表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/24

⭕ 救世主LVの上げ方


肥神瑩子

「 ギッちぃ── 」


 アタシは期待するような瞳で、ニヤリ──と不気味に笑うギッちぃを見詰める。


ギッちぃ

「 魔王領地の魔物を倒す事だ 」


肥神瑩子

「 は?

  なんつったギッちぃ!?

  本気じゃないよね?

  それは冗談だよね? 」


ギッちぃ

「 冗談ではない。

  フィールドで遭遇するモンスターを相手にしてもたいした経験値は得られん。

  てっとり早く魔王領地でLVを上げる。

  11ヵ月分の遅れも数日で取り戻せる 」


肥神瑩子

「 ………………モンスターを倒した事すらないアタシに、魔王領地にる魔物を倒せると思うの?!

  アタシを殺す気か!! 」


ギッちぃ

しゅの装備品はわれが用意する。

  われが用意した武具を装備し、ギルドへ出掛ける 」


肥神瑩子

「 急に仕切り出すし……。

  ──どうせアタシには装備品のさなんて分からないから、ギッちぃに任せるよ。

  魔王領地へ行く前にモンスターの倒し方は教えてよ? 」


ギッちぃ

「 そうだな。

  武器の扱い方も覚えてもらう必要がある 」


 ギッちぃが選んでくれるアタシの武器か。

 どんな武器なんだろう?

 一寸ちょっと気になるよね?


肥神瑩子

「 ねぇ、ギッちぃ。

  アタシ達の全財産ってれぐらいあるの? 」


ギッちぃ

「 王城から根刮ぎ徴収したからな。

  国家予算分はある。

  これからも資金を増やしていく予定だ。

  しゅは王国で1番の金持ちだ 」


肥神瑩子

「 あ……そう?

  一生遊んでも使い切れないだけの資金はあるわけね。

  貧乏からのスタートじゃなくてかった!」


 アタシはホッと胸を撫で下ろした。

 ゲームでは所持金がショボくてモンスターを倒して路銀を稼がないといけなかったから面倒だったんだよね~~。

 装備品を買い揃える為に、れだけ多くのモンスターを倒した事か。

 初っぱなから大金を持ってるアタシには、モンスターを倒しまくるなんて不必要な事で安心した。


肥神瑩子

「 じゃあ、明日あしたは午前中に各ギルドへ行って、テイマー,冒険者,商人の登録を済ませたら、午後からはフィールドで武器の扱い方やモンスターの倒し方をギッちぃが教えてくれる──って事でいよね? 」


ギッちぃ

「 武器の扱い方もモンスターの倒し方もわれ下僕ゲボク(影魔)が教える 」


肥神瑩子

「 うん?

  ギッちぃが教えてくれるんじゃないの? 」


ギッちぃ

われは武器の扱い方は知らん。

  モンスターも下僕ゲボク(影魔)に倒させるゆえわれじき(じき)に倒した事はない 」


肥神瑩子

「 なん──じゃあ、ギッちぃは戦えないの? 」


ギッちぃ

「 ギギィ~~? 」


肥神瑩子

「 ギッちぃ……アンタ、そんなんでく、“ えいの王 ” だなんて言えるよね… 」


ギッちぃ

「 ギギィ~~。

  ギィギィギッ~~ 」


肥神瑩子

「 可愛こぶって回らなくていってば! 」


 なんて事だろう?

 救世主をサポートするギッちぃが戦えない非戦闘用員だなんて!

 〈 〉って戦えない仕様なの??

 ギッちぃの出来る事は大体分かった。

 てくれると便利で助かる要素を沢山持ってるからがたいけど、“ 戦えない ” ってのは予想外過ぎる!!


肥神瑩子

「 ギッちぃ、〈 〉は全員戦えないの? 」


ギッちぃ

「 LVが無いからな。

  戦う意味がない。

  戦闘中は後方でしゅを応援する。

  戦闘中のしゅに手を貸すのはわれ下僕ゲボク(影魔)だ。

  ただし、下僕ゲボク(影魔)には制限時間がある。

  5ターンには消えるゆえ、5ターン以内にモンスターを倒す必要がある。

  われが戦闘時に呼び出せる下僕ゲボク(影魔)は8体迄だ。

  戦闘中のフィールドに出現する宝箱やアイテムはわれが回収する。

  障害物やザコは下僕ゲボク(影魔)に排除させればい。

 戦闘中のモンスターを気絶させ戦闘不能に出来てもトドメを刺す事は出来んゆえ、トドメはしゅが刺し根絶させる事だ 」


肥神瑩子

「 トドメを刺して根絶…させれば、救世主LVが上がるのね? 」


ギッちぃ

「 そうだ。

  しゅが使える能力ちからが駆使し、モンスターを倒せ 」


肥神瑩子

「 腐敗力と腐蝕力だったね?

  そもそも使い方が分からないんだけど? 」


ギッちぃ

「 戦闘時になれば使える。

  救世主LVが低いあいだは戦闘以外で能力ちからは使えん。

  先ずは救世主LVを上げ、能力ちからを制御出来るようになる事だ。

  コントロールは使っている内に出来るようになる 」


肥神瑩子

「 そうなんだ?

  なにはともあれ、明日あしたから忙しくなるって事だよね!

  明日あしたに備えて早目に寝ちゃおうか? 」   


ギッちぃ

「 それがい 」


 アタシは靴を脱いでベッドの中へ入る。

 どさくさに紛れて、ギッちぃもベッドの中へ入ってる。


肥神瑩子

「 ギッちぃも寝るの?? 」


ギッちぃ

「 ギギィ~~(////)」


 ギッちぃはスリスリとアタシの胸元に顔をり寄せてる。

 甘えてくれるギッちぃは可愛いんだけど、さっき迄ガッツリと低音イケボ(イケてるボイス)で話していたから複雑な心境……。


肥神瑩子

「 …………おやすみ、ギッちぃ 」


ギッちぃ

「 ギィギィギ~~ 」


 アタシは複雑な心境でギッちぃを抱きしめて寝る事にした。

 ギッちぃの体は柔らかくて、まるでさわり心地のいクッションを抱いているみたいな感じがする。

 そうだよね。

 枕を抱きしめて寝てると思えば、どうって事はないよね??

 し、ギッちぃは枕だよ!!

 アタシは枕を抱きしめているんだ!!

 そう思い込む事にしたら、幾分か気持ちがラクになった気がした。

◎ 変更しました。

  僕 ─→ 下僕

  予定外 ─→ 予想外


◎ 訂正しました。

  集めないと ─→ 稼がないと

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ