13-2. ユーラシア大陸から程よく離れた島国だったこと
13-2. ユーラシア大陸から程よく離れた島国だったこと
この条件は、地政学の本の基本となっている。地球の中で、一番大きく乾燥と大河が複数ある大陸である。乾季と雨季によって、5000年以上前の人たちは川下に集まり、知恵を出して水を活用した。
農耕が始まり、動物を育てて安全に食料にして保存する牧畜、早く移動できる馬、重い荷物を背負うラクダや馬車が利用された。アメリカ大陸では、気温や湿度、山による分断によって人が集まりにくい大陸だった。
結果、ユーラシア大陸で生まれた4大文明から人の道具を使う進化が急激に進んだ。しかし、遊牧民族による暴力的な侵略は、地球全体の冷暖変化によって始まる。モンゴル軍やゲルマン民族は彼ら好きで南下して略奪しているのではなく、寒さで穀物が育てられず、生きるために温かい地域に移民しているのだ。北の遊牧民は当たり前のように馬術が使え、狩りによる弓も使える。
せっかく生まれた文化が、彼らの生存競争によって破壊されるが、彼らは奪った土地や民族の文化を活用して進化する能力がないのだ。だから何度も破壊しては、内部崩壊して去っていく。
ユーラシア大陸が陸つながりであるため、頑強な城を作ってもたやすく破壊されてしまう。作っても遊牧民には決して勝てないのだ。
この一定周期で来る文明の破壊と分散は何度も繰り返される中、イギリスと日本の2国だけは侵略から免れることができた。インドネシア等の離れすぎた島では文化の流入はないが、日本のような距離のみ、遣唐使や遣隋使のような文化の流入があった。この距離感が非常に大きい。
歴史を見れば、イギリスとオランダ、フランスからアメリカ大陸の発見の移住が始まった。この結果からみると、日本の距離感よりもイギリスの距離感の方がより早く発展できたのである。そのイギリスは、島国ではあるがユーラシア大陸のドイツフランスから非常に近いため、たやすく侵略でき、1100年頃のヴァイキングでは国をまるごと奪われて崩壊していた。紀元前に風呂まであったローマ文化も、そのゲルマン民族の南下によってことごとく侵略されて崩壊した。日本は元寇による侵略をギリギリでしのいで国を守り切ったが、もしもう少し日本が大陸に近い状態だったら歴史は変わっていただろう。
日本がユーラシア大陸に隣接していたら、今の韓国よりもひどい状況になっていたかもしれない。
その点では、非常に良い立地だったと言える。




