聖母の微笑み 後
0月9日 AM0:00
「奴だ!!!奴が現れたぞぉ!!!」
「あそこを照らせ!!!!急げ!!}
男たちの怒声が飛び交う。
空がいくつものサーチライトで照らされている。そのサーチライトの一つに一瞬『影』が浮かぶ。
『影』は怒声を上げている者たちをあざ笑うかのように、空を自由自在に『駆ける』。あたかも空を飛んでいるかのように。
その影を見つめる一つの視線。その視線の持ち主は、
「現れたわね!黒狼たん!今日こそは私が捕まえてあげるんだから!」
「っていうかクロウ君はまだ戻ってこないの?はぁ…ほんと使えないんだから・・・。」
一緒に来ていた相棒の姿が見えないことに思わずため息を漏らす。
「車に忘れ物したからって取りにいってからどれだけ時間がたってるのよ…これはまたおしおきが必要みたいね。」
暦がふとそんなことを漏らすと、なぜか一瞬『影』の正体であるブラックウルフの動きが空中で止まる。その姿はないか慌てているようにも思える。
「まぁそれより今は黒狼たんね。なぜかわからないけど珍しく慌ててるみたいだし・・・今がチャーンス!」
そういうとスーツケースからなにかを取りだす。
それは円柱型の物でなにかトリガーらしきものが取りつけられている。見た目的には『バズーカ』に似ている。それを肩に担ぎ『影』に向けると・・・
「発射ぁ~~~。」
円柱のトリガーが引かれる。『ズドォーン』という音が辺りを響きなにかが丸いにかが発射される。
その丸いものはすごい勢いで『影』に近づくと自動的に展開されてネット状の物が辺りに広がる。
「よし!完璧!!そのままいけぇ!」
ネット状の物が止まっていた『影』補足したかと思われたその刹那『影』が霧散する。
そしてネット状の物は空を掴みそのまま落下していく。
「え…嘘…逃げられたの?・・・完全に捕えたと思ったんだけどなぁ。あれは反則でしょ・・・どうなってるのよ・・・」
暦は信じられない物をみて呆然の立ちすくむ。その顔には驚きといら立ちが現れていた。
そして何かを思いついたようなにふとつぶやく。
「これはあとでクロウ君でまたストレス解消しなくちゃ…。」
もうその日に白衣の女が『影』を見かける事はなかった。
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「警部!!絵画・・・絵画の前に・・・」
軽微本部でモニターを見ていた男が叫ぶ。
警部と呼ばれた男が慌ててモニターに目をやると…犯行の予告があった絵画の前に一人の男が立っている。
「防犯システムはどうなっている!?あそこには何重にも重ねた防犯システムがあったはずだぞ!?」
そういうと隣に座った部下に目を投げかける。
「ぼ・・・防犯システムは正常に稼働しています…システム的には何者かが侵入した形跡はないです・・・」
そうした報告を聞いている一瞬の間にモニターから黒ずくめの男と絵画の姿が消え失せていた。
ブラックウルフここ最近ちまたを騒がせている怪盗がまたワイドショーを賑わせる事がこの時確定したのだった。
ご覧いただきましてありがとうございます。こちらで書き溜めている文はラストとなります。
この小説はもう一つ連載させていただいてる物の気分転換に合間合間に書いたものだったのですが、文字数がなぜか近づいてしまっていました…なんか現代風なものがつい書きたくなって…。
っていうかジャンルは『SF』でよかったんですかね?何か違う気もするけどピンとくるものがありませんでした。ジャンル詐欺になっていたらすいません…
あらすじのところにも書かせて頂きましたが、こちらの小説は更新時期は未定となっております。(ある程度たまったら投稿する予定です。)
もしタイミングが合いましたらまたご覧いただけますようよろしくお願い致します。