第1話 「どこ? (1)」
ザワ ザワ ザワ ・・・ ん? 人がいる?
ザワ ザワ ザワ ・・・ うるさくは・・・ないのになんだ?
何処だここ???・・・
先のほうから声が聞こえてくる
前のほうには大勢の人が・・・何列にも分かれて並んでいる
後ろからも次々に人が来ては 俺を追い抜かして前の列に並んでいく・・・
声は聞こえるのに、周りの人たちは一様に静かだ・・・
ここがどこかわからんが ここは日本人 なんとなく周りに併せてしまう なんか悔しい
適当に列に並び 前に進む
そこにはゲートのようなモノが何か所か・・・
ああだから列に分かれていたのか
ここは空港か? 空港の金属探知機のゲートのようにも見えるが・・・
「そのまま止まらずに そのまま前にお進みください」
さっきの声は彼女か でもなんでさっきははっきりと聞こえなかったんだろう
「そのまま止まらずに そのまま前にお進みください」
特に立ち止まっている人がいるようには見えないが 彼女は繰り返す
まるで作業のように・・・
前の人に続いて進む ゲート?をくぐると・・・
何やら体温が上がったような 体の芯からポカポカする 空調入っているのかな・・・
前の人からそんなに遅れることもなく、続けてゲート?をくぐったつもりだったのだが・・・
どうやらかなり間が空いていたらしい 前に通った人は見当たらない
「そのまま前方の部屋にお進みください」
また違う女性の声だ
いつからそこにいたんだ?・・・
ゲート?をくぐっただけなのに 先ほどの女性の声はもう聞こえない・・・
「そのまま前方の部屋にお進みください」
まただ そこにいる女性が繰り返す やっぱり作業のように
周りに他の人が見当たらないので やはりここでも日本人
迷惑をかけてはと思い指示にあった前方の部屋に入ることにする
ガヤ ガヤ ガヤ・・・
入り口?ドアはなかったような気がしたが・・・
急に音が・・・ 声が・・・
部屋に入ったとたん空気が・・・動き出したような気がした・・・
「前方の空いている端末にお進みください」
「端末では 端末中央にある球体に手をかざしてください」
なんだ やっぱり空港なのか? 手のひら認証・・・何処の空港だ??
「ねえ ちょっと今回は人数が多くない?」
「あっちで結構な数 梃子入れが必要なんだって」
「今回はこの部屋、専用になったらしいよ」
「ちょっとそこ! ちゃんと誘導しなさい。 それでなくても人手が足りてないんだから 今回は人数が多いんだから手際よく進めて頂戴!!」
「それと今回は全員 "送り" なんだから 間違えないようにね」
「「「はい」」」
「順番に前に進んでくださ~い そこの人 立ち止まらないで」
「手をかざしましたら 端末から出たものを受け取って前にお進みください」
「取り忘れの無いようにしてください」
やっぱり何かがおかしい どこだここ?
私はさっきまで 初めてのソロキャンプをしていたはずなのだが・・・