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11-8. なろうジャンル考察 移動方法編①  転生・転移・召喚

11-8. なろうジャンル考察 移動方法編①  転生・転移・召喚

 前回は時代(古代、中世ヨーロッパ、現代、近未来)について考えてみた。今回はその世界に移動する手段についてだ。

 なろう小説でパターン分けすると、転生、転移、召喚がメジャーである。

 詳しくは「転生 転移 召喚 違い」で検索して調べると良い。


 ざっくり、転生は死んで赤子から、転移はそのまま青年が飛ばさせる、召喚は突然呼ばれる(不可避)だ。

 召喚に関しては、現代で謎のマスコットに誘われて鏡に入ったらーという誘拐型がある。さらに、召喚と知っても、いつものトラックに轢かれて死んだら、召喚の英霊として呼ばれてしまったというのもある。


 さらに今回は、時代を好きに行き来できる神パターンと、憑依についても追加しようと思う。前者は単純にタイムトラベルできる装置や能力を持ち、電子レンジで別の世界線に飛んで過去修正できたりする。タイムパラドックスという親殺しの矛盾を上手に解決しつつ、人を引き込ませる設定なら読まれるが、


 「これ〇〇のパクリだよね?」


 と一蹴されてエタるのが基本のジャンルである。それくらい、完成度ど独自性がないと相手にされない最上級コースなのだ。


 後者の憑依は、ヒカルの碁のsaiのような存在である。自分の仮説では、今生きている人類の大半が守護霊(血族の魂)と時代超越した魂(高貴な魂)に囲まれていて、直感や霊感を通じて現代の君たちに干渉していると伝えてきた。

 20年後のステータスオープンでは、DNAによる適職診断に加えて、付随する霊魂の前世の経歴と対話・統計して算出した生涯年収、就職プランが国から提案される。魂が未熟(転生回数が少ない)でだと両親が赤子を遺棄する、魂Nガチャ論争が始まる。

 なろう小説を通して、この死生観(霊魂の仕組み)が日本から広がり、魂の共感により仕組みの正解に限りなく近づくようになる=憑依ジャンルが流行する。


 という妄想を入れて、憑依も考察する。



①転生  代表作:幼女戦記

 トラックに轢かれて死んで、目を開けたら手が小さく女性が微笑んでいる。そんな展開だ。シンプルに人生のやり直しだが、決定的に違うのは前世の記憶や知識をそのまま持ちこしていることだ。これにより、幼いころにやりたかったこと、知識差による優越感があり、読者を引き込ませる大きな要因になる。ごく一部では、現代からナーロッパではなく全く同じ出生でやり直したり、同じ時代の別の知人に転生したりと同じ時代への転生がある。死んだ直後の別の赤子に転生して、未亡人の妻に会ったりや轢いた運転手に復讐したりと、転生前後で関係者が存命のパターンも面白い。

 欠点としては、自分から行動ができて面白くなる少年のところまで一気に話を進める必要がある事だ。おしめを入れ替えたり、恥ずかしい事を赤子で何年も体験する苦痛を読者には見せまいと飛ばすのだ。

 活動できる年までに起きた事、学んだこと、見てきた事を読者は知らないが、あたかも「少年の時に初めて知ったリアクションや思考」で小説家は示す。

 「あれ?赤子から見て生きてきたのにそんな反応する?」と思った人はいるかもしれない。それは作者の都合か、忘れていたのである。


②転移 代表作:オーバーロード

 不思議の国のアリスのように、よくわからんが飛ばされて異世界に来ちゃったというパターン。現代人がそのまま時空転生ゲートに入って何これ?になる。

 主人公の意思で転移する、能動的な移動となる。(本人はどうなるのか知らないパターンが多い)

 この設定の利点は、前の世界の価値観をそのまま本人に持っていける事。マッチョが転生すればマッチョを生かせるし、武器の知識があれば転移後に武器が作れる(素材や材料は知らん)。

 転生と違って、その異世界の環境で長々と育ったことがなく、すぐにドッタンバッタンの戦闘ができる。


③召喚 代表作:レイアース、ゼロの使い魔

 なろうの設定は30年くらい前からあった。ラムネやレイアース、グランゾートがドンビシャの世代である。異世界側から救世主の勇者を召喚して、突然その世界に飛ばされてしまうという設定だ。完全な受け身で連れてこられる場合と、使者が主人公の時代に来て「姫を救って勇者様!」とお願いしてしぶしぶ行くパターンがある。

 本人に意思に反して呼ばれた場合は、元の世界に返して!→魔王倒せば戻れるよ!→しばいて帰還(END)であり、非常にわかりやすい

 使者に勧誘されていく場合は、最初から魔王を倒すことになるので、既に異世界側は用意周到、すぐに冒険に行ける。

 これらはシンプルな勧善懲悪で単純明快なため、コロコロボンボン、アニメ化でも当たり前のように使われたパターンだ。それ故に、目の肥えた読者はありきたりで平和すぎるとそっぽを向くことが多い。他は事故死や惨劇を経由する事が多く、最初の1話で引き込むには弱いのである。


 それゆえに召喚モノは、差別化と序盤のドキドキを作る工夫が必要だ。実は勧誘した使者(姫)が黒幕のラスボスだったり、最初に同行したエロい魔術師が裏で手回ししてたとか。

 でも優しい召喚モノは、裏切がバレた後も優しく口説いて落ちて仲間になるパターンが多い。オレツエーしながらも、死人を出すことなく安定して読める水戸黄門のポジションではないだろうか。

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