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新聞を作って世論操作  作者: いちごとはな


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2/2

前世の記憶

 不思議な夢を見た。お母さんがいて、お父さんがいて、口うるさい妹がいる。上品さの欠片もない家族達なのに、嫌いになれない。むしろ、懐かしさに涙が溢れてくる。

 友達に勧められるまま、始めた魔法世界を舞台にした乙女ゲーム「WHICH・LOVE」なんとなく画面を見ていると私の名前が出てきた。しかも、高笑いと共に登場してくる嫌な演出つきだ。

 どんどん場面が変わっていき舞踏会になった。

「アージェント・マイミス、お前との婚約を破棄する!」

「!!」

 私、婚約破棄されてんじゃん!!

「よし! ハッピーエンド!!」

「いや、全然ハッピーエンドじゃないでしょ!?」

ハッと目が覚めると見慣れた高級感のある天井。

「どうしたの? 大声なんて出して」

ガチャッとドアが開き入ってきたのは、兄のアージェント・キリス。綺麗なブロンドの髪に整った顔立ち。そして、国内でも稀にしか存在しない上級精霊との契約者。しかも、8歳で契約した最年少記録を持つ。

「いえ、なんでもございませんわ、少し怖い夢を見てしまいまして」

「そう? なら、はい」

ポンポンと頭を撫でてくれたキリスは優しく微笑んだ。

「なんで?」

「変なこと聞くね? 俺はマイミスのこと大事に思っているんだよ?」

 さっきの妙な夢は、まだ頭にこびりついている。いつもならすぐに忘れる夢なのに、今日に限って忘却機能は仕事をしてくれない。

「キリスは私のお兄ちゃん?」

 キリスは目をまん丸にして、一瞬頭を撫でる手を止めた。

「そうだよ。やっぱり、少し休んだほうがよさそうだね。」

よいしょとキリスが立ち上がった。

「あぁ、そうそう。父様も母様も心配しているから落ち着いたら顔を見せにいきなよ」

「わかった」

素直に頷くとキリスはニコッと笑って部屋を出ていってしまった。

「アージェント・キリス」

 私の兄だが、血の繋がりがない。類稀なる魔法の才能を見込まれ、引き取られた養子。もちろんこれは公言されていることではない。

 さっきの頭を撫でているときの目は、とても冷たかった。

 攻略対象者の一人で、家では私や父様、母様に嫌われないよう神経を尖らせる日々。

「頭の中に情報が勝手に流れてきた」

 いよいよ認めざるを得ない。どうやら私は、この世界の悪役キャラになってしまったようだ。

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