窓辺のボク
秋晴れ空に鰯雲、緑の葉っぱは紅くなり、木枯らしピューピュー吹き荒れて、カサカサ空に舞い上がる。
ぎいぎい屋台に乗せられて、紫芋は黄金色、君はトコトコ財布を持って、新聞紙抱えて戻ってきたね。
ちらちら白粉降ってきて、そろそろぶるぶる雪景色、ママパパ君で庭に出て、小さなだるまを作ってた。
シャンシャンベルが鳴り響き、白ひげおじさんやって来た、ぱちくりボクと目があって、おじさんシーってニヤリ顔、ここぞとばかりに袖の下。
目覚めた君は大はしゃぎ、包み紙をビリビリ破いて、出てきた玩具にご満悦。忘れずボクの分も開けてくれた、中身は小さなセーターだった。
窓の外はとっぷり夜更け、君はすやすや夢の中。
ゴーンと鐘の音響き渡って、時計の針はもうすぐてっぺん。今年も終わって来年が来て、君はもう少し大きくなって、それがずっと続いてく。いつまで君と遊べるだろう、この窓の景色を見れるだろう。眠る君をちらりと見て、ボクはすこし悲しくなった。
年が明けて、日が昇って、君はレムレム寝ぼけ顔、ママに呼ばれて行く君は、あっと声出し、振り向いた。
あけましておめでとう!今年もよろしくね!
ふわふわの、ぬいぐるみのボクを、君は抱きしめた。
あけましておめでとう、君には聞こえない声で、ボクは呟いた。
いつかはいつか訪れるけど、君が大人になったとき、寒い冬の日とボクの事を思い出してくれたなら、それはきっと素敵なことなんだろう。
君とボクはずっと友達。二人でトコトコ歩いてく。
言葉のリズムを意識して執筆しました。
童話ってなんでしょう。