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第九十六話

王国御前試合二日目。

静音は試合を終えたので今日の出番はもうなしである。その分他の出場者の試合で偵察なんかができるわけだが・・・。

まず勝ち残るであろう人物はウィリアム、そして勇者ラークだろう。そしてトーナメント表通りに進むとなると、準決勝まで勝ち進んだ場合、ラークと当たる可能性が高い。

まずそこまで行けるかもわからないが、到達してもそこで負けるだろう。何せ人類最高の戦士と言われる勇者なのだから。

で、偵察の結果なのだが・・・。

「勝者、レオノーン選手!」

試合場では一人のアンバランスな選手が勝利していた。なぜアンバランスなのかというと、鎧はそこまで重い鎧ではないのに対して、兜を被っているからだ。

しかし戦い方は重戦士のような戦いではなく、身軽さを意識した戦い方であった。故に兜の異色さが目立つのだ。

「それにしてもスゲーな。兜で視界が狭いはずなのにあの動き」

「自身が強いことを承知でハンデを課せて挑んでいるのか、はたまた戦い辛い重鎧から変えても兜はそのままの方が良かったのか・・・」

クランメンバーからはその異色さに色々と意見が出るが、静音からすればどれも外れていたと確信していた。

それはその選手が持つ剣、もとい刀であった。静音がこの世界にきて打った刀は時雨と王子レオに打った物のみ。そしてレオに打ったはずの刀とほぼ同一の物をその選手が持っていたのである。

(どー考えてもレオ王子だよね・・・。よく考えたら王様は一番上の見物席から見下ろしているのはわかるけど、次期王になるはずの王子がいないのは不自然。となると・・・)

レオノーン(偽名)選手の戦い方はまぁわかった方だろう。そして集まった民衆の注目を二番目に集めたのがあの選手であった。

勇者ラークの試合である。その名が呼ばれるや会場は莫大な歓声が上がり、そして対戦者は気まずそうであった。

試合は一方的であった。聖剣を大振りに振りまくる勇者ラーク。対戦者は大振りの攻撃であるが故に自身の剣で受けずに避けることで事なきを得ているが、勇者ラークの猛攻は止まらなかった。

何度も大振りの攻撃を出しているのにもかかわらず、まったく疲れを見せないのだ。

何らかのスキル、もしくは聖剣の加護の影響だろうか?

以前静音が打ち直した聖剣ではあるが、当時は鑑定スキルを持っていなかったため、聖剣の能力は知れず仕舞いだった。今ならわかるだろうが、もう聖剣に触れる機会などないだろう。

しかし対戦者も勝ち上がってきただけのことはあってか、ラークの攻撃を悠々と避けている。

しかし大振りであるが、速度も速いため、反撃をできないでいた。

そしてこの御前試合では殺傷性の高い攻撃は禁止されているため、ある意味ではラークはハンデを背負っている状態である。しかし攻撃を避けられ続けてこれでは決着がつかないと思ったのか、

ラークは闘気を解放。色は赤の手前、青だった。そこからのラークの猛攻は激しさを増した。

闘気による身体能力の強化。それも相まってすさまじい速度の攻撃を次々と繰り出していった。

さしもの対戦者も避けきれなくなったのか、一度剣で受けた。しかしそのたった一度で持っていた剣を弾き飛ばされたのだ。そしてそこで試合終了となった。

それ以降も試合を見ていたが特に目立った試合は無かった。その後一同は帰ってエマ達の料理に舌鼓を打ちそのまま眠りについた。

ありがとうございました。評価やコメントでの感想を頂けると投稿者が喜びます。

すこし間が空いてすみません。ぼちぼち続けていきます。

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