✒ 念願の魔法! 3
エイス・ヒーカミ
「 『 面白い 』って、ギッちぃ……何が『 面白い 』の? 」
ギッちぃ
「 ≪ アスラダイル大陸 ≫では、亜人類は調合薬剤師として認められておらぬ。
調合薬剤師としての実力があり、実績があってもアカデミーには入学する事は出来ぬ。
アカデミー入学は人類の特権と言うわけだ 」
エイス・ヒーカミ
「 人間側が亜人類を差別してるわけね。
亜人類の調合薬剤師はフリーが多いの? 」
ギッちぃ
「 フリーは居ない。
亜人類の調合薬剤師は発見されると捕らえられ、連行された後、処刑される事になっている 」
エイス・ヒーカミ
「 は?
しょ…処刑っ!?
それって──、幾らなんでも酷くない!? 」
ギッちぃ
「 人間側からすれば秩序を守る為に秩序を乱す者を裁く正義の行いだ。
告発者は罪に問われず、裁かれない 」
エイス・ヒーカミ
「 アタシも人間だけど、やり過ぎだと思うのよねぇ。
処刑しなくても良いと思うんだけど… 」
ギッちぃ
「 貴族が卸す回復薬以外の回復薬が世間に出回らないようにする為だな。
店舗で販売さる回復薬より安値で販売されては、貴族出の回復薬が売れなくなってしまう。
そのような事態とならぬ為に亜人類の調合薬剤師は捕らえられ、処刑される事になっている 」
エイス・ヒーカミ
「 一寸、それじゃあ、ユタちゃんが調合薬剤師になったら、人間に捕まって処刑されちゃうじゃないの!
駄目だよ、駄目!
大事な息子を処刑台に送るなんて出来ない!! 」
ギッちぃ
「 安心しろ。
ユタは処刑されはしない 」
エイス・ヒーカミ
「 そうなの?
本当に大丈夫なの? 」
ギッちぃ
「 売買しなければ問題無い。
売買するから捕らえられる。
自分で作り、自分で使うなら裁かれはしない 」
エイス・ヒーカミ
「 そうなんだ?
それなら安心かな。
売買して、お金に変えなければ良いならね?
でも、調合薬剤師って簡単になれるの? 」
ギッちぃ
「 調合薬剤師に必要な学問は──、主に薬草学,医薬学,薬膳学,調合学,錬金学だな。
最低でも、この5学科を学ぶ必要がある。
簡単ではないが不可能はない。
ユタなら出来る 」
エイス・ヒーカミ
「 覚える事が多いし、調合薬剤師になるのって大変なのね。
ユタちゃん、無理しなくて良いからね。
アカデミー入学前の調合薬剤師を黒ニ●ロに拉致らせて、ギッちぃに魅了を掛けさせて作らせるから 」
ユタ
「 僕は大丈夫だよ。
エイスさん、有り難う(////)
使う頻度が多いなら、買うよりも作れた方が絶対に安上がりだと思うんだ。
戦えるようになれば、回復薬の材料も自分で調達する事が出来るから依頼する手間も省けるようになるし…。
僕は……自分の為に挑戦してみたいんだ(////)」
エイス・ヒーカミ
「 ユタちゃん……。
未来の自分への投資がしたいって事ね!
ユタちゃんが決めたなら、とことん挑戦したら良いよ!
初めての事に挑戦するって、成長する為には大事な過程だもんね!
気の済む迄やってみな! 」
ユタ
「 うん!(////)」
ギッちぃ
「 意欲のあるユタの為に学問書── 薬草学のススメ,医薬学のススメ,薬膳学のススメ,調合学のススメ,錬金学のススメ ──は我が用意しよう 」
ユタ
「 有り難う、ギッちゃん 」
ギッちぃ
「 先ずは絵本を使い大陸文字の読み書きと算術を出来るようになる事が最優先だ。
めげずに精進しろ 」
ユタ
「 うん! 」
家族が増えて賑やかになったのは良いね!
ユタちゃんは素直で良い子で可愛いくて頑張り屋さんだし。
家族が増えたついでに、ギッちぃがまた小さなギッちぃを7体も生み出した。
ユタちゃんの専属護衛にするみたい。
魔狂人を5体,偵察に長けてる吸血鬼を1体,三眼族を1体に育てるみたいね。
ギッちぃは意外と子煩悩なのかも知れない。
専属護衛を7体も用意してあげるなんて過保護って言うか──。
まぁ、子供に全く関心も興味も無い親よりはマシかも知れないよね?




