↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/24

✒ ギッちぃの秘密


──*──*──*── 2階


──*──*──*── 宿泊室


 食堂から戻ったアタシはベッドの上に腰を下ろして座った。


肥神瑩子

「 ギッちぃ、色(いろ)々(いろ)と聞きたい事が沢山あり過ぎるんだけど──、先ずはギッちぃの事を教えて。

  闇と魔── “ 闇魔を司(つかさど)る影(えい)魔(む)の王 ” って事以外で教えて 」


ギッちぃ

「 愚(ぐ)主(しゅ)には我(われ)の事を知ってもらわねばならんな。

  我(われ)は本来、愚(ぐ)主(しゅ)の影の中に潜んでいる影(えい)魔(む)だ。

  影(えい)魔(む)とは、“ 影の中に潜む魔物 ” を略して呼ばれている 」


肥神瑩子

「 はっ?

  アタシの影の中に潜んでいる魔物??

  ギッちぃってモンスターじゃなくて魔物なの? 」


ギッちぃ

「 如(い)何(か)にも。

  影(えい)魔(む)は人間から “ 異形の化け物 ” とも呼ばれ、畏怖されている。

  “ 怪異を起こす ” とも言われ、恐れられてもいる 」


肥神瑩子

「 魔物で──、人間に畏怖されていて──、“ 怪奇を起こす ” って恐れられている異形の化け物……。

  それって……完全に人間の敵なんじゃないの? 」


ギッちぃ

「 我(われ)は魔素を自在に操り、魔気を生み出す事が出来る。

  魔気を集め澱(よど)みを作り、不浄を出現させる事も出来る。

  不浄の濃度を上げると不浄から1体の魔物を生み出す事も出来る 」


肥神瑩子

「 無視して進めないでよ…。

  魔物を生み出すとか……、それってヤバくない??

  ギッちぃって本(ほん)当(とう)に救世主の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉なの??

  魔王とかの間違いなんじゃ…… 」


ギッちぃ

「 我(われ)は肥(ひ)神(かみ)瑩(えい)子(す)を主(あるじ)と認めている。

  愚(ぐ)主(しゅ)から名を与えられ、初めて愚(ぐ)主(しゅ)に存在を認められた時は歓喜に奮えた 」


肥神瑩子

「 それは……本(ほん)当(とう)に御免ね…… 」


ギッちぃ

「 愚(ぐ)主(しゅ)は我(われ)と生涯の伴侶となる契約を交わしてくれた。

  我(われ)は愚(ぐ)主(しゅ)の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉であると同時に愚(ぐ)主(しゅ)の夫となった 」


肥神瑩子

「 へ?

  生涯の伴侶??

  契約を交わした??

  一体何(なん)の事?

  確(たし)かにアタシはギッちぃに名前を付けはしたけど、生涯の伴侶になるような契約をした覚えはないけど? 」


ギッちぃ

「 薬指に刻まれた紋章が契約を交わした証(あかし)だ。

  その紋章──契約紋は生涯消える事はない。

  愚(ぐ)主(しゅ)と我(われ)は一心同体,一蓮托生だ 」


肥神瑩子

「 何(い)時(つ)の間(ま)に……。

  アタシの知らない内にと(・)ん(・)で(・)も(・)な(・)い(・)事になってたんだ…。

  知らなかったとはいえ、何(なん)て事をしでかしてたんだよ、アタシは── 」


ギッちぃ

「 愚(ぐ)主(しゅ)は我(われ)に口付けをしてくれた。

  我(われ)の全身が光に包まれ輝き出しただろう。

  我(われ)と生涯の伴侶となった故(ゆえ)、愚(ぐ)主(しゅ)は我(われ)と意思の疎通が出来るようになった 」


肥神瑩子

「 アレか!!

  恩人への御礼のつもりだったのに!

  だったら──、上から目線で偉ぶったり、“ 愚(ぐ)主(しゅ) ” って呼ぶの止(や)めてよ… 」


ギッちぃ

「 無理だな。

  愚(ぐ)主(しゅ)により構築された我(われ)の性格は変えられん 」


肥神瑩子

「 そうなの?

  ギッちぃの性格はアタシの所為なの?

  マジかぁ……。

  えぇ~~と……ギッちぃが生み出せる魔物の事を教えて… 」


ギッちぃ

「 実際に生み出し方を見せた方が早いな。

  我(われ)は先ず、愚(ぐ)主(しゅ)の影から魔気を徴集する 」


肥神瑩子

「 ちょ、一寸(ちょっと)待って!

  アタシの影から魔気を徴集って、どういう事よ?

  アタシの影ってヤバいの? 」


ギッちぃ

「 影なら何(どれ)でも構わん。

  我(われ)の近くに愚(ぐ)主(しゅ)の影がある故(ゆえ)、使っているだけだ。

  建物の影でも構わんな。

  影は何(ど)処(こ)にでもある故(ゆえ)、魔気の徴集は楽(ラク)だな 」


肥神瑩子

「 なんだ……それなら安心ね…。

  良(よ)かったぁ~~ 」


ギッちぃ

「 徴集した魔気から澱(よど)みを作ると、1ヵ所に不浄から出現する。

  魔気の濃度を上げ、魔素を作り、不浄へ魔素を注ぎ、不浄の濃度を上げる。

  不浄の濃度が上がれば、不浄の中から魔物が誕生する。

  魔物は誕生した瞬間から我(われ)の支配下に入る。

  生みの親である我(われ)に使役された状態であり、我(われ)には絶対服従している。

  誕生した姿は我(われ)と同じ容姿をしている従順な使い魔だ。

  餌,育成,躾の方法を変えれば、成長する過程で容姿が変わる 」


肥神瑩子

「 生まれた姿は、ヒヨコと変わらない大きさなんだ。

  育てて躾をしないと成長しないなんて面倒じゃない?

  自慢じゃないけど育成ゲームは苦手だったんだからね。

  花を買っても2日目には水やり忘れてるし、1週間経ってから水やりを思い出すような人間だからね、アタシは!

  魔物を育てるなんて出来ないよ? 」


ギッちぃ

「 初めから愚(ぐ)主(しゅ)に期待はしていない。

  安心しろ 」


肥神瑩子

「 そりゃどうも!

  ふう~~~ん……この小さいギッちぃが育て方で色んな魔物になるのか…。

  可愛いし、このままでも良(い)いんじゃない? 」


ギッちぃ

「 親は我(われ)だ。

  我(われ)が育てる 」


肥神瑩子

「 じゃあ、生まれた魔物に関しては全面的にギッちぃへ任せるから宜しくね!

  魔素とか魔気とか澱(よど)み,不浄についても教えて 」


ギッちぃ

「 魔気とは影から徴集する事が出来る “ 負(ふ)気(き) ” だ。

  負(ふ)気(き)は生物が生存している限り無くなりはしない。

  半永久的に存在し続ける故(ゆえ)、何(い)時(つ)でも好きな時に負(ふ)気(き)を影を通(とお)して徴集する事が出来る。

  故(ゆえ)に魔気も澱(よど)みも作り放題だ。

  澱(よど)みは周辺の空気に魔気を馴染ませ、空気を濁らせて作る。

  澱(よど)みが出来れば、放置していても不浄が出現する 」


肥神瑩子

「 負(ふ)気(き)だけど、影を通(とお)して徴集出来るのは何(なん)で? 」


ギッちぃ

「 影の中は闇だ。

  負(ふ)気(き)は影の闇に吸い込まれる。

  故(ゆえ)に影から負(ふ)気(き)を徴集する事が出来るのだ 」


肥神瑩子

「 そうなんだ 」


ギッちぃ

「 救世主の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉である我(われ)が作る魔気,澱(よど)み,不浄は、浄化力を持ってしても浄化は出来ぬ。

 故(ゆえ)に我(われ)の使役する魔物も浄化出来ぬ 」


肥神瑩子

「 ギッちぃ、浄化力って何(なに)? 」


ギッちぃ

「 浄化力は無属性の救世主が使える奇蹟の力だ。

  この世界には負(ふ)気(き),魔気,魔素,不浄が存在している。

  魔気が強まれば魔素となり、魔素が強まれば不浄となる。

  不浄は負(ふ)気(き),魔気,魔素を吸い寄せ濃度を上げる。

  不浄の濃度が上がれば、魔界と繋がり魔物を出現させる。

  救世主の浄化力で魔物を浄化すると輪廻の流れへ還す事が出来る。

  浄化力を使えば負(ふ)気(き),魔気,魔素,不浄を浄化する事が出来る。

  不浄に侵された土地を一時的に聖地へ変える事も出来るな 」


肥神瑩子

「 そ、そうなんだ?

  無属性の救世主って凄いんだ?

  何(なん)か、無属性の救世主の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉って、ギッちぃや影の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉,魔の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉と相性が悪そうじゃない? 」


ギッちぃ

「 そうでもない。

  影の救世主,魔の救世主が使うのも奇蹟の力だ。

  当然、愚(ぐ)主(しゅ)が使える力も奇蹟の力だ。

  奇蹟の力で奇蹟の力を打ち消す事は出来ない。

  故(ゆえ)に無属性の救世主の浄化力は効かない 」


肥神瑩子

「 そうなんだ。

  ギッちぃ、アタシが使える奇蹟の力ってど(・)ん(・)な(・)力なの?

  何(い)時(つ)、アタシにも奇蹟の力を使えるようになるの? 」


ギッちぃ

「 愚(ぐ)主(しゅ)の使える奇蹟の力は──、腐敗力と腐蝕力だ 」


肥神瑩子

「 ふはいりょく??

  ふしょくりょく??

  腐敗力と腐蝕力って──腐らせる力って事だよね? 」


ギッちぃ

「 如(い)何(か)にも。

  腐敗力は主(おもに)に生(なま)(せい)物(もの)(ぶつ)を腐らせる力だ。

  腐らせた後(あと)、有害な毒素も発生させる。

  腐蝕力は主(おもに)に生(なま)(せい)物(もの)(ぶつ)以外を腐らせ劣化させる力だ。

  有害な毒素は発生しない 」


肥神瑩子

「 …………何(なん)か、嫌(いや)な奇蹟の力ねぇ~~。

  嫌(きら)われ者の力じゃん…… 」


 救世主のアタシが使える奇蹟の力が、腐敗力と腐蝕力??

 全然、嬉しくないし、ちっとも救世主っぽくもないんですけど!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。