表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAGIC×ARTS(マジック×アーツ)-アルブレア王国戦記- 緋色ノ魔眼と純白の姫宮  作者: 青亀
イストリア王国編 コロッセオトーナメント
739/1387

84 『ワンバイワン』

 サツキがまだ戦えることをミナトは確認し、二人でまたスコットとカーメロに立ち向かう。

 スコットとカーメロは、その間にも相談していた。


「カーメロ。ヤツはヤバイ」

(いざな)()(みなと)、ですね」

「ああ。オレが折ってやった剣で使える、《()(くう)(ざん)》って技は《ダイ・ハード》でも危なかった。堪えた結果、ヤツは直接攻撃に出て、返り討ちにできた。だが、斬撃もなかなかに厄介だ」

「そのようですね。まあ、その《()(くう)(ざん)》はもうない。斬撃《(そら)()》にさえ邪魔されなければ二人まとめて倒せるでしょう。ボクがサポートします。あとは、スコットさんが暴れてください」

「任せろ」


 二人の相談が終わり、サツキとミナトも戦闘準備ができたところで、『司会者』クロノが両陣営を見比べて言った。


「互いに牽制しながら、再度作戦を練り直していた模様です! だが、準備もできたようです! 現状、一番キツいのはサツキ選手でしょうか! 傷だらけでいつ出血多量で倒れてもおかしくなくなってきています! ミナト選手も刀を折られて、残る刀はもはや一本のみ! 対して、スコット選手は無敵の無傷! カーメロ選手も余裕の表情です! さあ、ここからサツキ選手とミナト選手は巻き返して、試合を制することができるのか!? 後半戦、いよいよスタートだー!」


 まず、カーメロが声をかけた。


「ボクはサポートに回らせてもらおう。見たかったキミたちの力も、満足するまで見せてもらったしね。あとは、『破壊神』がキミたち二人を蹂躙する」

「そういうことだ。二人まとめてかかってこい!」


 スコットがバトルアックスの先をサツキとミナトに向けた。

 自分一人ではミナトとどれほど戦えるか、どう攻めるのが正解か、スコットはわからなかった。だが、カーメロがいればその限りではない。二人相手であろうとすべてを破壊できると信じていた。

 このスコットの強気には、ミナトに、


 ――僕がいくら攻めても崩せなかった鎧を、カーメロさんの邪魔がある中でどう攻略したものか。


 と思わせるには充分だった。

 ミナトはただ、


「楽しみだなァ」


 とつぶやく。

 つい感情が漏れるミナトとは反対に、サツキは怪我した肉体のつらさも見せないよう言い返す。


「一人ずつでいいなら、そんなに楽なことはありませんね」


 しかし当然、サツキが無理しているのはスコットとカーメロにも見え見えだった。


「だったら始めようか」

「オレがすべてを破壊してやるぜ」


 スコットが決めゼリフを吐くと、クロノが言葉を挟む。


「ついに『破壊神』が破壊宣言だー!」


 サツキがミナトにささやく。


「作戦はシンプルだ。俺がスコットさんの間合いに入る。そしたら、ミナトは俺に合わせて攻撃してくれ」


 これだけで、ミナトにはピンときた。

 間合いに入るということは、サツキがスコットに対して拳を使って戦うことを意味する。

 その場合、もちろん《打ち消す手套(マジックグローブ)》によってスコットの《ダイ・ハード》は解除される瞬間が生まれる。そこを攻撃しろと言うのだ。


 ――サツキ、ボロボロになってても頭は回るようだね。サツキがスコットさんの間合いに入ったらやることは一つ。《ダイ・ハード》の解除。それに合わせて、僕が打ち込む。そして、サツキが動きやすいようカーメロさんの邪魔は僕の《(そら)()》で弾く。二人ならやれる!


 ミナトはにこりとうなずいた。


「了解。サポートも任せてよ」

「うむ。いくぞ」


 二人が同時に駆け出す。


「サツキ選手とミナト選手、両者一斉に飛び出した! なにやら作戦もあるみたいだぞ! 二人のコンビネーションと真価が問われる場面、思う存分にかましてくれー!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ