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97話 あらあら、魔術“スパイダーライトニング”ですって

 参るわね。

 本当に! マジで! 心底! ……困るわ。


 魔族 マリアこと北岡真理亜きたおかまりあをロクが、魔術“ブラックホール”で取り込む事で魔獣 雪豹へと進化したわよね。

 もちろんSランクよ。

 そして今回の出来事で、ハチが魔族 マンプクこと楽満俊哉らくまんとしやを捕食した事で、魔獣 犬神へと進化しSランクと成ってしまったの。

 まぁ〜、それも仕方がない事だったのだけれど。

 私をマンプクが飲みこんで閉まったことが、原因よね。

 死んだと思ったハチが、バーサー化してしまったの。

 わけも分からなくなったハチがマンプクをパックンと、ね。

 食べてしまったのよ。

 そして魔族 マンプクを取り込んだハチが、哀しみを晒していた大地を一瞬にして、癒やしてしまった。

 元通りにしてしまったの。

 なんの雑作も無くね。

 もちろん、私も五体満足に帰って来れたわ。

 不思議なことにね。

 ルジーゼ城のお父様への報告はルバー様に任せて、私は休ませてもらったの。

 目が覚めて、ハチのステータスを確認してビックリ!

 だって、Sランクに進化してしまっていたんですもの。

 良く良く見ると、訳の分からない特殊スキルなんてモノもあるし。

 誰か、説明して欲しいちょうだい!


「ハチ、楽満俊哉の記憶はあるの?」

『……ある……と言えばあるワン』

「変な言い方ね」

『仕方ないワン。他人の記憶なんて、どうでもいい。知ったこと無いワン』

「冷たいわね」

『だって、コイツはナナを食った。許せないよ』

「まぁ〜、そうだけれど、ね。今は何故、ルジーゼ地方へ来たのか! と、何故そんなの姿になっていたのか! が、知りたいわね」

『姫様。ガロス様と御一緒にお聞きになられた方が、よろしいかと存じます』

「そ、そうよね。でも、聞きたいわ。ハチ……駄目?」

『コイツは、ロクの中に居るマリアに会いたかっただけワン』

「え? ! どういう事なの? ?」

『そのままの意味だよ。楽満俊哉は北岡真理亜に、ほのかな恋心を抱いていたんだ。そのマリアが居なくなった事で、いろんな心が壊れたんだと思う。ひょっとして、この世界に来たときから、壊れていたのかもしれないけれどね』


 ニヒルな笑いが、見下しているように感じるわね。

 でも、だんだん楽満俊哉の記憶がハチを乗っ取りだしたの。


『……追いかけだんだ。僕は……死の物狂いで……追いかけたんだ。マリアは僕のマドンナ。マリアは僕の生き甲斐。マリアは僕の全て。マリアは……マリアは……』

「ハチ! ハチ! しっかりして! ハチ!」


 私の声に、ハッと我に帰ったみたい。


『駄目ワン。北岡真理亜に対する想いが強くて、何も読めないワン』

「そうね。少しだけ、怖かったわ。忠大、スキル“走破”で読み込めない?」

『よ、よ、よ、よろしいのですか? !』

「え? いいわよ。でも、え?」


 そうなのよ。

 ネズミ隊の目がキラキラしだしたの。

 とくに忠大と忠凶が、異様な興奮を醸し度し始めたのよね。

 驚いちゃったわ。


『い、い、いいんですか! ! 忠大、早くしてくれよ。僕は物凄く、気になっていたんだ! 特殊スキル“フリーザ”ってなんだ? は、は、早く!』

『忠凶! 分かっているよ。私だって、どうしてあの姿になったのか。とても、とても、とても! 知りたかったんだ。忠吉、おそらく私と忠凶が使い物にならなくなる。後のことを頼んだぞ』

『分かった』


 なに、なに、何なのよ!

 今生の別れみたいな台詞に、毒気を抜かれたわ。


「そんなに畏まらなくても良いんじゃ無いの?」

『はっ、スキル“走破”は久しぶりに使用するので、緊張しております』

「忠吉、どういう事なの?」

『姫様に、無闇に使わないようにと叱責があり、控えておりました』

「あら、そうなのね。でも、スキル“走破”は負担のかかるスキルだから無闇に使っちゃ駄目よ」

『『『『『はっ』』』』』

「それでも、必要とあらば使用してね」

『『『『『はっ』』』』』


 頭を下げたネズミ隊の面々。

 でも、その目には新たな知識をゲットできる喜びに溢れていたわ。

 本当に大丈夫かしら?

 不安になる笑顔ね。


「それじゃ〜、よろしくね」

『はっ。では、ハチ様。触らせていただきます』

『いいワン』

『私が触る。皆は衝撃に備えよ!』

『『『『オウ!』』』』


 何、この会話。

 死地に赴く兵士かぁ!

 波○砲に備える隊員かぁ!

 全く大袈裟なんだから。

 ところが、そうでも無かったのよね。

 ハチが抱えていたマンプクの記憶は、ある意味、威力満点だったのようなの。

 その事にいち早く気付き、理解していたのはネズミ隊だけ。

 後になって申し訳なかったと、思っちゃったわ。

 ごめんなさい。忠大、忠凶。


『スキル“走破”……グゥファ!』

『・・・・フゥ〜』

「忠大! 忠凶!」


 私は両手を伸ばしたわ。

 気を失って倒れた、2匹を受け止めたの。

 慌てて忠吉を見たわ。


「忠吉! どうしてなの?」

『はっ。ハチ様の情報が、歴史と記憶、魔術とスキルに偏っていた為に起きた現象でございます。担当する者は忠大と忠凶。意識を手放し、無意識下で整理と理解をしているものと思われます。どうか、姫様の影で休ませて頂くと僥倖かと存じます』

「そ、そ、そうなのね。大丈夫なのね」

『『『はっ』』』


 私は静かに、自分の影の中に入れたわ。

 まさか倒れてしまうなんて、想像もしていなかった。


「今からお父様の所へと行こうかと思ったのだけれど、明日にしてもらった方がいいかしら?」

『はっ。御朝食を召し上がり、調査をした報告をする頃には目覚めるかと存じます』

「そう。だったら、とりあえず朝ご飯を食べさせてもらうわ」


 私は運動着に着替え、自室を出た。

 食堂では、お父様もお母様もルバー様もすでに朝食を召し上がっていたの。


「おはようございます。お父様、お母様、ルバー様」

「あ、おはよう」

「おはよう」

「ナナくん、おはよう」


 席について食事を始めたわ。

 朝から豪華だったのよ。

 ツヤツヤの白米に、若芽と豆腐の味噌汁。

 胡瓜と春雨の酢の物。

 鮭の塩焼き。

 生卵に白菜と胡瓜のとこ漬け。

 フルーツのヨーグルト和え。

 ちょっと凄いでしょう。


「何かあったのですか?」

「貴女の力になる食事よ。ナナは体力をつけないとイケないわ。その為には食べる事! 貴女の慣れ親しんだ食事なら、食べてくれると考えたの。意外に美味しいわね」

「お母様、ありがとございます。残さず食べますね!」

「そうしてね」


 あまりの美食に、ペロリと平らげてしまったわ。

 食後のお茶がこれまた美味しいこと。

 この上ない幸せね。

 はぁ〜、日本に生まれて良かった。

 日本ではないんだけれどね。


「ナナ、済まないが報告を頼む」

「はい、お父様。ですが……。実は、起きてすぐハチに聞いたのです。なぜ、魔族マンプクを食べてしまったのか? なぜ、ルジーゼ地方へ来たのか? なぜ、あんな姿をしていたのか? その事を聞いたのです。どうしても気になったので。そしたら……マンプクの記憶が暴走して、何も聞き出す事出来なかったのです。そこで、ネズミ隊にスキル“走破”を使ってもらい、記憶を読み込んでもらうべく使用したのですが……」

「クラッシュしたんだね」

「クラッシュ?」

「記憶の量が多すぎで、意識を手放す事ですよ。意識の領域までも使い、処理速度を上げたんだね」

「そうなんです。忠大と忠凶がクラッシュしてしまって、私の影で寝ています。お父様、どうされますか? 忠吉の話では、間もなく起きるかも? と、話していますが……目覚める気配がありません。起きてから報告をした方が良くありませんか?」

「ウム〜。そうだが……」

「だったら、先に魔術“スパイダーライトニング”の実査と考査と登録をしてはどうか?」

「ハァ〜。お前はそれが、目的だろう」

「バレたか。でも、凄いぞ! 魔術“雷哀らいあい”の雷を、蜘蛛の巣状に紡いだ技なんだ。僕が見たところ、魔術として登録できるのでは無いかと思う。ガロスはどう思う?」

「その魔術を見たことが無いから、何とも言えない」

「ナナくん。早速で悪いが、忠吉くん達に披露してもらえないかい」

「もちろん、良いですわ。忠吉、行ける?」

『『『はっ』』』


 私はお母様と別れ、お父様とルバー様を連れて訓練場へと来たの。

 もちろん、ハチとロクと一緒よ。

 ついでに、ハンナもついて来たわ。


「なんで貴女が居るの?」

「ナナ様……つれないです。昨日の今日ですよ。心配するのは当然だと思います。今日一日、側に居ます。居させてください」

「……ごめんなさい。心配かけてしまったようね」

「はい! 物凄く心配しました。何ともありませんか?」

「えぇ、無いわ。ありがとう、ハンナ」

「はい」


 私の右後ろに陣取ったハンナ。

 その側に別れたはずの、カムイを抱いたお母様の姿が!


「お母様!」

「お散歩ですよ。ねぇ〜、カムイちゃん」

「ワンワン! ナナ、ナ〜ナ!」

「あら? 今、ナナの事をナ〜ナって言ったわね」

「アハハハ! カムイは大物に成りますわ」

「アハハハ! ……すまん」


 お父様の謝罪を受けたわ。

 ウフフ、カムイはお父様似なんですって。

 お父様も子供の頃、やんちゃ坊主だったようなの。

 血の繋がりは強いわね。


 訓練場に私を始め、ハチとロクとネズミ隊。

 お父様にルバー様。

 ハンナにお母様とカムイ。

 これだけの人が揃ったの。

 そんな訓練場の中央に、忠吉、忠中、忠末の3人が二等辺三角形の形に陣取ったのよ。


『では、参ります』

「良いわよ!」


 私の了解の言葉で、頷き合った3人。

 声を揃えて。


『『『“スパイダーライトニング 粘弱ねんじゃく”』』』


 バチバチ!

 バチバチ!


「ハァ? 網?」

「ガロス。網は無いだろう」

「スマン、スマン。少し、触っても良いか」

『弱めにしてはいますが、危険です。痺れます』

「お父様! 触るのは良いのですが、痺れるそうです。“スパイダーライトニング 粘弱”で弱めにしているそうですが……危険みたいですよ」

「粘弱……なるほど、是非とも触りたい」

「以下同文、だな」


 電気が走る蜘蛛の巣。

 物凄く綺麗で、私も触りたくなるわね。

 カムイもアァ〜アァ〜、と言いながら腕を伸ばしていたわ。

 危ないからハンナが、盾になっていたけれどね。

 私も……と、手を伸ばしたけれどハチに止められたわ。

 首を横に振るだけの仕草でね。

 触れたのは、お父様とルバー様。


「な、なに! 引っ着くぞ。そうかぁ! 磁気……。だったら反発も出来るんじゃ無いのか?」

『出来ます。“スパイダーライトニング 反弱はんじゃく”』

「ねぇ、ねぇ。忠吉、どれ位の種類があるの?」

『はっ。粘着の強さが3段階で、反発の強さが3段階です。強は滅多に使いません。とても強く危険だからです』

「……3段階で、危険みたいです」


 キラキラと走る稲妻を見つめる、お父様とルバー様。

 徐に考査が始まったわ。


「ルバー、1人では無理か」

「ガロス……出来る。基本、雷属性で魔術“雷哀”と黒属性の魔術“ザイル”が使えれば……発動するはずだ。1度試してみても良いか」

「出来るのか?」


 お父様の疑問に、爽やかな笑顔で答えたルバー様。

 本当に、魔術やスキルに関しては無敵ね。

 その魔術バカが、忠吉たちの“スパイダーライトニング 粘弱”に歩み寄り、触れて観察して、含み笑いをたたえて、お父様の所に戻ってきたわ。


「ナナくん、ありがとう。フッ、フフフ……。面白い。本当に面白い。良く思いついたものだね。感嘆するよ。では、魔術“スパイダーライトニング 反中”」


 そう言うなり、ルバー様の両手の指を広げたわ。

 その中にキラキラと稲光が走る、小さい蜘蛛の巣が出現したの。

 その途端、歓喜が上がったわ。

 もちろん、彼らの中でね。


『『『やったぞ!』』』


 忠吉、忠中、忠末。

 同じように万歳をして。

 同じような言葉を発して。

 同じように喜んでいたわ。

 でも1人では、出来なかったはずよね?


「ルバー様。1人では出来ない技では無かったのですか?」

「それは、使用対象者の大きさ考えるとね。鼠サイズでは使い道が無いから」

「でもルバー様とて同じ事では無いのですか?」

「ナナくんは、鋭いね。その通りだよ。しかし! この“スパイダーライトニング”の素晴らしい所は、粘着と反発にある。まぁ〜、実査して確認してくれ」


 そう話したルバー様が、訓練場の真ん中まで歩いて行ったわ。

 アハハハ! スキップしている。

 私も良くスキップだと分かったね。

 自分で自分を褒めたいわ。


「ガロス、僕になんでもいいから攻撃してくれ。物理攻撃にしてくれよ。魔術“スパイダーライトニング 粘中”」


 お父様は近場にあった石を拾い、思いっきりルバー様へ投げつけたわ。

 思いっきりね。

 ルバー様は、両手の指を花のように広げ、“スパイダーライトニング”を手の中に作ったの。

 それを両手を広げる事で、大きく展開したわ。

 そこに、お父様が投げた豪速球がヒットした。

 稲光を纏った蜘蛛の巣が、破かれる事も跳ね返る事も無く、ピッタリと引っ付いたの。

 まるで、すぐそばで優しく投げたかのようにね。

 面白いわ。


「どうして、1人でも技が発動できたのですか?」

「フッ、フフフ。それはだね。ナナくん。ちょっとしたコツだよ。指先の1つ1つに、魔術“雷哀らいあい”を発動させる感じにして、紡ぐんだ。それが出来ると、こんな事も出来る」


 そう言って、やってくれたのが……あやとり。


「ルバーって、相変わらず器用。運動は全くダメなのにね」

「ソノア様。それは言わないで下さい」


 あぁ〜、ルバー様の肩が落ちたわ。


「ま、ま、まいいです。そんな事より。この“スパイダーライトニング”は、魔術“雷哀”からの発生型なので技なんです……よね?」

「確かに、分類的には技に当たる。しかし雷を紡ぐ過程は、魔術“雷哀”では無い。魔術として考査に値するよ。“スパイダーライトニング”は魔術で登録されるべきだよ。本当に凄い! 僕は感動している。この魔術は1人でも、複数人でも同じ様に使用できる。

 ナナくん。ロクくんのSランクは素晴らしい。だが、ランクが全てでは無い。僕はネズミ隊こそ、無限大の可能性を感じるよ。彼らこそ、宝だ。大切にしなさい」

「もちろんですわ。ネズミ隊だけじゃ無いです。Sランクのロクも、今回Sランクに上がったハチも、大切な仲間ですわ。私の家族であり、私自身です」

「大切にしなさい…………ナナくん? 今なんと言った? ? ?」

「はい? どこですか? ルバー様?」

「今回Sランクに上がった、の、ところだよ」

「お父様?」


 何を言っているのか理解するのに、数分を要したわ。

 私のところに忠吉が歩み寄り、申し訳なさそうに説明してくれたの。


『姫様。ハチ様に関する事は、何も話されてはおりません』

「あら? そうだっけ?」

「「………」」


 お父様とルバー様の視線が痛いわ。


「ご、ご、ごめんなさい。ハチが、魔族マンプクを取り込んでSランクへと進化しました。詳細は忠大と忠凶が目覚めてからにします……ね」


 エヘヘ〜。

 と、笑ってごまかしたわ。

 それでも、冷たい視線が刺さったの。

 ブスブスと、ね。


「ごめんなさい。でも、そんなに大切ですか?」

「ハァ〜。ナナ、この世界に確認されているSランクは2体だ。紅蓮の龍王トッシュとロクだよ。Sランクとは、1体で国が滅ぶと言われている。最高ランクの魔獣なんだ。そのSランクの魔獣は、発見しだい特定監視対象と認定される。それほどの重要事項なんだよ」

「……」


 言葉がでなかったわ。

 竜もロクもハチも、私にとっては大切な仲間。

 その人たちが監視対象だ! と、言われたの。

 いい気持ちがしないわ。

 でも、怖いのよね。

 過分な力は身を滅ぼすと言うけれど……本当かもしれないわね。

 それでも、私自身なのよ……私自身……なの……よ。

 そんな私に、助け舟を出してくれた人がいたの。


「知らないから、怖いのよ。ルバーなら、良くわかるでしょう。いい寄る者、畏怖する者、恐れひれ伏す者……たくさん見てきたでしょうが! だったら、これからナナ達に起こる事も分かるわよね」


 お母様がルバー様に詰め寄ったわ。

 何があるのかしら?

 当のルバー様は、諦めた様に深いため息を吐き出して、話し出したの。


「ハァ〜〜〜。分かっていますよ。ソノア様。その為にも、ハチの能力すべてを知る必要があります。ガロス。お前の娘の事だ。知りたいだろう」

「もちろん」

「だったら、しっかりソノア様の手綱を握っておけよ」

「無理な事を言うなよ。俺には荷が重すぎる」

「違いない」

「「アハハハ!」」


 悲しい笑いが、辺りにこだましたわ。

 そこに場違いな声が、場を切り裂いたの。


『なんだとぉ〜! ボクが寝ている間に、“スパイダーライトニング”が魔術認定されている! ! 忠吉! どうなっているの!』


 忠凶の慌てふためく姿が、状況を混乱させたわ。


「忠凶、落ち着きなさい。ちゃんと説明してあげるから。大人しくしなさい。忠大、大丈夫なの?」

『はっ。整理は完璧です。ハチ様の特殊スキル“フリーザ”は、隠匿される事をお勧め致します。ルバー様ですら、話されない方が良いかも知れません』

「それほどのスキルなの?」

『はっ』

「でも、私の仲間に3人のSランク者がいるのよ。話さない訳にはいかないわ。護ってもらう為にも……それほどのスキルって何よ」

『はっ。簡単に言いますと、誰でも進化が可能になります。どんな物でも魔力を付与する事が可能です』

「……はぁ?」


 忠大が言わんとしていいる事が、よくわからなかったの。

 でも徐々に湧き上がる不安が、事の重大さを嫌を無しに理解させてしまった。


 ……誰でも進化が可能。

 ……どんな物魔力を付与する事が可能。


 この事をルバー様に話せば、目の色を変えるに違いないわ。

 どうしましょう。

 本当にどうしましょう。

 ハァ〜、何で問題ばかり起こるのかしら?

 当の本人は、自分の新しい力にワクワクが止まらない様なの。

 尻尾がグルグルと、激しく回転しているものね。

 ハァ〜、先が思いやられる。

 ハァ〜、私に明るい未来が来るのかしら?

遅くなってすいませんでした。

インフルエンザのせいで、急に仕事が入り働いていました。

そのため、更新できませんでした。

さらに……キーボードって素晴らしい!

タブレット用に買ったのですが、本当に打ちやすい!

スラスラ書ける!

良いですね!


次回予告

「ノジル。俺の所に報告はいつ頃、来ると思う?」

「そうね。……本来ならすぐに来なければいけない案件よ。でも……ルバーなら後回しにする事は確実よね」

「やはりかぁ!」

「予告で、存在感を上げることをおススメするわ」

「ガッテン承知!次回予告

とんでもない特殊スキルをどうするのか!ナナの思いと、ルバーとガロスの思惑とが交差する。ナナは全てを晒け出せるのか!思いと思惑が激突する!

こんなんで、どうだ!」

「良いと思いわ。爪痕ぐらいは残せたんじゃない?」

「ありがとう」


ジュードとノジルにしてもらいました。

ノジルの言う通り、1番真っ先に報告しなければヤバイですよね。

来週は金曜日に更新したいと思います……よ?


ではまた来週会いましょう!

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