表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/28

session11 昼食は罰ゲーム?

今回は短めです。

 俺たちが飲食店の前まで行くと、そこにはメッセージで呼んだエイプリルがいた。


「君も無事で何よりだよ、フォックス」

「エイプリルッ!!」

「おお、御暑いカップルですなぁ~」


 フォックスはエイプリルに再会の抱擁としたので、俺はすぐ近くで彼女たちを野次った。直後、フォックスは俺に対して『お前には言われたくない』的な目で俺を睨まれた。どうしてだろうか。俺はエトワールを見たが彼女も分からない様子で首をかしげた。


「……そんな事より食事」

「そうだね。入ろうか」


 一人欲望に忠実なエトワールが店に入ることを即したため、俺たち四人は店へ入ることにした。




「一つ聞いていいか、フォックス?」

「何よ、クロウ?」

「その麻婆豆腐、本当に食っても大丈夫なのか?」


 フォックスの目の前には皿一面が真っ赤に染まった麻婆豆腐が置かれていた。しかも近くにいるだけで鼻に刺激臭がするぐらいで、隣のエトワールは時々鼻を摘んで臭いを遮断しようとしているぐらいだ。


「何、そんなに大げさなリアクションまで見せているのよ、エトワール。別に普通の麻婆豆腐だって。単純にハバネロ入りなだけの」

「ハバネロってだけで終わってるから、それ!」


 どうしてNPCが経営するだけの飲食店にハバネロ入り麻婆豆腐があるのか、店員(NPC)に小一時間ほど問い詰めたいぐらいだ。他にもこの店には寿司はないのにわさび巻があったり、ホットドックはないのにマスタードドックがあったり。

 普通の定食系に加えてどこか罰ゲーム的な食事も多数あるのだ。ちなみに非常に強い麻痺などの状態異常耐性が無いとHPが削れる事もテストプレイヤーからの証言より判明している。そんなモノを食べる人の気が知れない。それを平然と食べているのがフォックスである。


「なぁ、エイプリル。どうしてコイツは無事なんだ?」

「そんな事、僕に聞かれても……」


 真っ赤に染まった豆腐を散蓮華れんげすくい上げて口に運んでいくフォックス。彼女は平然としたまま、食べ続けるので俺は一つ試してみる事にした。


「エイプリル」

「なん……うごぉっ!」

「ちょ、ちょっ!?」


 俺はタイミングを見計らって、麻婆豆腐を掬い上げたフォックスの腕を掴んで、強引にエイプリルの口へと放り込んだ。直前に彼の名前を呼んだのはその口を空けるためだ。


「●△■×っ!?」


 麻婆豆腐を食べたエイプリルは声にもならない奇声を上げて身を悶えさせた。椅子から転げ落ちなかった所は流石だが、机に突っ伏していた。


「え、エイプリルッ!?だ、大丈夫か!?」

「だ、大丈夫だ……、問題無い……」


 と言いながらエイプリルは気絶した。それほど想像を絶する味だったのだろう。エイプリルの横で彼を揺する元凶の一人である彼の恋人さんを見ながら、この女はどれだけ化け物の味覚をしているのだろうかと心の奥底で思ったのだった。

 結局、エイプリルは俺が担いで彼のギルドへと送ってやり、見舞いとして回復薬二十個を置いて帰った。俺のせいでもあったし。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


職業:商人

体力:C

攻撃力:C

防御力:C

精神力:D

魔術耐性:D

敏捷力:E

技量:E

skill:『算術』『看破』『調査』『洞察』

※Eが最低でSが最高


 売買を専門とする職業で、他のプレイヤーに比べると割引交渉なども得意とする。アイテムの鑑定や道具の適正価格などを見破る能力を有しており、売買を繰り返す事でレベルが上がる職業。

戦闘能力的な評価としては余り高くはないが、戦士・騎乗兵に次ぐ体力を有するために時々壁役として前線に出る商人もいる。


 大半の商人が『第五位』商人ギルド『1ダースの誓い』に所属しているが、所属プレイヤーを他ギルドへのレンタルを許可しており、店を持たない商人たちを他ギルドの壁要員として斡旋する事も行なっている。

昔、リアルでハバネロタバスコを舐めた事がありますが、悲惨でした。

辛いを通り超して痛かったです。

舌が死んだかと思いましたよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ