9-1. 追放もう遅い悪徳令嬢スローライフ、ジャンルの行き着く先
9. なろうの未来
9-1. 追放もう遅い悪徳令嬢スローライフ、ジャンルの行き着く先
なぜ日本でなろうが流行して世界に発信するようになったかは前の章で説明した。検索のカテゴライズの改悪により転移っぽい転生が多様化した事実がある。次に来るなろうはどうなるのか?
スナック感覚で読める、現実世界の転生システムが共感投票により確立されること
実際に今現実にある、転生システム(霊魂の仕組み)は生物には検知できずごくまれに経験者の脳内にだけ残る超怪奇現象である。過程(途中の再現性)が一切なく、記憶というあいまいな結果だけがのこるため、いくら奇跡の体験者が正確に語ったことろで「偶然と記憶改ざん」の一言で片づけられるのだ。だから、占いや陰謀論という金と集客のためのツールとして消費される2000年だったのだ。
見えない事を哲学や化学に入れない事で急成長した近代の学びは、カントの呪いによって逆に霊魂の仕組みの予兆をつぶしてきた。俺には、キリスト教の天動説によって地動説を異端として罰した歴史そのものに見えるのだ。
だから、今こそなろう小説という「圧縮された進化論」から導かれる霊魂の仕組み投資熱を広げる一員になりたいと思っている。20年後にこういった活動が花開いて評価されるまで、黙々と残していく。
読者や小説家、全てを含めたなろう好きは直感を信じて思いついた死生観をありのままに書き記し、読者が楽しめるような展開を味付けした「なろう天性」を残してほしい。
俺がなろう小説を読み始めたのは、リゼロのアニメを見てスローライフが流行しだしたころだ。悪徳令嬢がまだ花開く前だったと思う。内容の質よりも、タイトルと概要でどれだけ人をタップさせるかの過当競争があった。プロの小説家でもタイトルと伸びで面白いプロットも捨てて新規で書き続ける等、特異な性質を持つ投稿サイトとなっていた。
今は転生ジャンルにならないように、転移(乗り移って転生相性を全て吸収する便利設定)が流行し、より逆転要素と上から無双の追放逆襲モノが増えてきたような感じがする。
すでに流行っているが、なろうジャンルで今後伸びそうなものを霊魂システム(死生観)を交えて考察してみる。
①トランスジェンダーもの
悪役令嬢転生おじさん、人狭転生
→時間を超越した輪廻転生で、過去生が女性が続いてこの時代が男性の場合は共感される(女性になりたい願望がなろう化する)
同様に、男性が続いた後に女性に生まれるとLGBTのような他性に違和感を感じるようになる
②見えちゃう系、既視感デジャヴ、未来予知系
例) デジャヴなろう読者 ~夢で毎回ネタバレが刷り込まれて発売前の漫画を無意識に口走って友人にキレられてぼっちになった死にたい~
→夢や脳死状態、お酒や薬によるトランス状態から未来の情報が自分だけ見えるようになる。
物語を面白くするために「どこからが未来か自分で判断つかない」制約をつけて、友人にネタバレしないように手探りするのも面白い。
③能力・感情わかっちゃう系
例) アニメ琴浦さん
→自分だけ相手の考えが読めるか文字として見えるような特殊能力を持つ。駆け引き系で無双する
ある程度の瞑想やアカシックレコードアクセスができる人は、相手の健康面や心理面を読み取ることはできるだろう。ごく一般の人にはツールができるまでは無縁の話だが、転生によってその能力を得た設定であれば無双できる。
④転生者の守護霊になろう
例) 守護霊転生 ~美女の守護霊に転生して幼馴染と結婚させないと成仏できないのだが、鈍感すぎて俺の声が届かない助けて~
→「直感を信じて実行したら成功した」は未来が見える前世たちの魂がこうすべきとアドバイスしている反応である。ヒカルの碁のsaiのようなポジションでほとんど干渉できない状態(不思議な直感だけ)
今まで転生で能力を得て無双をするのが一般なろうだが、sai側で無双する人に直感で情報を渡してサポートするが本人は自分の成果として守護霊に気づかないという設定が面白い。
まとめると、性転換、デジャヴ予知、テレパシー読める系、守護霊気づかない無双だ。
これらの天性ネタは、現代の霊魂システムにより近いシステムだ。今の無宗教な10代が無意識に封印された輪廻転生の仕組みを共感して評価するようになる。もちろん、世界観だけでなく話の内容ととっかかりの良さは必要である。
他の妄想に近い転生モノ(スナック感覚で読むやつ)がこれだけ小説やアニメ化で溢れて、1日に数十本も新しいなろうモノができている。その中で、こういった現実的過ぎて地味な設定は読者には初見で受け入れられないため最初は伸びないだろう。
数年後に「こんな地味すぎる設定が何で流行るの?」が、なろう天性が広まる予兆になる。




