29-7. 嘘異世界転生 ~詐欺師の俺がドン引きした、嘘つきしかいない異世界で異端扱いされた件~ →良貨は悪貨に駆逐される
★三行
詐欺横領違法薬物によって死刑となった洞吹誠は、天界の女神にも嘘をついて「うそ発見スキル」を貰い異世界転生する
嘘と本当が錯乱する21世紀の地球ではなく、嘘しかない「USO連合異世界」では彼が一番「両親ある正直者」扱いされた
嘘発見スキルは常にアラートが鳴り使い物にならず泣く洞吹に、一人アラートが鳴らない女性サギと出会う
★一言
→良貨は悪貨に駆逐される
★五頁プロットと感想
前の嘘の惑星の異世界版を考える。
数億円の横領と詐欺を行い死刑となった洞吹誠は、それよりも極悪な嘘にまみれたUSO連合異世界に転生してしまう。
女神にも嘘をついて、ゴミスキルではなく「嘘発見スキル」を代わりに受け取る。
詐欺師洞吹にとって、騙して金を奪う相手が裏切ったことがあったため、「こちらを信用しているのか」がわかれば無双できる! と思って選んだのだった。
しかし、転生先は嘘が蔓延した異世界であり、嘘をつかないことが「異常」な世界であった。
先にネタバレすると、偶然出会うサギは「遺伝子の突然変異により嘘恒常化DNAが欠損して嘘をつけなくなる」先天的な病を持っている。
だから、数週間彷徨って嘘だらけでアラーム鳴りっぱなしで発狂しそうな洞吹にとって、「鳴らない彼女は異常」だと思い、一緒に旅をする。
食事、生活、衣服、あらゆるものが全て信用できず、値札の通りにお金のやり取りはしない。偽造通貨が当たり前、約束は反故にするのが「通例であり美徳」と教えてこられた異世界である。
洞吹きは前世の地球を思い出し、あの頃の「悪行」は、善意と信用する人が多い日本だからこそできた稼ぎであり、このような嘘まみれで信用できないことが当たり前の世界にとって彼は「詐欺師」どころか「好青年で異端者」であった。
詐欺で死刑になった彼だが、日本人としての良心がほんのわずかでもあった。
だが、周囲99.99%は良心もなく躊躇なく無意識に騙してくる。
お互いの騙し合いであるため、信用はなく、常に現金払いの交換である。
SNS疲れならぬ、嘘異世界疲れでアラート鳴りっぱなしの彼はドンドン疲弊していく。
異常遺伝子を持つサギは、異世界では「変なやつ」として追放されて、浮浪することとなり、洞吹きと出会う。
彼女にとって、異世界転生した彼は「同じ嘘ではない何かを持っているもの」として共感してしまう。
お互い、信用する事、嘘をつかない事を訓練しながら、ケンカもしながら、お互い騙し合いながら居を詰めていくという話。
最終的にはペアでお互い信用し合って「お互いは騙さない」という約束を信じ、ギルドを組んで魔王を倒して終わり!
やるなら、うそ発見器スキルを交えた二人の愛の話にしようか。
洞吹はうそ発見器スキルを語らず、彼女自身が「本当に病気で自分が死ぬ」ことを洞吹につげ、嘘ではない事を分かって絶望する。
その後嘘にまみれた国で彼女を助けるために右往左往するが、感情的になり過ぎて詐欺にあって
借金してしまう。
女神さまにスキルを返す代わりに彼女の命を助けてほしいと願い、受け入れてもらう。
嘘発見スキルを失う代わりに、サギを助けた。
「ありがとうだって? サギ、俺はただ祈っただけだ。俺が嘘ついたことあるかい?」
彼女の感謝の言葉にこう返して終わり。