29-3. ★余命贈与転生 ~異世界人100人救ったら地球に戻すと女神が約束したので命削って助けます~ →聖女とサキュバス
★三行
高菜綾子は事故死から女神に出会い、「100人救ったら地球に再転生させる」と約束してもらい「余命贈与スキル」を受け取る
巨竜と相打ちした夫は魔術師の嫁シンシアに看取られながらキスして世を去り、綾子の前世を全て思いだす
シンシアの魂は夫死により自閉、操作権が自動で綾子に移り、彼女は地球に戻るために余命を配るのだった
★一言
→聖女とサキュバス
★五頁プロットと感想
綾子は100人の命を救う聖女として活躍するが、最終的に自分の命=健康を分け与えるため100名に行く前に更けて衰えて病弱になっていく。
実は「相思相愛のキス」のみ相手の生命力を奪えるサキュバス能力が、スキルアップによって会得できる。(本人には説明がなく気づかない)
大事なのは「余命贈与」スキルの判明方法とレベルアップである。
LV0: 余命享受。長期間相思相愛で口づけした場合のみ、相手側が希望した分を受け取る。
↑女神の説明不足で綾子は知らないが、夫がシンシアに余命30年分を託していた(伏線)
LV1: 綾子自身が余命贈与したい人の「悪性部位」に触れて願うことで、綾子自身の命を削って相手に回復と治癒を与える
↑前世を思い出したシンシア18歳の時に、女神から説明を受けているので実行して実感する
LV2: 余命贈与した相手の余命が視覚的に分かる。デスノートみたいに頭上に数値で表示されるが、周囲は分からない
↑10人救った時に自動的にスキルレベルアップし、綾子は回数で能力が増えることを知る
LV3: 鏡で自分の余命も判明する。アバウトな年単位=156xxから、正確な日単位=15692まで見えるようになる
↑20人以上救った時に獲得。翌朝鏡を見て絶望する。そして救うたびに自身の余命を知り戦慄する。
LV4: 女神の地球帰還達成人数の表示。頭上に出る30/100でわかる。命を救ったカウントは相手の「表示余命+365」であり1年以上増やすのが条件後でわかる
↑30名以上
LV5: 以降、救った相手のかすかな記憶やトラウマを一方的にのぞき見できる。相手は気づかない
↑40名以上
さて、これらのスキルアップ条件で100名達成しようとすると、最低でも100年分を1人1年与えてすく若ければならない。
もともとシンシアは18歳であり異世界での寿命は男70、女80であるため、シンシアは52年の余命があった。そして夫が死ぬ間際、元々持っていた30年の余命を「シンシア、君にはもっと長く美しく、生きてほしい」と涙ながらに伝えてキスしたため、余命が渡された。
LV0の余命享受は、相手側が望んだ余命しか受け取れない。死を覚悟した夫は、シンシアに「より長く俺の分まで生きてほしい」という強い願いがあり、シンシア=綾子はその命、魂を全力で受け取った。
だから、1話目1ページ目の夫が死ぬ場面、巨竜との相打ちによる出血死ではなく衰弱死となるため、夫は一瞬でシワシワ衰弱死で「敢えて描写する」。
そしてシンシアは寿命が82年と一人分を超える余命になったため、前世の綾子を思い出すきっかけとなる。
だが、シンシアは夫の死の衝撃で心を閉ざして、夫の剣で首を突き刺そうとする!
が、ここで映画をのんびり見ていたような状況の綾子が危険を察知して操縦権を奪い、シンシア=
綾子として首に向けて振った剣を素手で握って命を取り留めた。
18歳シンシアを眺めていただけの綾子は、心を閉ざしたシンシアのために働くのではなく、女神の「100人救ったら地球に再転生する」という約束を思い出して、人救いの旅に出る。
一応、脳内で石化してしまったシンシアを起そうと声掛けしたりお湯をかけたりしたが変わらず、仕方なく「この体、異世界で使わせてもらいますね!」と一言伝えてから行動している。
1人救うには、見えてる余命+1年が条件であり、鏡で頭上を見ると自分の余命日数と救った人14/100が見えるようになる (LV4以上)
40名救ったところでスキルはカンスト、残り60名救うにも余命が足りない。
強火弱火のように自分自身の命を与える時に強弱がつけられるので、1日の微弱な渡し方もできれば、5年丸ごとドーンと余命を与えることで「不治の病」クラスの病気も直せるようになる。
だが次第に、体の衰えとシワ肌荒れを綾子は感じ始める。
「これ、100人救う前に自分が死ぬよね?」
そう、計算上、100人救う前に死ぬのである!
「め、女神様、ニヤニヤしながら送りだしてたけど、こういう仕組みだったのかぁーー!!」
地球に戻ってこのスキルで恋愛無双とか超能力で億万長者を考えて来た綾子は恨んだ。
さあどうする!?
って時に石化したシンシアが少しだけ声が聞こえるようになり、夫の話や家の話、を聞き色々情報を得て活用して、人をまた救いだす。
コレ、最終的に100人目を救うのはシンシア本人であり、綾子が自死を救い1年以上この体を維持した瞬間に100人目を達成する。
99人救ってあと1人足りない+自身の余命が半年でどうしようもない絶望から、数日後に1年目を迎えて「シンシアを1年以上救った」という実績で達成する、というハッピーエンドとする。
で、話は戻るけど中盤で残り30名くらいいるのにこちらの余命は数年としり絶望した場面。
石化したシンシアと交流することで気を紛らわしながらも、なぜ「あの時綾子の前世を思い出したのか」のカギを知ることとなる。
綾子はシンシアの実家を辿り、懐かしさを感じると共に夫ダグの実家や武器のおっちゃんの話も聞いた。
そして、綾子は転生直後の夫の死でシワシワに衰退した事を思い出し、「キスすると余命を奪える?」と気づく。
で、色仕掛けで色々夜な夜なチャレンジをしてキスしてみるも奪えず。1度きりなのか、条件が必要なのか色々考えた。
そしてたどり着いたのが、相思相愛かつ長期かつ相手が余命を渡す同意があること、であった。
ここで1部完。2部はLV5: 以降、救った相手のかすかな記憶やトラウマを一方的にのぞき見できる。相手は気づかない。を活用した異世界転生恋愛もの。
これは、1年以上寿命を延ばした王子や貴族と仲良くなり、相手の心理をのぞき見できるようになることで、色々他の悪役令嬢から有利をとれる。
あとは、相思相愛の彼を数人の候補から選んで結ばれ、「キスによって30年を奪う」ことである。
あー悪女。でも地球に戻りたいからね、仕方ないね。
デスノよろしく、ライトが瀕死の父に「いいから見えたアイツの名前を書いてくれぇ!」をやる。
相思相愛で数年で結婚し、ラブラブ条件で、奥さんの綾子側が「裏で暗殺」を依頼。
瀕死状態にしたうえで、夫に駆け寄ってシンシアとダグを再現する。
結婚した王子は綾子に託し、この世を去る。他、暗殺含めて一部始終を目撃した執事や警備は、綾子を疑わない。
なお、綾子は依頼した暗殺者も自分の手で葬ることとなる。
そして一区切りして、自分=綾子が犯人でないことを疑われない確信と、鏡を見て余命が「32年」と増えていることを目視してにやりと微笑む。
うーんクソ主人公。計画通り・・・の女版をやってみようか。
で、あとは聖女の通りウイニングロードの100人救済を順調に進める。キッチリ365日、それ以上はピタリと譲らない、コップに水を入れあう勝負のような蛇口のひねりである。
だが、ギリギリ詰めて1年弱者を救い続けても「あと1年」足りない。
もう一人相思相愛にして彼から奪えば? って逃げを断つために「転生して1年までに100人救ったら」という条件を追加しておこう。女神がさらっと最初に行ったけど見えないとか無視したってことにする。
で、99人まで救えて99/100まで来たけど、綾子の余命は半年=0.5、つまり1年渡す前に死んでしまう。
で、丁度1年目が終わる1か月前であり、過去結婚争いで色仕掛けしていた王子たちは「王子結婚」により、他の女性と結婚していた。
だから、また新しく色仕掛けをしても半年以上の相思相愛が必須であり、「余命を伸ばすことができない!」とタイムアップで絶望したのだった。
で、シンシアが自死しようとしてからちょうど1年になって、石化したシンシアが解けて普通の姿に戻る。
綾子が、シンシアの復活を喜び。ずっと伝えていた自分が100人を救えなかったことを後悔していた。
シンシアは一人気づいていた。シンシア自身も、余命を伸ばして救ってくれた「恩人」なのだと。
その気持ちと感謝を脳内の綾子に伝えたところで、綾子の魂は光り出す。
そして、女神と馬車がひょいと脳内に表れて、「100人救済おめでとうございます!こちらにどうぞ」と。
ここでネタバレ。シンシアは石化から戻り、余命半年ではあるが静かにこの体を使うことを綾子に約束する。
綾子は、女神と馬車に連れていかれて、事故死現場でギリギリ救出されて病院で目覚める。
そう、これら記憶やスキルを全部引き継いで。
2部完。