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資料についた血液
ちょっと前の出来ごとです
本棚の本を読み漁っていたら
1枚の資料が挟まっていました
その資料には血液がべったり付いていて
気がついた頃にはもう
腕まで染みていた
私は怖くてたまらなく
その場から逃げました
誰かが私を引っ張って
段差から救いました
その後にあった出来事です
その資料が挟まっていた
本を見てみたら
本には血液が一滴も
付いていませんでした
私は不思議でしょうがなく
その場に立ち尽くす
本はわずかに湿っていた
読めるけど何もわからない
今からその資料を読みましょう
と意気込んだものの
血液が全面に広がっていて
読めなくなっていました
滴り落ちるほど
赤い液体は
増殖している
その紙の上で
持った瞬間
私の腕は赤く染まり
皮膚に染み込んでいくのを
感覚がとらえるのです
私はその一瞬に
薄くなった赤い色の
下にある文字を
カメラで撮りました
気づいた時にはすでに遅し
視界が真っ赤に染まってる
もう助かる術は
残されていないのか
これ以上被害が出ないよう
カメラを手放した
画面は無事なようです