9-10. なろう小説の急激なジャンル盛衰は面白い
9-10. なろう小説の急激なジャンル盛衰は面白い
なろう小説は急激なジャンル進化を遂げていることは、読者にはよくわかる事だろう。
その廃りと流行りのペースは激しく、一時期流行した復讐やスローライフ系は一気に減少し、今は悪徳令嬢や性変換モノが広まっている。この2つも、1年後には終息しているだろう。
前のエッセイでも書いたが、なろう小説のジャンル遷移は「地球の進化論の縮図」と見ている。
小説投稿サイトと「大陸」、検索ジャンル分割と統合を「大陸分断・結合」、残存した種を「ジャンル」とする。
アルファポリスやカクヨムなどの別サイトでも、共通のナーロッパ概念が存在し、サイト特有の表現や制約が存在する。その制約を最適化するように、タイトルの長さや概要の見せ方が独自に進化した。
投稿サイト内で検索ジャンル分岐(ハイファンタジーとローの分割)が起きることで、生存していた種はそれに適応するように「主人公転生してないのに転生モノ」が生まれたりする。
この生き残るための適材適所の進化は、数億年かかる大陸と同じような進化を数年で起こしてくれる良い媒体なのだ。
この急激な多様性の進化が、「なろう天性」という現代の霊魂システムにいつかタッチするものと考える。
そう、臨死体験があり、輪廻転生があり、宗教による死生観の統一、時空を超えた魂の共振、これらのテーマを混ぜ込んだジャンルがなろう小説に流行する時が。
なろう天性の「天性」とは、天から授けられた性質、生まれつきそのようであること、天資、天質だ。
なろう転生のように、死んで神スキルを持って無双するのではない。生まれながらに持っている才能=霊魂による恩恵をフル活用して無双するジャンルなのだ。
ヒカルが赤子の時に盤上に触れてsaiと対話できるような状態だろうか。前世=saiで、直感を通じて交流できるようになる。これがなろう天性だ。
残念ながら、転生なしで初誕生だったり、前の魂まで散々な場合は生まれながらに辛い生涯になるかもしれないが…… 漫画は都合よく書けば良しだ。
人間の能力はまだ1割しか使われていないとよく言われるのは、霊魂を活用していないからだと考える。




