千年ぶりの再会
土曜日の美術館。
前々から見ようと決めていた絵画の前で……。
「おやまぁ」
「ありゃ、やっぱり」
再会した私たちはマヌケな顔で笑う。
まさか、全く同じタイミングでこんなところに来るなんて。
「久しぶり……でいいのか?」
「初めましてじゃない?」
「それもそうか」
笑うあなたの隣に私は移動した。
そして、当然と言わんばかりに横並びになる。
あなたは何もしてこなかった。
もちろん、私だって。
「やり合わないんだ」
あなたの問いに私は答える。
「今の世の中じゃ武器持っているだけで逮捕されちゃうしね」
「ほんとだよな」
私たちの前にある絵画。
その内容。
「宿命の戦いだってさ」
「交わらぬ道、か」
千年も前の二人の騎士の戦い。
今や、物語にさえなっている騎士達の決着。
「あの時、お前が勝ったの?」
「んー、よくわかんない。あなたに心臓を貫かれたのは覚えているんだけど」
「俺もなんだよなぁ」
遥か前世の記憶は今もある。
だけど、そこに怒りや憎しみはない。
それらを持ってくるにはもう、前世と今世の時間は離れすぎていた。
「じゃ、この絵の通り相打ちか」
「そだね。やるじゃん〜うりうり」
「肘でつくのやめんか」
端から見れば私達はどう見えるのだろうか?
友達?
恋人?
少なくとも宿敵には見えたりはしないだろう。
「お前これからどうするの?」
「んー、考えてない。なんとなくこの絵を見に来ただけだし」
「んじゃ、俺と同じだ」
「そっか。それじゃ、せっかくだし一緒に回る?」
「それもいいな」
のほほんと話しながら、私は千年の時を経てようやく友達となれたあなたとのんびり美術館を回った。




