アンチューサ…その花言葉は…
『アンチューサ』
――その花言葉は、「大切な想い出」
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【前書き】
人は記憶に生き、
そして、記憶に殺される。
この街には、忘れてはいけないものがある。
それは罪でもなければ、過去でもない。
それは、“想い出”――。
傷だらけのこの世界で、
七匹の獣人たちは、何かを守るために、何かを手放してきた。
信じるということ、
裏切られるということ、
そして、それでもなお信じ続けるということ。
銃声の響く夜に。
パンの香りただよう朝に。
血と記憶にまみれた雨の中に。
物語は、再び始まる。
彼らが紡ぐのは、“奪われた想い出”を取り戻すための――
アンチューサの物語。
登場キャラクター紹介(完全獣人)
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アスター(ASTOR)
種族:狼(少年)
赤いフードを被ったナイフ使いの少年。
かつては優しく仲間思いだったが、今では“サイコパス”と噂され、指名手配中。
その瞳の奥には、過去の記憶と誰にも見せぬ痛みを宿している。
現在の行方は不明。
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ユリ(YURI)
種族:羊(少女)
車いすで暮らす少女。
穏やかで優しく、どこか儚い微笑みを浮かべる。
アスターとの過去を大切にし、今もなお彼の帰りを信じている。
心の声は、いつもどこかへ届いている。
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ガーベラ(GERBERA)
種族:狼(男性)
アスターの実父であり、かつての警察官。
今は探偵として姿を変え、息子の無実を信じて真実を追い続けている。
銃と推理に長けた男で、内には静かな怒りと父としての願いを抱える。
「父親としての、最後の仕事だ」
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バコバ(BACOVA)
種族:トカゲ(男性)
ガーベラの元相棒。
現役の警官で、ガサツで豪快、口は悪いが情には厚い。
直感的な捜査と腕っぷしに頼りながらも、実は誰よりも仲間思い。
「昔のよしみだ。最後まで付き合うぜ、相棒」
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ルピナス(LUPINUS)
種族:狐(男性)
白衣をまとう、冷静沈着な天才科学者。
感情を見せることは少ないが、仲間の命を何より優先する。
ラボで情報を収集・分析し、裏からチームを支える。
「理論の先に、救いがあるなら」
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ガルビネア(GALBINEA)
種族:猫(女性)
パン屋を営む姉御肌。
表向きは町の人気者だが、裏では逃亡者や犯罪者をかくまう“影の保護者”。
料理も喧嘩も得意で、面倒見の良さから仲間の精神的支柱にもなっている。
「誰かを守るには、あたし自身が化け猫になるしかないのさ」
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ライラック(LILAC)
種族:兎(女性)
花畑を守り続ける静かな癒し手。
言葉は少ないが、心の声に耳を傾ける力を持ち、特にユリとは深く繋がっている。
植物や自然に関する知識が豊富で、独特の感性を持つ。
「命は、枯れても咲く。想いも、きっと――」