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100話 あらあら、進化した? ネズミ隊ですって

 お父様とルバー様には困ったわね。

 確かに、非常識な事を言ったと自負しているわよ。

 自分でもそう感じているもの。

 それと言うのも、ハチの特殊スキル“フリーザ”の事。


 ……魔力・属性の付与……。


 私だって魔力が有れば! と、何度思ったことか計りしてないわ。

 でも私より辛かったのは、貴族なのに魔力が無かったお父様と魔力が有り余るほど保有していたルバー様。

 幼い頃に特殊スキル“フリーザ”を知っていたら、ルバー様の魔力を、属性を、お父様に上げることが出来たでしょう。

 その想いが、事実を認める事を拒んだの。

 気持ちは痛いほど分かるわ。

 まぁ、私の場合はロクやハチ、ネズミ隊がいるからそこまでの想いは無いの。

 お父様とルバー様は、違ったみたい。

 だからこその、実査だったのよ。

 2人の目の前で、ハチにやってもらったの。

 忠大で、ね。

 この子達の願いでもあったし、ハチが安全だと言ったから許可したわ。

 それが……。


『やったぞ! 1度、使って見たかったのです。魔術“スプリングボード”』


 胡麻せんべい様な“スプリングボード”を出現させた忠大。

 それに乗り、上下する忠大。

 羨ましそう見る、忠吉、忠中、忠末、忠凶。


「「嘘だろう! ! 現実なわけ無い! ! そんなん事があってたまるかぁ! ! ! !」」


 と、叫ぶお父様とルバー様。

 忠大が言った通り、1回では信じてくれなかったようね。

 ハァ〜、問題はハチが鼻歌混じりでしてしまったことに、私はあると思うわ。

 本当に、簡単に呆気なく進化させてしまったの。

 ちなみに鼻歌は、オクラホマミキサーで有名な曲よ。

 だいぶんアレンジされていたけれどね。


『さぁ、並ぶワン。次々と、やるワンよ!』

『『『『はっ』』』』


 ハチの前に、整列したネズミ隊。

 その顔は、期待と進化できる嬉しさで溢れていたわ。

 ……止められない……。

 すっかり、お父様とルバー様を置き去りにして、進化の作業を進めたの。

 ハァ〜、このとき私は気付くべきだったのよ。

 お父様の目の奥に、仄暗い闇が宿っていた事に。


「終わったの?」

『うん。問題ないワン。我ながら完璧な仕事をしたワン。みんなも……何ともないワンか?』

『『『『『はっ。何ともございません』』』』』

『素晴らしいです。姫様、ありがとうございます。ボク達はこのいただいた力で、守ってみせます』

「忠凶、みんなもありがとうね。でも、約束してちょうだい。決して、無理しないでね」

『『『『『はっ』』』』』


 何ともない様でホッとしたわ。

 あと、気になることといえば進化したこの子達の姿ね。

 ステータスもだけれど。


「お父様、ルバー様。魔術“ヘルシャフト”を解いて、訓練場へと行きませんか? 進化ではないわね。ランクが上がったネズミ隊の状況を確認したいと思います。お父様? ルバー様?」


 言葉を発する事なく、ただただ呆然とネズミ隊の進化を見ていたの。

 呼吸すら忘れていたみたいね。


「……そうして下さい」

「分かりましたわ。……ルバー様……。大丈夫ですか?」

「あ、あぁ、大丈夫、ですよ。行きましょう!」


 正気の色を取り戻したルバー様。

 その目の色が輝き出したの。

 一歩、お父様は……。


「ガロス! 行くぞ!」

「……」


 無言のお父様。

 少し気になるわね。

 でも、そんな事は瑣末な事。

 どんな風にネズミ隊が変わってしまったのかよ。


「忠大、忠吉、忠中、忠末、忠凶。魔獣化を許可します」

『『『『『はっ。魔獣化』』』』』


 現れた姿に驚いたわ。

 魔獣 鬼鼠の姿はカピバラで、パーツは世界的有名な某アニメの電気ネズミ。

 でも毛の色が違うから、色違いね。

 電気ネズミの方は黄色だけれど、鬼鼠はアンダーコートが黒で毛先に行くにつれて金色へと変色していた……はずだったのに、今は三色に色が別れていたの。

 カ、カ、カラフルだわ。

 基本色、アンダーコートは黒で毛先に行くほど金色に変わり、先の先にほんの少しだけ各属性の色が付いていたの。

 忠大なら萌葱色。

 忠吉なら黄褐色。

 忠中なら勿忘草色。

 忠末なら紅赤。

 忠凶なら白。

 イメージするなら、リアルに見えるオーラって感じかしら。

 薄っすらと色が見えるのよ。

 綺麗で可愛いわ。

 これで、個性がハッキリしたわね。

 私は近寄り抱き上げようとする前に、同じことをした人がいたのよ。


「素晴らしい! 各属性で色分けが出来たね。もう迷わないで済むよ。そして、ナナくん。この事は極秘とする。王には報告するが、進化は言わない……言えない……言うべきではないだろう。混乱を生むだけだ。良し! その考査は後回しだ。

 魔術“アースカリメリ”。忠大くんと言いたいが……忠凶くんから白属性の魔術でアレを攻撃してくれないか? そうだなぁ。ボールシリーズが良い。よろしく頼むよ」

『え! ボク? ……はっ。魔術“ホワイトボール”』


 色違いの電気ネズミの忠凶が、白い玉を2メートルほど先に出来た突起に向けて放ったわ。


 ボコ。

 ポッスン。


 あら? 僅かな凹みを作っただけで、消えてしまったわ。

 私が不思議な顔をしてしまったのね。

 だって、派手に破壊されるかと思ったんですもの。

 あまりにも地味だわ。


「アハハハ! ナナくんは、派手に壊れると想像したかい? 白属性は、攻撃に適していない属性なんだよ。治癒系に特化した魔術が多いんだ。異色なモノが多いのも特徴だね。忠凶くん、ためを作り、魔力の練りをゆっくり精密にしてごらん。もう少しマシな攻撃になるよ」

『はっ、ありがとうございます』

「次は忠末くん、頼むよ」

『はっ。魔術“ファイアボール”』


 ボコ。

 ・・・。


 え! !

 小さな焦げを作っただけなの。

 驚く私に、忠凶が説明してくれたわ。

 ルバー様の意図と共にね。


『姫様。ルバー様は属性の相性における攻撃力の違いを実技なさっておいでです。土属性vs白属性。土属性vs火属性。どちらも、土属性とは相性が悪いです。理論では理解できても、実際に目にするのとでは理解の度合いが違います。素晴らしいです。忠末が放った“ファイアボール”は相性が良く無く、壊す事が出来なかったのです』

「なるほど! 属性って面白いですわね。ルバー様、土属性に勝つ火属性の魔術は無いのですか?」

「もちろんあるよ。火属性のもう1つの特徴を用いれば、壊す事はできる。忠末、“ファイヤーランス”を放ってごらん。コツは……細く……鋭く……芯が鋼の槍……だよ」

『……細く……鋭く……芯が鋼……』


 この言葉を忠末は繰り返しながら、集中して行ったわ。


『魔術“ファイヤーランス”』


 ボコ。

 ジュ……ドコ。


 嘘でしょう!

 土の突起に、冷凍みかんサイズの穴が開いていたの。

 その先に円柱が転げ落ちていたわ。

 私は驚いてルバー様を見たの。


「アハハハ! ナナくんは勉強不足ですね。火属性は貫通力が高いのですよ。爆発的な力を発揮できるのが、火属性の魔術です。使い方を間違えないように気をつけて下さい。

 忠末。貴方は、素晴らしい生徒です。僕が言った言葉を理解し、咀嚼してみせたのです。それは、貴方の財産ですよ」

『は、はい!』


 嬉しそうに尻尾を揺らす忠末。

 私が褒められたようで嬉しいわ。

 あれ?

 私って、さっき勉強不足と言われてしまっていたわね。

 ルバー様の目が痛いわ。


「次は、忠吉くんだ。魔術“アースカリメリ”」


 忠大が凹ました突起を壊し、更地にしてからもう一度、同じ物を作ったの。


『では。……魔術“アースボール”』


 ボコ。

 バキ、ドスン。


 今度は、壊すことに成功したわ。

 上から30センチぐらいを巻き添えにして、後ろへと落ちたの。


「良く、練られていて素晴らしい。僕と忠凶の話を聞いていた証ですね。では、アドバイスです。土属性は、肥大化しやすい。大きくなり過ぎるのです。もう少しコンパクトにスピーディーにすると、もっと良くなるでしょう」

『はっ、ありがとうございます』

「次は、忠大くん。魔術“アースカリメリ”」

『はっ、魔術“ウインドボール”』


 ボコ。

 バキ。

 サラサラ〜。


 はぁ?

 ボコ、バキ、まではこれまでと同じ感じだわ。

 でもその後が、サラサラ〜ってなんで?


「ナナくんは顔に出すぎですよ。風属性とは相性が良い方なので、粉々に砕いたのでしょう。ナナくん、ネズミ隊の考査をレポートにまとめて提出して下さい。忠大くん! お手伝いは無しですよ」

「は、はい」

『は、はい』


 忠大と顔を見合わせ笑ってしまったの。

 それにしても、藪蛇だったね。

 項垂れている私を他所に、最後の考査が始まったわ。


「さて、忠中くんです。お願いします。魔術“アースカリメリ”」


 あら?

 今度の突起は大きいわね。

 倍ぐらいの背丈があるの。

 大丈夫よね。

 見上げて、十分ためを作り魔術練り上げた忠中。


『魔術“ウォーターボール”』


 ボコ。

 グチャ。


 マジなのぉ〜!

 壊れるどころか、ドロドロの泥溜まりに変わり果てていたわ。


「ルバー様。忠中は水属性。土属性とは、相性バッチリなんですね。だから、あんな風に壊れたんですわ」

「その通りだよ。ナナくん。ただ、アレはやり過ぎだけれどね。

 忠中くん、気合の入れ過ぎですよ。まだまだ、魔力のコントロールが出来ていない証拠です。忠大くん、忠吉くん、忠中くん、忠末くん、忠凶くん。気の流れをしっかり感じ取り、魔力の流れを体に刻み込みなさい。そうすれば自ずと、魔力も上がりますよ」

『『『『『はっ』』』』』

「ウフフ、みんな良かったわね。それにしても、貴方たち綺麗ね。毛先がそれぞれの色なのね」

「そうだね。ダイヤに魔力を込めると、属性の色が付く。まさか、魔獣でも似たような色が付くとは思わなかったよ」

「面白いですね」

「アハハハ、確かに面白いですね。ガロス、お前はどう考査する? ガロス? ガロス? ?」


 お父様の姿が無かったの。

 そして遠くから、お母様の声が響いてきたわ。


「貴方? どうなさいましたの? カムイはお昼寝の時間ですわ。やっと寝ましたの。起こさないで下さい」

「そんな事はどうでもいい。カムイが能無しと言われ無くて済むぞ! 先ずは、俺で試そうと思う。なぁ〜に、心配する事はない。ハチを信じるんだ。我が娘を信じないで、誰を信じるんだ! これで。俺も能無しと蔑まれる事が無くなる! ! ソノア、お前も堂々と王宮に上がれるぞ!」


 お父様のこの言葉で、何かが崩れる音がしたわ。

 カムイを抱えたお母様の顔には、何を言っているのか理解しいていない表情が張り付いていた。

 お父様の言葉を噛み砕き咀嚼して……飲み込んだ。

 見る見るうちに、お母様の顔が崩れていく。

 カムイを抱え、泣き崩れてしまったの。

 嗚咽が、声なき声を発していたわ。

 流石の私も聴くことが出来ない声。

 お母様の哀しみと、お父様の苦しみ。

 王族として生まれ、愛され優しさに包まれて育ったお母様。

 貴族として生まれたばかりに、魔力を持たずに生まれてしまったばかりに、蔑まれ見下されながら育ったお父様。

 無い物ねだりしても仕方がないと諦め、自分を納得させ、持っていモノだけを磨き、ここまできたお父様。

 そして、友と愛する人を手に入れたお父様。

 さらに、当主として護らなければいけない覚悟と使命を胸に、今の地位にいるお父様。

 それなのに!

  とても簡単に!

 思い通りの魔力が手に入るのなら……奪えるものなら……奪いたい。

 そう思ってしまっても、仕方がないことなのかもしれないわね。

 途方に暮れてしまったわ。

 私は、お父様の苦しみを取り除ける方法を知っているもの。

 でも、それをしてしまうと……お母様を傷付けてしまいそうだわ。

 だって、お母様は幸せなんですもの。

 王族や貴族なんて気にしていなかったはずよ。

 まして、魔力の有り無しなど気にも止めていなかった。

 お父様と出逢い、愛し合い、私が生まれたの! カムイが生まれたの! お母様は幸せなのよ! !

 それなのに、お父様は魔力が無い事を僻んでいたの。

 お母様の幸せと、お父様の幸せがズレていた証拠ね。

 私には……言えない。

 何も……言えない。

 私が躊躇しているうちに、動いてくれた人がいたの。

 お父様にとって最大の敵であり、最強の友。

 スアノース・ルバー。

 その人がお父様を正してくれたわ。


「ガロス! !」


 ドゴォ。

 ドスン。


 左ストレートが、お父様の左頬を貫いたわ。

 どこにそんな力があるのかしら? と、思える程のパンチだった。

 たたらを踏み、尻餅をついた。

 さして、痛くも無い左頬を摩りながら、ルバー様を見たお父様。


「馬鹿野郎! お前は何を見ていたんだ! ! 魔力が無いだけで、誰が見下した! 言ってみろよ! ……誰も、お前を蔑んだ事など……無い」

「……何が分かる? ……最大級の魔力を保有しているお前に何が分かる!」

「あぁ、分からないね。だったら、お前に最大級の魔力を持って生まれてきてしまった、僕の気持ちが分かるのかよ! 常に狙われ、恐れられ、怖がられる。手を繋いだたけで、悲鳴を上げられた事があるか? 目を合わせただけで、殺さないでくれと言われた事があるか? 祖父に、地下牢へと閉じ込められた事があるか?

 それでも僕が生きてこれたのは、何も無いながらも、ひた向きに己と向き合い、持っているものを最大限に活かす方法を編み出すしながら、愛する者を守り通したルジーゼ・ロタ・ガロスと出会えたからだ。

 ガロス……頼むよ。目の前のまやかしに惑わされるな。その真理に目を向けろ!」


 胸ぐらを掴み、まくし立てたルバー様。

 黙って話を聞いていたお父様。

 その横にカムイを抱きしめ、蹲り泣いているお母様。

 私は……私は……お父様と一緒ね。

 沈黙のまま見ていたわ。

 だって、私も考えていたもの。

 魔力が手に入る! みんなに迷惑をかけなくて済む! 対等に話が出来る! と、ね。

 哀しみや辛さの違いはあるけれど、考えていた事は同じだわ。

 私にお父様を非難する資格は無い。

 怒って良いのは、ルバー様だけ。

 泣いて良いのはお母様だけ。


「……」


 俯向き、お母様を見たお父様。

 その背中に手を添えた。

 涙でぐちゃぐちゃのお母様が、そっと顔を上げたの。

 その顔を見たお父様が、自分が何を言って、何をしてしまったのかを理解したみたい。

 弾くようお母様を抱きしめた。

 その強さに、鳴き声を上げるカムイ。

 ようやく起きたみたいね。


「ウゥ〜ウゥ〜……ウワ〜! パパ! ヒックヒック。ママ! ヒックヒック。ナナ! ウワ〜ウワァ〜」


 泣き止まない子供の声は、練習場にサイレンの音の如く響いたわ。

 お父様は無言で、カムイごと抱き締めた。


「ソノア……すまない」


 たった一言。

 でも、お母様は全てを理解したみたい。

 ぐちゃぐちゃの顔が、微笑みに変わったわ。

 夫婦の愛が、言葉を超えた瞬間ね。

 泣き止んだお母様の肩を優しく抱き、お父様はカムイとお母様を寝室に寝かせ、執務室へと場所を移動したわ。


「ルバー、すまない。俺が間違っていた。ハチたちもすまない。あり得ない事が現実に起こると、人の本性が現れてしまうものなのだな。俺の中に、こんなにも魔力に対する渇望が残っていたとは、思いもしなかった。本当にすまない」

「カムイくんに魔力が無かった事に関連しいるんじゃ無いのか? 自分と重ねてしまったんだろう」

「そうだろうなぁ。人族が1番恐ろしいよ」

「でも、お父様。私にこの子達がいるように、お父様にも大切な仲間がいるではありませんか。道に迷ったら、正してくれる友が、ね」

「アハハハ、そうだな。ナナも大切にしろよ」

「もちろんですわ。ルバー様?私たちの話を聞いていました?」


 考査にどっぷり浸っているフリをするルバー様に、話を振ったわ。


「すまない、聞いていなかったよ。そんな事より。ハチくんの特殊スキル“フリーザ”は、貯蔵庫としての機能だけを報告するべきだと思う。全てを言うにはリスクがあり過ぎるような気がする」

「ルバーの意見に賛成だ。俺ですら、魔力・属性の付与に取り憑かれた。一般人ならなおのこと言えない」

「僕はイヴァンこそ、絶対知られてはいけない気がするよ。あいつに知れると、利用されるに決まっている。しかも、国のためと正論を振りかざし、迫ってくるよ。容易に想像出来る」

「フゥ〜、否定できん」


 お父様とルバー様の意見が一致したみたいね。

 でも、人の秘密ほど甘美なモノは無いわ。

 バレても良いように、対策を立てるべきよね。

 そう考えていると、ルバー様がこんな事を言い出したの。


「もう少しだけ、ネズミ隊を観察したい。不明な点が多すぎる。それに、トッシュ様にも話を聞きたい」

「だ、なぁ。そういえば、ナナ。トッシュ殿はどこにいるんだ?」

「さぁ? 知りませんわ。だれか知ってる?」

『知らないワン』

『あたしも知らないよ』

『私も存じ上げておりません』

『オレは海岸で見かけました』

「忠末、本当なの?」

『はっ』

「お父様、忠末が見かけたとの事です。連絡を入れてみますわ。今回の事を話さないといけませんし」

「よろしく頼むよ。ルバー、もう少し考査だ。忠凶、手伝ってくれ」

『はっ』


 元気の良い声ですこと。

 でも竜坊の事は、確かに心配ね。

 どこで、何をしていたのかしら?

100話です。

自分でも驚いています。

よく書いてきましいたね。

もう少し続きそうなので、最後まで読んでいただけると幸いです。

これからも、宜しくお願いします。


次回予告

「マノア!100話ですって。凄いわね。その中で私は……」

「青、そんなこと数えちゃダメよ。予告の権利を上げるから、数えるのをやめて!」

「……マノア。ありかとう。次回予告。

行方をくらましていた紅蓮の龍王。その姿は海岸で目撃されていた。果たしてその意味とは! 気持ちの整理が出来ているのか! ナナ達の前に姿を表すことが出来るのか! 鐡竜一! 男を見せてみろ! !」

「青……私怨が篭り過ぎていたわよ」

「え?!」


青とマノアにしてもらいました。

もうすぐしたら、貴女が主役ですよ!……多分ね。


それでは、また来週会いましょう。

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