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MAGIC×ARTS(マジック×アーツ)-アルブレア王国戦記- 緋色ノ魔眼と純白の姫宮  作者: 青亀
イストリア王国編 ミニストーリー【おまけの短編集】
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幕間紀行 『ストップバイアート(19)』

 食後、リラとナズナはみんなとショッピングに繰り出した。

 バンジョーはファッションには興味がなく、一人で他に気になっていたお店に行くということでみんなと別れ、ファッションよりも甘い物が好きなチナミとミナトがついて行きそうになったが、チナミがヒナに引き止められ、ミナトはサツキに引き止められた。

 かくして、いつも甘い物巡りをする三人組のメディオラーノでの活動は休止になり、残るみんなでショッピングに繰り出したというわけだ。


「ヒナさん、どうして引き止めたんですか?」

「チナミちゃんがいないとあたしつまんないんだもん」


 二人がそんな話をして、ミナトもサツキに聞いた。


「で、サツキはなんで僕を?」

「もしミナトがいなかったら、女子六人の買い物を俺が一人で相手にするんだぞ?」


 ミナトはゆるく微笑した。


「確かにそうだ。僕がいちゃァ野暮ってもんかと思っていたが、サツキのことァ考えちゃいなかったぜ」

「どういうことかね」

「すっとこどっこいってのァ自覚がないからなっちまうもんらしい」

「?」


 本当にわかっていなそうなサツキだから、ミナトはここでこの話題を打ち切り、問いを向けた。


「サツキは欲しい服はあるのかい?」

「俺は動きやすいものがいいな。いつ戦いがあっても大丈夫な機能性が大事だ。ミナトは?」

「僕は和装が性に合ってる。けれど、たまには洋装ってのも悪くない。自慢じゃァないが、僕は和装しかしたことがないもんでさ」


 横で話を聞いていたクコがニコニコと胸の前で手をパンと叩き、楽しそうに提案した。


「では、お二人でおそろいにするのはどうでしょう! きっと可愛いです!」

「いいわね。私もサツキの着替えを見てみたいわ」


 ルカが賛同すると、クコはルカにも笑顔を向けた。


「ふふ。ルカさんも洋装をしてみましょう」

「わ、私はいいわよ。柄じゃないし」

「いいえ、そんなことありません! あ、せっかくですし全員でおそろいにするのもステキじゃないですか!?」


 うふふ、とにんまりするクコに、ルカとヒナが声をそろえて、


「却下よ」


 と言って、参番隊の三人とサツキが苦笑いになる。

 クコはみんなの微妙な反応に首をかしげた。


「あら? ダメですか?」

「そいつァ妄想だけで勘弁してくれってことみたいですぜ、副長。ねえ、局長」


 俺に振るな、と言いたげなサツキの視線をかわしてミナトは頭の後ろで手を組む。

 サツキは改めてみんなに呼びかける。


「とりあえず出発しよう。夕方からのオペラ鑑賞に間に合わせるためにも、少し早めに切り上げたいしな」

「はい、行きましょう!」


 クコが応じて、みんなで歩き出す。

 みんなの後について歩きながら、リラがナズナに言った。


「ナズナちゃんはどんなお洋服が欲しい?」

「えーと、可愛いのならなんでもいいな」

「じゃあ、参番隊でおそろいにしようよ」

「それならアリ」


 スッとチナミが会話に入ってきて、耳のいいヒナも、


「三人だけズルい」


 と文句を言った。

 すると、前を歩くミナトがのんきな顔でつぶやく。


「いやァ、弐番隊でやってるところはおもしろそうだ」

「あたしもチナミちゃんとおそろいにしたいの!」


 みんなが笑っている中、リラは思った。


「参番隊の隊士服ってテーマもかっこいいかも」

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