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ナイショの話

○月×日 雨降ったり止んだり



 この前、豹兄がリエのこと書いて、お姉から補足説明しろって言われたから書くけど、読んだ後に説教するのはやめてよね。


 ガキの頃のことで、今更うるさく言われたくないから。



 あの頃、リエが豹兄のこと好きだって、あたしは気付いてた。伊吹はどーだか知らないけど。


 見てて腹立つこともあったけど、好きな子の気を引きたくて意地悪しちゃうっていう、リエの気持ちもわからなくはなかったし、よっぽどじゃない限りはと思って、黙ってた。


 あの日、たまたま帰り道に伊吹と会っちゃって、同じ家に帰るのにわざわざ別ルート行くのも馬鹿みたいだから、仕方ないから2人で一緒に帰ってきたんだ。


 その時、見ちゃったんだ、豹兄がリエにひっぱたかれるの。


 身体が一気にカッと熱くなったのがわかった。あたしってほんっとに短気。初兄や伊吹に瞬間湯沸し器とか言われるのもしょーがないかもね。


 渾身の一発お見舞いしてやると思って、一歩踏み込んだら、後ろにいた伊吹にランドセルつかまれた。


「駄目だよ、じゅりじゅり。まだ、駄目」


 バカでアホでお調子者の伊吹が珍しく真剣な顔して言ったんだ。みんなに見せてやりたかった。


「多勢に無勢、今行ったら、俺らのが負けちゃう。リエぽんが一人になるの待とう」


 日頃はバカで仕方ない弟に諭されて、あたしもちょっと落ち着かなきゃって気分になった。


 リエは豹兄のことを見下ろして、けらけら笑ってやがった。悔しかったけど、我慢した。


 あ、ちなみに、豹兄は走って帰ってったよ。頬おさえて、うつむきがちに、前のめりになってさ。


 本当は追いかけてって、声かけてあげたかったけど、そんなことしたら逆に傷つけると思ったから。


 それから、距離に気を付けながら、伊吹と2人でリエのあとを着けた。


 リエのグループの女どもは一人減り、二人減り……15分くらいしたら、リエは一人きりになった。


「伊吹、リエが一人になった」


 言うのが早いか、伊吹はあたしよりも先に走りだした。


 あいつも、実は相当頭にきてたんだよ。脇目も振らず、獲物に向かって一直線。


 あの時の伊吹はさながら肉食獣のような……いや、そんなかっこいいもんじゃないから、餌を見つけた野良犬あたりにしとくわ。


 あたしは、すっごく焦った。あたしを抑えてたはずの伊吹が我先に駆け出してったんだから。


 もし、伊吹がリエを殴ったら、先に豹兄をひっぱたいたリエが悪くても、男の子が無抵抗の女の子を殴ったら、絶対に男の子の方がは悪いってことになる。それは宜しくない。


 断然伊吹の方が足が速い。追い付くわけないってわかってたけど、あたしもあたしで必死に走った。


 リエは突然駆け寄ってきたあたしらを見て、びっくりしてた。


 警戒したように眉を寄せて、両手をランドセルのベルトに添えて、腰を落として、いつでも走って逃げれるような体勢をとってた。


 伊吹が、「リエぽん」て、いつもと同じ軽い調子で話しかけたときも、かたい声で「何よ」って言ってたくらいだから、何か思うところはあったんでしょうよ。


 伊吹が続きの言葉を出す前に、あたしは横から伊吹を突き飛ばした。


 リエはあたしの顔を見て、恐怖におののく表情を見せた。


 だからって容赦するあたしじゃない。右手を振りかぶって、思いっきりビンタ食らわせてやった。


 リエは倒れなかった。あいつもなかなかやるね。よろめきながらも、ぐっとこらえて、顔あげて「何すんのよっ!」て怒鳴ってきたんだ。


 でも、あたしにとっちゃ好都合。間髪いれずに、今度は反対側の頬っぺたにぶちかましてやった。


 さすがのリエもこれはたまらなかったみたいで、横倒しになったよ。


 二発殴っても、あたしは満足なんかしてなかった。


 一発目は豹兄の分、二発目はあたしの分。ラストにもう一発、どんな理由があっても女の子に手をあげちゃいけないって言われてる伊吹の分を、あたしが代わりにお見舞いしてやろうと思った。思ったのに、


「何やってんの、じゅりじゅりはっ!」


 伊吹に足にすがり付かれて、あたしまで倒れちゃった。


「何って豹兄の敵討ちに決まってんだろっ! お前もそのつもりで来たんじゃないのかよ!?」


 あたしが怒鳴ると、伊吹も負けじと、


「だからって、女の子の顔を叩くなんて、なんてことするのさっ!」


 カッカしてた身体が、一気に冷たくなった。


 リエは地面にへたりこんで、両頬をおさえて泣いてた。


 あたし、何てことしちゃったんだろうって、その時始めて思った。


 いくらリエのしたことがひどくたって、ムカついたって、女の子の顔を往復ビンタなんて、これはいくらなんでもマズい、片方だけにしとけばよかったって後悔した。


「リエぽん、大丈夫?」


 伊吹はリエの顔を覗きこんで、さも心配そうに声をかけてやってた。


 あたしは、何か、裏切られた気分で。


 リエは豹兄をひっぱたいたのに、あたしは豹兄のためを思ってリエを殴ったのに。あたしのことよりも、リエの心配をするのかよって。


 伊吹はリエの手を握って、「痛かったよね、ごめんね。泣かないでリエぽん」なんてほざきやがった。


 リエは両手を伊吹に握りしめられちゃったから、頬をおさえることも、涙をぬぐうことも出来なくて、仕方なしに顔をあげて、伊吹のことを見つめてた。


「じゅりじゅり、乱暴だよね。女の子の顔を叩くなんてひどいよね。本当にごめんね」


 ぎゅうっと手を握りしめて、伊吹は、いつものいい笑顔を浮かべた。


「だから、俺は殴ったりしない。女の子殴るなんて最低だって、れんれんが言ったから」


 そうしてふっと顔を上にあげた。と思ったら、そのまま勢いよく落として、リエのおでこに自分のおでこをぶつけた。


 所謂、頭突き、てやつ。あれもかなり痛かったと思う。あいつ、石頭だから。


 伊吹が手を離したら、リエは、今度はおでこをおさえて、さっきよりもひどく、わーわー言って泣き出した。


 でも伊吹は平気の平左。あたしの方に向き直ると、自慢げに、


「手も足も使ってないよ。俺ってば天才じゃーん?」


 だと。よっく言うよ。


 伊吹は服についた砂埃を払うと、


「さ、早く帰ろー、早く帰って母ちゃんに報告しなきゃ」


「え、報告するの?」


 豹兄が叩かれた仕返しに、あたしと伊吹でリエをぶん殴ってやったって、わざわざ怒られに行くのかよってびっくりした。


「どーせすぐにばれるよ。怒られるなら早い方がいいもんねー」


 そりゃそうだってことで、2人で走って家に帰った。


 たぶん、豹兄が押し入れで泣いてた頃だと思う。


 あたしと伊吹でお母さんとこに行って、何の説明もなく、いの一番に「ごめんなさい」したら、お母さんは包丁を動かす手を止めて、疲れた顔して、


「今度は何やらかしたの?」


 って聞いてきた。


 最初っから、それこそ、リエが豹兄のことが好きで、その裏返しに意地悪ばっかしてくるところから、伊吹がリエに頭突きして、自画自賛したところまでを説明した。


 豹兄がひっぱたかれたくだりではお母さんも眉を寄せたけど、あたしがリエをぶん殴ってやったくだりでは目を見開いて、伊吹が頭突きしたところでは肩をがっくり落としてうなだれた。


「あんたたちは、ほんっとに……」


 ため息一つついて、でも思い直したように顔をあげると、真剣な表情で、


「豹雅のためを思ったのは立派、でもだからって暴力をふるっていいわけじゃない。どんな理由があったって、人に暴力をふるってはいけないの。それは男の子も女の子も関係ない」


 伊吹はしおらしく聞いてたけど、あたしは納得できなかった。


「暴力じゃない。暴力は理不尽だけど、あたしは理不尽なことはしてない。豹兄のためにしたことは理不尽じゃない、あたしは正しいことをした。だからあたしは悪くない」


 お母さんは肩をすくめて、困ったように笑った。


 あたしの言いたいことはわかるけど、それを認めるわけにはいかないんだって顔だった。


「とにかく、リエちゃんに謝らなきゃ」


 あたしと伊吹は、お母さんに連れられて、リエの家へ向かった。


 あたしとしては、豹兄も連れていきたかったんだけど。


 あたしらがリエに謝るんだから、リエだって豹兄に謝らなきゃいけない。


 だけど伊吹が、「豹くんには俺たちのしたこと言わないで」って言ったから、豹兄には内緒で出掛けることになった。


 リエの家は、うちからすぐだけど、遠回りして商店街の方から行った。謝罪しに行くのに手ぶらってわけにはいかないからね。


 リエの好きなお菓子の詰め合わせを買って、正直、何であいつのためにこんないいお菓子買ってかなきゃいけないの?って思わないこともなかったけど。


 リエのお母さんて、勝ち気なあの子とは真逆で、静かで、どっちかっていうと、ちょっと暗い感じの人だったでしょ。


 まあ、さすがに普段大人しいお母さんも、娘がおでこに両頬を真っ赤にして泣きながら帰ってきたら、心配もするし、怒りたくもなるわな。


 て言うか、普段大人しい人だからこそ、怒らせると面倒なんだよ。


 インターホンを押して、名前を名乗ったら、すぐに出てきて、それからマシンガンの如く、べらべらべらべら、喋る喋る。


 内容は、あたしらがリエにしたことに対する批難だったんだろうけど、ヒステリック起こして、甲高い声で早口に言うから、全然聞きとれねーの。


 あたしとお母さんは、リエのお母さんのただならぬ様子にどうすることもできなくて固まってたんだけど、伊吹のバカは何がおかしいんだか、笑ってやがんだよ。一応場所を考えたのか、口許を袖で隠して、声を殺してたけど。


 お母さんに気付かれないように、足踏んづけてやったら、ようやく笑うのはやめたけど、その後はずーっとほっぺた膨らませてこっち睨んでて、その顔がおかしくて、あたしの方が笑いそうになった。


 こっちが言葉を挟む隙もないくらい、一方的に捲し立てられて、最後の最後に「二度とうちの娘にかかわるなっ!」て怒鳴り付けられ、ドアをバタンって閉められた。


 そしたら、どっと疲れちゃって、お母さんが「ひとまず、帰ろうか」って言って、お菓子も持ったまま家に帰ってきた。


 夜になってお父さんが帰ってきたらもう一回行ってみるって、お母さんはめんどくさそうに言った。


 あの時は、本当に申し訳ないことしたなって、思った。もちろん、お母さんに対して。


 家にったら、初兄とお姉も帰ってて、「何処に行ってたの?何してたの?豹雅の様子が変だけど、何かあったの?」って質問責め。


 でも、お兄たちはあたしらとは違うから、お母さんが「ちょっとね」って言っただけで黙って、それきり何も聞こうとしなかった。


 お姉はお母さんにお茶を入れてあげたし、初兄は豹兄の側についててあげてたみたいで。やっぱ、兄ちゃん、姉ちゃんはすげーなーって思った記憶がある。


 夜になってお父さんが帰ってきた後、お父さんとお母さんでもう一度、リエの家に行った。


 あたしらも一緒に行ったんだけど、玄関のチャイムを押す時に、


「お前たちがいると、おばさんがまたヒステリックに怒るかもしれないから、ちょっとだけ外で待ってなさい。リエちゃんが出てきたら呼ぶから」


 って言われて、門の前で待ってたんだ。


 玄関のドアが開いて、お父さんとお母さんが中に入ったらすぐに閉められて、どんな話をしてるのかはわからなかった。


 あたしは、お父さんとお母さんが、リエのお父さんとお母さんに酷いことを言われないか、酷いことをされないか、心配で仕方なかった。


 リエのとこのお父さんて、リエをおっさんにしたらこんな感じって人で、とにかく気が強くて怖いおっさんだったから。


 あたしがヤキモキしてる間、伊吹はその辺の草むらに入って虫取りしてた。


「あんたは気楽でいいね」


 そう言うと、伊吹はきょとんとして、あたしの方を振り返った。


「気楽ってなーに?」


「悩みがなさそう、不安がなさそうってことだよ。あんた、お父さんとお母さんが中で何されてるか心配じゃないの?」


 伊吹は笑って、ケラケラ可笑しそうに笑って、


「大丈夫だよー。うちの父ちゃん、母ちゃんも、リエぽんとこのおじさん、おばさんも大人だもん。リエぽんやじゅりじゅりみたいに、気に入らないからってすぐ怒ったり叩いたりしないもん」


 その言葉にムッときたけど、今ここで伊吹と喧嘩したら、またお父さん、お母さんに迷惑かけちゃうって思ったから、我慢した。


「あたしら、これからどうなるんだろ」


「リエぽんに謝ってー、そんでうちに帰って怒られるんじゃないのー?」


「そうじゃなくて、リエとのことだよ」


 あたしは別に、リエのことは、会えば話す程度の友達としか思ってなかったから構わなかったけど、お姉や伊吹、何故か伊吹もリエとは仲良かったから、このことが原因で本当に縁切りみたいなことになったら、どうしようって思った。


「いーんじゃなーい」


 伊吹があんまりにもあっけらかんと言うから、


「何が?」


「え、リエぽんのこと話してたんじゃないの?」


「あんた、リエと友達やめることになってもいいの?」


「いいよ。女の子の友達なんて他にいくらでもいるしー」


 なんっか、この言い方、すっごい腹立ったんだよな。


「リエぽん一人いなくたって、ぜーんぜん平気。だけど、豹くんいなくなっちゃうのは嫌だからさ」


「豹兄がいなくなる話なんてしてないだろ」


「おんなじようなもんだよ。リエぽんと仲良くしたら、その分、豹くんが悲しい思いすることになるもん。リエぽんをとるか、豹くんをとるかって言われたら、豹くんをとるよ。じゅりじゅりだって、そーでしょ?」


「あたりまえだろ」


 あたしだって、豹兄のが大切。リエのことなんてどーだっていい。


「だから、いい。俺、さっきのことで、リエぽん嫌いになったから。友達やめんの」


「あたしもやめる」


 あたしは伊吹ほど仲が良かったわけじゃないけど、宣言したかったんだ。


 あたしの言葉を聞くと、伊吹はニっと笑って、口許に人差し指をたてた。


「でも、豹くんにはナイショにしよ」


「うん、怒られっかもしれないから、初兄とお姉にもナイショ」


 珍しく意見があった。二人でナイショっていってたら、お父さんとお母さんが出てきた。


「どうだった? 大丈夫だった?」


 お父さんもお母さんも笑ってた。楽しそうな笑い方じゃなくて、やれやれ、って感じの笑い方。


 あたし、やっぱり不安で、


「どうだったの? リエのお父さん、お母さんに怒られちゃった? 酷いこと言われた? 殴られたりした?」


 お父さんは可笑しそうに笑って、


「大丈夫。リエちゃんのお父さんとお母さんには、お父さんたちからよーく謝って、許してもらえた。リエちゃんのお父さんもお母さんも、もう怒ってなかったよ。怒鳴られたり、叩かれたりしてないから、大丈夫」


 それを聞いて、あたしもひと安心。


「でも、リエちゃんには会えなかったの。あなたたたにも直接ごめんなさいさせようと思ったんだけど、顔が腫れちゃって、見られたくないからって」


 お母さんは気の毒そうに言った。


「ふーん。じゃあ、リエぽんも、豹くんに対してごめんなさいしなかったんだ」


 伊吹の言葉に、お父さん、今度は苦笑いした。


「リエちゃんのお父さんとお母さんは、豹雅へごめんなさいって言ってほしいって言ってたよ」


「言ったのはリエぽんじゃないじゃん」


「それを言うなら、あなたたちだって、リエちゃんには直接謝ってないじゃない。学校で会ったら、ちゃんとごめんなさいするのよ」


 伊吹はふんと鼻をならし、「謝らないよ」と言った。


「リエぽんが謝らないなら、俺も謝らない。謝ったって、絶対許さないって決めたの。俺だって、リエぽんに許してほしいなんて思ってないし。リエぽんのこと嫌いになったから、友達やめるから、二度と関わらないから、謝らない」


 これには、お父さんもお母さんも言葉がでなかったみたい。


 伊吹の「嫌い」は、徹底してるから、また何か面倒なことにならなきゃいいけどって思ってたんじゃない。


 目配せして、ため息ついたの、見ちゃったから。


 翌日、リエが学校休んだって知ったとき、伊吹は、


「やったね」


 って喜んでやがった。


 これで悪気がないってんだから、そら恐ろしくなるわ。


 今になって考えると、豹兄が熱だしたのって、本当は伊吹の言動のせいなんじゃないかって気がする。


 リエが学校に来るようになってからは、伊吹が文字通り睨みをきかせて、豹兄、てか、あたしらに近づかせないようにしたから、あの子も避けるようになったし……まあ、こんな感じ。


 あの時、豹兄は豹兄で自分のせいじゃないかって悩んでたなんて、全然気付かなかった。


 気付いてたら、ナイショの話、教えてあげたのに。


 嫌な思いさせて、悪かったね。





「なんだかんだ言って、伊吹が一番性格悪いよな」


「ひどっ!」


「性格というより、性質じゃない。伊吹には本当に悪気はないの。悪気がないからこそ質が悪いの」


「てゆーかー、俺、何で貶されてんの? ここはよくやった! って、褒めるとこじゃないのー?」


「褒められるようなことしたか?」


「怒り狂った樹里をおさえたこととか?」


「でも結局自分も頭突きしちゃってるし……」


「あー、豹くんまでそーゆーこと言うんだー。俺、豹くんのために頑張ったのにさー」


「ごめん、そんな、批難するつもりじゃなかったんだけど」


「豹兄は関係ないだろ。あたしらが勝手にやったことなんだから。それに、豹兄にはナイショって言ったのお前だろ。今更恩着せがましく言うなよ」


「だってもう書いちゃったんだからいいじゃん。今までナイショにしてたんだから、その分、今、褒めてよ。俺は褒められて伸びるタイプなんだからさー。ね?」


「……褒める?」


「褒めてあげたら。褒めないとうるさそうだし」


「じゃあ……伊吹は偉い、豹雅のためによくやった、頑張った。俺たちの誇りだよ」


「それは褒めすぎ」


「待って初兄! 伊吹褒めるなら、あたしも褒めてよ! あたしも豹兄のために、手痛いの我慢して二発も殴ったんだから、頑張ったんだから!」


「……何なんだよ、お前たちは」


「やっぱり、今からでもリエちゃんに謝りにいった方がいいかしら?」


「ほっといてあげようよ。向こうも、もう関わりたくないって思ってるよ、絶対」







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