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S級ド変態!!  作者: ぽこぴ
1年生編
9/15

後日談




1泊した後、頭におった傷によって起きるフラフラも次第に落ち着いてきた頃。世間は金曜日だった。

家に帰ってきた静華ちゃんの話によると、天童は停学処分。

俺がした画像を消す行為は、証拠不十分を招いて結果的に天童の処罰を軽くしたらしい。でも、あんなクソ画像の流出を止められたんだから、軽いとか重いとかどうでもいい。



「どう?楽になった?」


「はい!!1泊させてもらって本当、ありがとうございます!!」


「今日迎えが来るんだっけ、いつ頃?」


「三時って聞いてます!!」

現在の時刻は11時。静華ちゃんも学校に行っていて、寂しいこの上ないと思っていた。


「じゃあお話しようか。僕と」


「え、あぁはい。」


「まあそんな長くないから。なんなら短いよ?」


なんか緊迫してる…。心臓よ静まれ!!

「妹の、どのへんが好き?」

「っ!」


悔しくも、咄嗟には出てこなかった。

それだけ、頭の中に好きな理由が浮かんできたため。

「オドオドしてる話し方…仕草、髪型、文字の書き方。歯並び、爪、目の色が少し人とは違う所、全部…大好きです」


「は、…ははは!!」


「な、なななんですか?!!真面目に答えたのに!」


「いやあ…あはは、!静華から聞いていた通りだったなあって、。純粋に変態なんだねえ轟君」


へ、変態って…

「えぇ…、」


「多分いつか、イラつく事があると思う。」

「静華ちゃんにですか?」


「あぁ。その時は、何も考えずに自分勝手に物事を吐き出して、自己解決するんだ。義理の兄からの助言さ」


「もう結婚の話?!!」


「ふふ」

そう言って、部屋から出ていった。

ーーまっじで…学校行きてえ。


ベットから足を出して床につき、背伸びをして陽の光を浴びた。とりあえず部屋から出 出ると、すぐ横に階段があった。

下って見えてきた世界は洒落たリビングルーム。

本棚には『S級ド変態!!』という本が5巻ほどあった。



「やっか!!」


まず俺が目をつけたのは台所。食器をぱっと片してから窓を内側、そして外側を拭いて、抜けるだけの雑草を抜く。

手を洗い、それによって飛び散った水も完全に拭き取ってみせた。


「とりあえず外観は出来た!」

次は掃除だ、とりあえずは階段から。


「何してるの?」


「掃除です!」


「あぁ…、ありがとう」

2階から降りてきた樹はよく見るとボサボサの髪だった。それを見兼ねた俺は、ある提案をした。


--------------------

俺はゴミ箱を用意して、樹さんの髪をチョキチョキした。


「へぇ!凄いじゃん〜美容師とか目指してるのかなあ?」


「いえ、一応俺もお兄ちゃんなので…妹の髪をずっと切ってきたんです。その賜物ですね!!」

轟君は妹になにかしてきたのに…僕は何を出来てないなあ。



「ただいまあ…お兄ちゃん。今日のご飯は…あ!!そうだった……っあぁ…、、。」


いつものテンションなのか、そういう雰囲気でリビングに入ってきて、俺を見るな否や口調を正そうとする。


「髪型変わった?」


「轟君が切ってくれたよ〜」


「あ…ぇ、、その」


「ん〜、?」

まーたモジモジしてる静華を見て、にやあっと考えている事を察した。


「轟君。君に髪の毛整えて欲しいってさ〜」


「え?」


茜は振り返えると、顔を赤くして下を向いている静華を目の当たりにする。


「ぁ…その、髪…今回は整えるんじゃなくて…切ってくれると、」


「おっけ!!椅子に座って!!」

俺は静華を座るように促した。



「整えながら切る感じ?」

「うん…」

「うい〜」


妹のおかげで培ってきたこの力を解き放てる…!!これほどの快感はねぇぞおい、。

樹さんはおっとりしながらリビングのソファに座ってお茶を飲み、散髪の光景を眺めている。


「このくせっ毛は父親譲りですか?」


「母親似かなあ。静華の性格は父親譲りだぞ」


「へ〜、割とガチでっ、、ねちっこいくせっ毛だなぁっ!!」

痛みがでない程度の力を込めて櫛を通す。


「静華ちゃん」

「は、はい!」

「学校、どうだった?」

「…今日、早帰りでした。それと、みんな茜さんの事心配してます。特に、日下部君とか平石君とか」


あぁ、だから早めに帰ってきたのか。

っていうか…君呼び…?と、しょーもない所でショックを受けながら、「グループワークで一緒になること多かったからなあ。」


「あ、あの…聞きたいんですけど、いいですか?」

少し後ろを見てきた静華、両手はグーにして太ももの上へと置いてある。


「私の髪、切りやすいですか…?」


「おう!くせっ毛だけどサラサラだからな!!」


調子に乗りながらチョキチョキとハサミを走らせる茜。切ってる最中、「静華ちゃん、いい匂いするよね」とつぶやく。


「えっ?!」

1歩引下がる静華だった。




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