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214 『リッスントゥギャザー』

 ヒナはリディオに、別の情報がないかを尋ねた。

 ナズナの活躍を聞いたのでこの通信での用件は済んだように思われる。

 重要事項はほかにはないかもしれないが、知っておいて損はないことならまだあるかもしれない。

 リディオは先程までの嬉しさを含ませた声から普段の明るいトーンに戻って言った。


『そのあと、サツキ兄ちゃんとミナト兄ちゃんはクコ姉ちゃんと鷹不二氏のスモモさんと合流したぞ。クコ姉ちゃんはずっと赤ちゃんみたいで話にならなかったけど、サツキ兄ちゃんのおかげでやっと普通になったんだ』

「はーん。一回くらい赤ん坊みたいなクコを見てやりたかったわね」

『あはは。意外と普段とそこまでは変わらなかったぞ』

「まあ、それも想像つくわね」

『それ以外で言うと、ルカ姉ちゃんが玄内さんと合流できたらしい』

「先生が馬車から出てきたのね。だったらルカのやつも大丈夫か」

『だな、心配しなくていいぞ!』


 ニカッと明るい笑顔をするリディオが目に浮かぶ。

 ヒナは慌てて否定するように、


「べ、別にあいつのことなんか心配してないわよ!」

『そうか? まあ大丈夫ってのはいいことだ。あとは特にないな』

「チナミちゃんは?」

『そういや、ヒナ姉ちゃんはチナミ姉ちゃんと仲良しだもんな。チナミ姉ちゃんは今もブリュノさんといっしょで、ヴィアケルサス大聖堂へ向かってる。あとはみんなヴィアケルサス大聖堂に行くだけだから、また少ししたら連絡して回ってみる』

「うん。ありがと! 頼んだわよ」

『おう!』


 通信が切れる。

 ヒナは肩に乗っているリラに言った。


「リディオからの連絡よ」

「はい、聞こえていました」

「え? ……あ、なるほど。あんた小さくなってるし、あたしの骨の振動が伝わったから聞こえたのね」


 即座にヒナはその理由まで理解する。

 骨の振動を受け取るとき、リラが小さくなっていたことがその効果を大きくし、ヒナの指がリラを支えていたから骨にも触れていたことになったのである。


「そういえば、サツキ様が骨が振動板の役割をしていると言っていましたね。理屈はあまりピンと来ませんでしたけど」

「サツキも言ってたでしょ? 糸電話の原理と似てるのよ。紙コップの底の糸を張った部分が振動板。あそこが声の振動を受け取ってるの。まあそれはいいわ。とにかく、さっきの会話もわかったってことね」

「はい、ナズナちゃんが街を修正してくれているんですよね!」

「そういうこと! じゃあ、ナズナちゃんが直してくれている間に、あたしたちもさっさと行くわよ!」


 またリラが「はい!」と嬉々と返事をして、二人はヴィアケルサス大聖堂へとまっすぐ走っていく。

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