10-7. 高貴な魂くん、疫病で継げる人を大量に失う
10-7. 高貴な魂くん、疫病で継げる人を大量に失う
高貴な魂、トライアードは観測者である。血族に継がれるドライアードと比べて、生きようとする守護神とは別に、時代をぶっこわすバランスブレイカーとしての役割が大きい。
高貴な魂は血族には継がず、時間を超越して親子の魂と関連ある時代や地域を選んで輪廻転生する。従来通り、時系列通りに次ぐ魂もあれば、遠い過去、遠い未来に移る魂がある。
高貴な魂は時間軸を自由に行き来できる吟遊詩吟だ。
もし黒死病やコレラによって意図せず人口が急減した場合は、魂の転生先はどうなってしまうのか?400年前に転生したらウイルスで両親がなくなったから、代理として500年前の両親にシフトしようーってなるかもしれない。
人口の増減による器の変化は、ある程度転生時期をずらしたり、余った悪霊は現代に残り続けたりするのかもしれない。
通説では、トライアードの転生時期は400年、1600年位の区切りの単位が基本だ。200年よりも近い時代の転生は避けるようになっている。その遠すぎる飛び方が「時代を間違えて生まれた天才」を作る大きな要因となっている。
近すぎる逆行輪廻転生(時代を逆戻りする転生)ではあまり効果がなく、あまりにも離れすぎた逆行転生では「オーパーツ」になってしまうからだ。エジプトの古代人やマヤの文明の一部に、現代もしくはさらに先の未来の魂が当時の人類に転生し、限られた機材を持って「未来人として生きた証」を残そうとしたのかもしれない。
考えてみてほしい。今2021年に生きるすべての人類の中で、500年後の知識と経験をうっすら持っているが思い出せない人がいたとしたら?
当然いまの霊魂の受け入れ方ではそのまま埋もれて寿命を全うするだろう。しかしもし、霊魂の研究が進んで、だれがどんな前世を持っているか調査できる機材が生まれたとしたら?
自分は宇宙人到来説とタイムスリップ説は一切信じていない。だが、この魂の逆行輪廻転生だけは信じることができる。タイムパラドックスや矛盾を解決しつつ、過去のオーパーツの不思議、現代の超常現象を「この一つの仮説」で全て解決できるからだ。
霊魂の輪廻転生により古代人が未来人の叡智を持ち帰り、発展と多様性に貢献した。叡智の悪用と進化収束にならぬように霊魂の探求をギリギリまで剥がした説だ。




