。その為、他のものが来ぬ様に、我の力で雹を降らせ閉鎖した。食べる物が無く人間を襲っていたら、大きな人間の女が食料をやるから襲うなと諭された。そこから先は、この洞窟でも他の生きる者が生きれる様にした。子が生まれたやさき……揺れた。大きく揺れたんだ。子を庇ってヒョウが死んだ。我は子のために果物や肉を用意した。しかし、食べられる訳はなく弱っていくばかり。我は、我は、焦り狂った思考に行き着いた。魔力を与えれば生き延びるかも、と考えた。人間が話しているのを思い出したんだ。魔石を食らい魔力が上がれば、もっといい暮らしが出来る、と。我は手当たり次第食った。噛み砕き、丸呑みしながら食った。そして……記憶が……無い』
「……間違いは無いの?」
『はっ。付け加えるなら。魔石を求めてアビッソグロットに侵入し、ダッチ様達に遭遇した模様です。ソルの洞窟まで戻る途中に、水龍の祠を見つけ勾玉を飲み込んだ様です』
「……本当に……本当に、手当たり次第、何でも食べていたのね。暮らす事は生きる事とは違うのよ。なぜ! 人間を頼らなかったの? なぜ! 大きな人間を探さなかったの? なぜ! 嘘の情報に惑わされたの? 貴方がしっかりしないで、誰がこの子を守るのよ!」
『確かに、その通りだ。全て我に責任がある。我だけを断罪してくれ。出来る事なら……この場で。ヒョウの側で眠れるのなら、それで良い』
「あははは! 貴方にその権利は無いわ。もちろん私にも無いわね。今からみんなに話すわ。もう暫くそのまま……このままでは、忠大と忠凶が辛いわね。ロク、魔術“ザイル”で縛っちゃってくれるかしら?」
『任せな。魔術“ザイル”』
警戒を解いていなかったロクの左尻尾から、黒属性のロープが生き物の様に伸び、アイザックを捕えた。
そしてみんなに向き合い口を開いたの。
「馬車のある所まで戻りましょう」
「ナナ! ちょっと待って!」
私の前に飛び出したのはマナス。
「あの子は、あのままなの? 少しだけ待って。せめて埋めるから! 待って!」
そう言って駆け出した。
私は思わず手を伸ばしたわ。
そんな暇は無いの! と言うためにね。
ところが、私の影からハチが出てきてマナスの後を追ったの。
驚いたのはマナスよね。
私も驚いたけれど。
ハチはマナスを追い越し、一部白骨化しているホワイトベアーの遺体へと近付いたわ。
『魔術“アースカリメリ”からの魔術“アイアンウォール”』
『魔術“創造”。人族も魔族も魔獣も、関係ないんだよ。あたしは、どんな手段を使っても守ってみせる。今度こそ、今度こそ絶対に守ってやるんだ。ハチ、あんたもだろう?』
『もちろん』
『我にその機会は無いだろう。しかし、ありがとう。そこの娘にも、礼を言ってくれ』
「マナス。ありがとうですって」
「ナナ……ありがとう。ハチもロクも、ありがとう」
ハチがホワイトベアーのヒョウの遺体を埋めて、ロクが墓標を創造したの。
そこには、親子3人のレリーフが刻まれていたわ。
幸せそうな姿に、暫しの時を忘れたわね。
ロキアとマナスが子供を抱いて歩き。
私はハンナに抱かれ。
アイザックはロクの“ザイル”に繋がれて、静かに歩いて来ているわ。
前には忠大、殿には忠凶が付き、洞窟の入り口まで来たの。
そこには思いもよらない人物が私達を待っていた。
「「お母様! お父様!」」
「ロキア! マナス! 無事なんだなぁ」
「お父様。私は無事ですわ。もちろん、マナスも」
そうなの。
ベルネ様とリンドー様が、大八車の様な馬車の横に佇んでいたわ。
「ベルネ様? リンドー様? どうやってここまで来たのですか?」
「本当に無事なのね! ホッとしたわ。まったくもぉ〜。私達が来るまで待っていて欲しかったわ。
貴方達を追いかけて、アビッソグロットの先端まで来た時に、雹が止んでいたのよ。普通の吹雪に変わっていたから、ここまで来れたの。ナナちゃん……説明してくれる? 後ろにいるのは……」
「分かっていますわ。ベルネ様。ですが、この子達を馬車の中に入れてもよろしいですか? まだ、弱っていますの」
「ナナ、私が側にいたいわ。ダメ? 話なら後からお姉様に聞くから。ちゃんと聞くから! ……ダメ?」
「マナス。もちろんいいわよ。こちらからお願いするわ。ハチの魔術“エンジェルリング”がまだ、有効だから大丈夫と思うけれど、何かあったら教えてくれる?」
「うん! 任して!」
ロキアとマナスは、ベルネ様が乗って来たフカフカの絨毯が敷き詰めてある馬車へと運んだわ。
戻って来たのはロキアだけ。
さて、みんなの前で全てを話す時か来たみたいね。
私は掻い摘むことなく、ありのままを話したわ。
「忠大の意見だけれど、水龍の勾玉が自覚を失うきっかけだったと思うわ。やはり龍の祠には、近付かない方が賢明だと思います。ねぇ、私、話しをしながら気が付いた事があるの。アイザック、確認してもいいかしら?」
当の本人は、ロクの“ザイル”に繋がれていて、前と後ろには忠大と忠凶が固めていたわ。
後ろを振り向き確認したの。
『なんでも聞いてくれ』
「そう。ソルの雹は貴方が降らせていたの?」
『そうだ』
「魔術? スキル?」
『知らん』
『姫様。この者は特殊スキル“気温変化”を取得しております。ベルネ様の特殊スキル“温度変化”と近いスキルです。広域まで影響を及ぼすのが、特殊スキル“気温変化”と捉えてよろしいかと思います』
後ろから声だけで、忠凶が説明してくれたわ。
「なるほどね。ベルネ様。ホワイトベアーのアイザックは、貴女様の持つ特殊スキル“温度変化”を広域にした、スリル“気温変化”を保持している様です。ですから、このソルの地に雹が降り注いでいたんですね。
……この者の処遇はいかがいたします? 処刑しますか? 本人の希望としては、妻のヒョウの側で眠りたいと望んでいる様です」
すると、ここで意外な人が手を挙げたの。
「ベルネ様、主の処遇について意見が御座います。発言の許可を求めます」
そう言いながら、そぉっと、挙手したのはダッチ村長だったの。
「許可するわ。何?」
「はい、ありがとうございます。確かに4名ほど被害を受けておりますが、ベルネ様と同等のスキルを保有しているとの事。その様な者を死なせるのは、惜しい気がいたします。我々の事などお気になさらず、お決め下さい」
「そうよね。私と似た様なスキルは珍しいわ。ナナちゃん?」
私を見たベルネ様は、不思議な顔をしたの。
それもそのはずよね。
私の顔はゆでダコみたいに赤くなっていたんですもの。
「ナナちゃん、大丈夫?」
「大丈夫じゃないです。私の耳が壊れたのかしら? それとも言葉の認識が違うのかしら? ダッチ村長はベルネ様に、4人の死者など忘れていいから、珍しいスキルを優先して欲しいと聞こえましたわ。……まさか……間違えて……ないの?」
「間違えてないわね」
「ダッチ村長! !」
「ナナちゃん! 貴女の言いたいことは理解できるわ。でも……小人族を責めないであげてちょうだい。このメースロア地方は、生きて行くには過酷なのよ。よくよく、思い出してほしいわ。ここまで来る道中、何人の小人族を見た? そんなに多くないはずよ。
……これじゃ〜、貴女は納得しないわね。命より大切な事など無いわ。それは、理解できているのよ。でも、それでも! 生きて行くのに、私のスキルや主のスキルが必要なの。ナナちゃん……分かってあげて……彼らもここまで来るのに、幾人もの命を見送ったわ。下を向いて泣いていると、凍って死ぬのよ。亡くなった悲しみに浸る事すら許されなかった。その哀しさを分かってあげて」
「……」
言葉が出ないわね。
ベルネ様の言いたいことは、理解しなくも無いわ。
でも、でも、でも……それでも!
「命は重いわ! !」
私は叫んだ。
「ナナ様……」
「ダッチ村長。何も言わないで。ベルネ様の話した事は、よく理解できたわ。でも……」
「ナナ様……ありがとうございます。大丈夫です。ベルネ様やリンドー様は、私達より、私たちの事を想い良くして頂いております。もちろん、今回、犠牲になった者もコレまでに命を落とした者にも、心からの哀悼をして頂いていますよ。本当に、良くして頂いています。本当に……」
ダッチ村長の目に一筋の涙が頬を流れたわ。
「下を向いて泣いていると凍って死ぬ……大変なところに暮らしているのね。貴方もそうなの? 死んだ者より、生きている者を選んだの?」
私は、納得したく無い気持ちをそのままぶつけた。
受け止めてくれたのは……アイザックさんだった。
『そうだ、ナナよ。我とて守りたかった。守れるものなら、守りたかった。しかし、それが出来ぬのなら仕方ない。この地は、生きている者が優先される。死者を哀悼するのも大切だが、今日の食い扶持の方が大事なんだ。それが、メースロアなんだと我は思う』
「はぁ〜。さすが主様ね。納得しないといけないわ。はぁ〜」
諦めの境地。
そんな言葉が私を支配していたと思うわ。
そんな時、マナスの声が私の心に光をさしてくれたの。
「目が覚めた! アイザック! アイザックさん! 貴方を呼んでいるわ。早く来て!」
誰よりは先に反応したのは、主様だったわ。
当たり前よね。
しかも、ロクの魔術“ザイル”を破ってベルネ様の馬車へと駆け出したの。
そりゃ〜、その場にいた全員、驚いたわよ!
だって、力技で術を解除するだなんて信じられないわ。
しかも、魔力の質と量で言えばロクはトップクラスよ。
そんな人の魔術を力でねじ伏せるだなんて……信じられない。
「キャ! マナス! !」
「ロキア! 行ってはダメだ!」
「ホゼ! 放して。あそこにはマナスが居るのよ!」
「大丈夫よ。ロキア」
「お母様!」
ベルネ様は慌てる事なく、馬車を見つめていたの。
リンドー様は、オロオロしていたけれどね。
「ロク! どういう事?!」
『あははは! 参ったね。やるじゃん、アイザックの野郎。
大丈夫だよ、ナナ。あいつ、小さな声で……お前達の主人は厚情の心を持っている……そう言ったんだ。それにしても、こんなやり方は酷いとあたしは思うね』
「うふふ、そうなんだ。ハンナ、馬車に近寄ってくれる?」
「は、はい」
ゆっくりした足取りで近付いたわ。
さすがベルネ様ね。
アイザックの力量や性格を見抜いていたみたい。
伊達に当主の座にはいない、と言う事ね。
馬車の中を見て笑ってしまったわ。
全員でね。
「ナナ〜、助けてぇ〜、く、苦しい〜」
だって、アイザックは子供とマナス、2匹と1人を抱きしめて泣いているんですもの。
ギュウギュウよね。
「あははは! アイザック。放してあげないと、また息の根が止まるわよ」
『おぉ! コレはすまん。うん? この娘。目が見えぬのか?』
「そうよ。でもね。風の魔術を使って普通に生活できるわ」
『風の魔力……そうかぁ。ナナよ。頼みがある』
「なに?」
『我にもう一度、護る役目を与えてくれぬか? もう一度この手で、この地に生きる命を護る手伝いがしたい』
「だったら、その子を守りなさい」
2匹と1人を抱えたまま、馬車の外に出てアイザック。
『言わずもがな! 我はメースロアの守護獣なり!』
宣言をしたわ。
もちろん、その場で通訳をしたわよ。
そして、私はアイザックに近寄り1つの提案をした。
「だったら名実共に、この地に根付きなさい。この地の礎となる為にも、“恭順の首輪”を着けた方がいいわ。当主のベルネ様と言いたいんだけれど……」
当の本人は首を振ったわ。
「最初の計画通り、マナスにしてちょうだい。ナナちゃんが言っていたじゃない。深い絆が無いと“恭順の首輪”は成立しない、とね。アレを見てよ。マナスったらモフモフに埋もれて幸せそうな顔をしているわ」
アイザックに近寄り、そっと触れたわ。
「私からもお願いするわ。この子達を護ってちょうだい」
『請け負った』
「ナナちゃん。お願いできる?」
「分かったわ。アイザック、マナスを下ろして。ロキア、子供達を預かって」
「まかして」
私はマジックバック改から“恭順の首輪”を取り出して、マナスとアイザックに説明したわ。
「実を言うとね。まだまだ、謎が多いマジックアイテムなの。忠吉は居るかしら?」
『はぁ〜、はぁ〜、こ、ここに』
「大丈夫?」
『はっ。大丈夫です。マジックアイテム“恭順の首輪”は確かに解明はされておりませんが、お互いの意志が通じ想いが同じなら問題ないかと存じます。ただ、意志が通じなければならず。赤児に首輪を着けるのは難しいかと考えます』
「確かにそうねぇ」
『いや、ブートとマーズにも着けてくれ。話を聞く限りでは、その方が安全のようだ』
「確証はないわよ」
『良い。アレを見てみろ。我、以上に懐いている』
「うふふ、そうねぇ」
ロキアに抱かれた双子のブートとマーズ。
体全体でマナスを探していたわ。
腕を伸ばして、キョロキョロして、ね。
「マナス。まずはアイザックからよ。大丈夫。この突起に貴女の血をつけて、アイザックにかかげて」
「う、うん」
恐る恐る、血をつけてアイザックにさし向けたわ。
すると、私の時と同じようにな動きをして、翡翠色の魔法陣が現れ首に嵌ったわ。
首輪の色は、上が翡翠色で下が水色だったわ。
『ほっほっほ〜。なかなか面白い』
「よし! 上手くいったみたいね。マナス、次は兄のブートよ」
「うん! 分かったわ」
ロキアに抱かれた双子ちゃん。
「……どっちがブート?」
「「? ?」」
『あははは! 身体が大きいのがブートで小さいのがマーズだ』
「だったら、コッチね」
『そうだ』
ロキアは、足元に右腕で抱いていた小柄のマーズを下ろしたわ。
少しだけ大きなブートをマナスの前に差し出した。
うふふ、足でガッチリ動かない様に固めている姿に思わず笑ってしまったわ。
ロキアも良いお母さんになれそうね。
私は、マジックバック改から“恭順の首輪”を出してマナスに渡したわ。
上手くいくか不安はあったけれど……サクッと嵌ったわね。
黄褐色の首輪。
楽しそうに笑いながら、マナスに手を伸ばしていたの。
抱きしめてナデナデしていたわ。
「マナス。マーズの番よ」
「うん。お姉ちゃん、ブートをよろしく」
ロキアにブートを預けて、足元に挟まっていたマーズを抱き上げたわ。
「次は貴方よ」
この子も楽しそうに“恭順の首輪”を着けた。
翡翠色の首輪は綺麗な色をしていたわ。
「後はマナスのギルドカードに登録するだけよ。持っているわよね」
アレ?
変な空気が流れたわ?
マナスは下を向いちゃうし。
ロキアはマナスの肩に手をやり慰めているし。
リンドー様は明後日の方を向いちゃうし。
ベルネ様はため息混じりだし。
なんか……変ね。
呆れ口調のベルネ様が、真相を暴露してくれたわ。
「ナナちゃん。ごめんなさい……マナスの……はぁ〜、ギルドカードは無いのよ。生まれた時に登録はしたの。でも、5歳の時に癇癪を起こして、どこかに捨てちゃったのね。今、行方不明なの。まったく困った事よね〜」
「はぁ? ?」
困った事よね〜、じゃない! !
私はみんなを見回したわ。
青い顔をして首を振るばかり。
「どうするのよ!」
本当に……どうしましょう。
大切な事だからもう一度、言いたいわ。
「どうするのよ! !」
おかしいぞ?
アイザック編が終わらなかった……なぜ?
しかも、更新も遅い……なぜ?
すいません。
全て私のせいです。
ごめんなさい。
次回予告、言ってみよう!
「青〜、私達の存在感ってなに?」
「マノアちゃん。大丈夫よ。予告があるじゃない」
「もはやレギュラーよね。あははは〜、はぁ〜。やる気無いわ! 青にパス」
「もぉ〜マノアちゃんったら。
次回予告。3月3日のひな祭りに行われたクイン戦。見事、勝利したナナ。その傍に誰が座るのかぁ! 5月5日の子供の日に開催されるキング戦。誰が栄光を手にするのかぁ! 男達の負けられない戦いが幕を開ける!
で、良いわよね」
「バッチリ〜」
青とマノアにしていただきましたがいかがですか?
次回は閑話です。
アレ?
そう言えば……エディも……?
それではまた来週会いましょう!
……エディごめんよ。




