2-4.言語と文化の壁
2-4.言語と文化の壁
異世界の星の大気、生態系の壁ときて次に当たるのが言語と文化の壁である(ほかにも多数あるが)。人間は顔の表情、聞こえる声、目配り瞬き、手振り等で同種とコミュニケーションをとっている。当たり前すぎる話であるが、異世界ではそれらが全く同じとは限らない。猫は人間が聞ける音よりも高い声でコミュニケーションをとっている。イルカや蝙蝠のようなソナー反響を使った位置把握器官を備えているかもしれない。視覚障がい者が口で音を鳴らして反響音で壁を把握しているのと同じである。これら人間にはないコミュニケーションは、あくまでも地球という星で進化する過程で生まれたものであり、他の惑星では想像しえないようなコミュニケーション文化があるのかもしれない。
話すことが交流とは限らない
トラックに轢かれて異世界転生したら、日本語をしゃべる猫耳美少女がいた。そんなパターンが割と多いが、まず会話の音域が高すぎて「相手は口パクしているだけ」もある。おでこから蛍の光のようなものが点滅してトンツートンツーの会話をしてくるかもしれない。地球のように、とりあえずニコっと笑って左手を出して握手しようとすれば平和解決! となるとは限らないのだ。
異種の交流だけで様々な違いがあるのに、国の言語の違いが異世界にも当然ある。これをやりだしたら、異世界転生した青年が独学で必死に言葉を覚えるシーンを入れる必要があり、その時点で読者は見切りをつけてしまう。そこで人類は考えた。
そうだ! 偶然日本語と同じだった世界線にしよう!