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12-17. なろうジャンル考察 転移先パターン 異世界関所役人・異世界関所突破

12-17. なろうジャンル考察 転移先パターン 異世界関所役人・異世界関所突破

 なろうジャンルは敷居の低さと単調さから飽和しやすく、読まれる新ジャンルの開拓が求められている。

 なろう転生の根本は、「異文化との接触」であり、現代の地球の海外旅行と概念が近いと考える。


 つまり、海外旅行で行う手続きそのものが、なろうジャンルとしてそのまま使えるのだ。


 ここからは自分の好きなゲームや漫画を交えたパターンを考察する。探せばすでに小説としてあると思うが、その考え自体を活用したいところだ。


①異世界関所役人 paper please

 海外旅行と言えば、税関だ。出国前の手荷物検査、到着後の課税持ち込みチェック。不正なパスポートや密輸があれば摘発する。それ自体もなろうでジャンルとして扱える。

 前提として、異世界と地球が偶然の転生からお互いに仕組みを理解して和平条約を結んだあとの話となる。

 主人公はなろう転生者でもなく、異世界者でもなく、その行き来で不正をチェックする税関員である。地球から異世界に不正な金貨、逆に異世界から地球に不正な魔術や魔獣を持ち込ませないようにしっかり検査するのが彼の役目だ。

 時にはわいろ、時には闇の組織に協力せざるを得ない展開にドキドキする。ゲームのペーパープリーズ(パスポート出して)を遊んでいて思いついた。


②異世界関所突破 ヴォルフスムント(狼の口)

 異世界税関の逆である。ヴォルフスムントという漫画は、関所の番人が不正者をさばく話だ。イタリアとドイツの間のアルプス山脈で唯一モノを通せる通行路に関所があり、戦争をしようと企てて密書を渡すために関所をどう攻略するかというストーリーだ。なんと主人公は密書を通して戦争をする側なのだ。


 関所の責任者は残忍で頭の切れる男で、不正や密入者を男女関係なく〇すという展開を繰り返す。客観的に見れば、国の指示に従って不正者をちゃんと通さない「有能な役人」なの。しかし、見せ方が「善人な通行者が極悪関所に〇される」である。


 読者からすると、何と酷い関所の責任者なんだ!と思うだろう。自分は読んでいて、下手に不正者を返すと益々面倒になるので〇すのが正解だし、責任者は責務を全うしていると思った。

 もちろん、全く不正のない者まで〇すという誤差もあるかもしれない。しかしそれでは突破?のカタルシスのために、悪として徹してもらうような展開となっている。


 好きな本の話はここまでにして、異世界転生にその設定を使うにはどうするかである。



 異世界と地球の文化交流と貿易が成立している状態で話を進める。

 1.異世界側のガイドが地球に××を密輸したいと手助けする場合

2.地球側のガイドが異世界に向けて××を密輸した井と手助けする場合


 ××は人でも物でも魔術でも良い。その密輸は不正だが、情や生活のために何とかして送ろうと四苦八苦する話だ。多少アングラな展開になるために、なろう読者はそっとじすることが多いかもしれない。



 これらの税関なろうジャンルは、一見面白そうに見えるが、かなり難易度が高いと言える。

 今の紛争多発国に武器を持ちこむよりリスクがあるから、より厳重にしなければならないのだ。

 今ですら、絶滅危惧種の小動物を改造車の板の奥に入れたり、胃の中に金を包んで飲んだりと密輸者のいたちごっこが終わらない状況だ。

 魔法一発で国が吹き飛ぶような核レベルの密輸を許したら、国連が黙っているわけがない。地球の土が異世界人に金の価値があるような物質であれば、正規ルートではなく裏で密輸するギャングが横行するのもわかる。


 そうなると異世界への輸出入、旅行に対するセキュリティは異常に高くなるのは予測できる。

 日本に異世界ゲートができたのであれば、もう密輸できる余地はほぼないとって良い。


 ならば、先進国ではない国に偶然ゲートができればよい。

 もしくは、独裁政権で国連が干渉できないようにする、その国が国益のために異世界ゲートを世界に公開しないといったものだ。


 逆に、異世界側のゲートの国が資金難であったり、文化レベルが低くセキュリティに労力を割けないパターンも面白い。


 現代ならば、日本の佐渡島の奥地のゲートから、南アフリカのような異世界入り口につながるようなものである。

 田舎の1路線の切符オンリーの無人駅のような風貌で、異世界ゲートの検査役人と密輸入者の戦いなら読んでみたい。





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