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遂にきた
「この時をもって婚約を破棄する!」
皆に聞こえるよう、声高々に宣言するこの国の王太子、ジーギス・バロウ。
「そして、同時にアーリス・ミリイとの婚約を正式なものとする!」
よくもまあ、"元"婚約者の前で、臆せず言えるものだ。今婚約発表をしたら、自分が私と婚約しているときに浮気をしていたと自白したようなものなのに。
「なんて浅はかな」
舌打ちとともに、小さく本音が吐き出てしまった。
「ん?」
だが、この男には聞こえていなかったようだ。
「いえ、なんでもありませんわ」
オホホホと微笑んでこの場を誤魔化す。
「お前がアーリスに陰湿ないじめを行っていたのは、すでに確認済みだ。追って処分を言い渡す!」
「…了解致しました。」
フンッと鼻で笑うこの王太子様はやはり阿呆だ。ド阿呆だ。
「それでは、私は失礼致します。」
「もう、この社交界に居場所もないだろう。つまりお前とは二度と会うことはない」
この王太子が馬鹿でよかった。私はこの時をずっと待っていた。
あと数日で、この世界で初めて「新聞」が普及する。




