9-4. 異世界転生=get isekaied なろう用語の輸出
9-4. 異世界転生=get isekaied なろう用語の輸出
なろう天性の前提は、地球の人類すべてが持つ「霊魂システム」を踏襲した設定の小説だ。その中で、今後世界に和名として広まるであろう用語を予測してみる。
不名誉だが、過労死(karoshi)という言葉が日本で多く使われたことからそのままの和名で言葉が広まったように、霊魂システムは日本から発信されるようになる。
チベットやインド等では輪廻転生という概念はあるが、キリストには原則ない。それぞれの価値観は否定しないが、ひとつの神が人を作って云々というのは、正直国民を束ねるための都合の良い設定と俺は思っている。
霊魂システムとは、両親のDNAから作られた体に血族魂と高貴な魂の二人乗りする仕組みだ。
血族魂は順行輪廻転生を行い、4世代先より前の死の魂から血族をたどって乗り移る。赤子から自我を持つ7歳くらいまでを護衛する役割。経験を積み重ねて成長する魂。
高貴な魂は逆行輪廻転生も持つ成長しない魂。過去未来のあらゆる情報を持ち、直感を通して人体を良い方向に導く。
順行輪廻転生: 1000年→2000年のように昔から現在、現在から未来に転生すること。本人はほぼ前世記憶を封じられているため、過去生に関連がある地域や音に触れるまでは気づかない。「初めて見るけど、何だか知ってる気がする」とかのデジャヴはだいたいこれ。
逆行輪廻転生: 2000年→1000年のように過去に戻って転生すること。「生きる時代を間違えたテスラ」「時代が追い付いた」といった時代離れした知識で世界を変えてしまった人物が関連する逆光転生。2020年を生きる人の数パーセントは直前の前世が3000年の未来だったりすると、「みたことないSFが夢に出てきたことある」といったことがあり、周囲に話すと引かれて封印することになる。
憎悪小児転生: ひどい殺され方をした人や戦時中に苦しんで死んだ兵の怨念が感霊性の高い子供に乗り移る転生のこと。イアン著の「前世を記憶する子どもたち」に多数の事例が乗っている。普通の円満な大往生な寿命死の場合は、49日から3年ほど墓の近くで待ち、死を悟って未練がなくなると次の転生先を探すことになる。しかし、怨念の魂は死後数日でその場を離れて、血族関係なく無差別に乗り移ることになる。前世というより悲劇の体験霊の呪縛というべきか。体に事故死のアザが乗り移ったり、夢に死の体験が蘇ったりと子供に悪影響を及ぼす。怨念を現地で祓うか、一定の年齢になると霊は離れるため、大人になった時に思い出すのは難しいそうだ。
ソウルダイブ: 意図的に脳死状態にしてアカシックレコード(過去未来が全てある図書館)の情報を見に行くこと。脳死から3分以上経過すると脳が壊れて不随になったりするので、それまでに蘇生して魂を戻す必要があるリスキーな情報取得手段。その有用性が広まると、人権を無視して他国の軍事機密や企業秘密を探ろうと酷使する団体が現れる。致死率が高いため、国連が新たに霊魂法を制定して、違法なソウルダイブを禁止し、許可制・公開制を作ることになる。それでもある国はこっそり裏でやるのだ。
記憶持ち: 前世の 記憶を思い出した人、その魂と対話できる人。普段の人のほどんどは、直感や夢を経由して悟られない程度(向こうががんばってもこちらは気づかない程度)で影響している。瞑想で集中できる人は、封じられている前世の情報を正確に引っ張ることができる。使い方次第でアカシックレコードにも触れることができる。なろう天性もちの小説であれば、これが偶然できた学生が良いだろう。
「転生したい? これが転生先なのに、まだ20になっても気づけないの?」ってタイトルのなろう天性が来ても良いころだろう。こんな辛いの世の中じゃなくて、転生でハーレム夢想したい!って読者が、もれなく転生持ちだったというオチだ。ごくごくまれに、他の星から来た地球の初回の転生って人もいる。すでに20回以上順行・逆光輪廻転生した人もいて、かれらは潤沢な経験と直感から成功を収めているだろう。
結局は、自分の生がどれだけ転生回数を持っていて、どれだけ良い経験をした霊が来てくれたか、が半数なのである。身体的な遺伝は40%以下と言ってよい。




