28-2. 短命転生 ~奴隷エルフを救ってハーレム繁殖したら俺だけ4倍長生きで泣いた~ →ハーレムご都合を自然の摂理に
★三行
瀬見陽炎は23歳で美紀と結婚するも持病の悪化で亡くなり、異世界18歳青年ホタに異世界転移して前世を思い出した
奴隷馬車の反乱から瀬見はエルフのミレや竜族女子をドラエを救い、ハーレムで所帯を持ち農地でスローライフを送った
異世界の全ての種族の平均寿命は20年と知り、ミレの遺骨のそばで曾孫シアを撫でながら妻についてベッドで語るのだった
★一言
→ハーレムご都合を自然の摂理に
★五頁プロットと感想
よくある高感度MAXハーレムを1話にやった時、だいたいのなろう読者は「辟易」するだろう。
ならそれが「自然の摂理」「合理化から来る進化」だったらどう思うだろうか? という思考実験ネタ。
日本の都合上18歳となっているが、異世界では16歳から婚約OKというか繁殖可能年齢になり、出産も10ヶ月ではなく3か月という設定にする。
そして、20歳が異世界の全種族の平均寿命にする。当然エルフもだ。
16歳から出産可能状態になり、4年後、48カ月で平均寿命で男女の異世界住人は亡くなる。ほぼ閉経し、22歳が最高齢という設定だ。
そうなるとどのようになるのか?
成熟する時から、呼吸するかのように相手を選び求婚し、交わり出産する。
変かもしれないが、短命と言われるセミは成熟してから2週間、ホタル、カゲロウは数日で寿命が来る。
彼らからすれば、出会ってすぐに「種を存続するために交配する」。
のんびり1年付き合って、相性を見てから結婚し、何度もトライしてようやく受精、そんな暇はない。
短命なのにそんな選りすぐりをやっている種族があれば、それはもう進化論から逸脱して絶滅するのである。
合理的進化によって、DNAレベルで出会いから交配まで短い、その設定は「道理がある進化」になる。
そう、出会って即高感度MAXが当たり前、呼吸するかのように交配繁殖する異世界なのである!!!
でも考えてみてほしい。他が20年で短命と言うことは、それだけ「愛する人を見送る」のである。
始皇帝が望んだ不老不死。それを得たとしても、待っているのは「愛する人をただ見送る悲しみ」なのである。
1話目に、くどい位のエルフ奴隷救出ハーレムでやるだけヤりながら、話の終わりに瀬見の「なんですぐに好きになってくれたんだ?」に対して、「だってあと4年ですから! (ニッコリ)」 と意味深なセリフを女子に言わせるのである。
2話以降、瀬見は徐々に前世を思い出し、地球では23歳という短大卒業後すぐ美紀と結婚、23歳と言う若さで亡くなったことを愛するエルフの妻ミレに話す。
ミレ「23歳!? とても長く生きられたのですね。私もそれ位、長く生きたいです」
瀬見「???」
この異世界は短命であり、最高齢が22歳だと初めて知る。
今の日本感覚にすると、瀬見の地球の前世話は男性で120歳まで生きた感じである。
この異世界のイメージは、クレヨンしんちゃん雲黒斎の野望にいる女性、春日吹雪丸のような生き方だ。
彼女のように、幼少期でもしっかりとした信念を持ち、子を作り、たくましく生きる。
今の日本人、いや地球人にはない「大和魂」が異世界にはある。
瀬見は死の間際、24歳で死にたくない。もっとやりたいことがあったのに! と後悔して
いた。
しかし、ミレの異世界では成長は地球と同じだが、16歳前には仕事を身に着けて花嫁修業をしている。
そして、繁殖できる体になったら青田買いしていたらその彼とすぐに子を作る。合計特殊出生率 (ざっくり1夫婦で産む子供の平均) は日本の1.3人に対して4人である。
妊娠から出産まで3か月という短さもあるが、それ以上に「子を作って世代を残す」事への無意識がある。
これは先ほどのセミ、カゲロウ、ホタルと同じで「DNAレベルで早熟と繁殖をする」ものが擦りつけられてる。
教育を受けるとかよりも強い、生物的本能でオスとメスは感情以上に「繁殖」を最優先する。
もちろん、快楽も人間と同じように男女はある。しかしそれ以上に、繁殖は大事で、子宝は「当たり前」なのである。
特殊出生が3を切る、子供が3人もいない一家は「生物的に欠陥」位で世間で見られてしまう。
なお、一夫多妻制である。
実はミレ18歳で未婚で出産経験がない「行き遅れ」であり、エルフ一族のごーくつぶしとして追放されて、売られてしまったのである。
はい、18歳エルフ、若いし萌えるよね。
でも平均80年の今の地球感覚では40過ぎなのである。
この寿命カルチャーギャップ? カルチャーと言うより異世界ギャップがネタとして面白く、そしてハーレムを自然にする「摂理」とすることができる。
そしてこの異世界の設定上、肌が老いてシワシワになる前に、各臓器の寿命が尽きて呼吸や心臓が止まって死ぬのである。
だから、21歳まで長生きしたミレは、美しいまま=40マダム位で瀬見と4姉妹に囲まれて大往生するのである。
ミレが大往生後、娘のミア、レノ、ミキ、ノアすくすく育ち、長女のミアが率先して子育てをする、そういう異世界なのだ。
地球感覚では、ミレたちが80歳寿命ならば、瀬見は4倍の300年生きる感じである。
だから、3世代、4世代先の子供たちに「一番最初の生き遅れミレ」の曾祖母を語ることになる。
ちょっと娘に対してもあーだこーだしちゃうのは、倫理的に厳しいかもしれないので、そこは
娘が「彼連れてきて繁殖するね!」みたいな軽さで4、5人産む、それを見届けるって感じで良いのかもしれない。
娘NTRではあるが、自分だけ異世界の平均寿命の4倍なのだから、見送る側として泣く立場になる。
タイトルのユニークさ、そしてサブタイがハーレムウハウハ物と思わせてからの「泣いた」という不穏さ。
息をするように求婚と繁殖をするのだが、その分美しいまま寿命で死んでいく妻や娘。
そして、前世の地球では23歳で持病で余命宣告され、「まだ生きたい!」と「色々なことがしたい!」と後悔しながら死んだ瀬見に対するアンチテーゼ。
22歳まで生きれば大往生、ミレ含めた妻や娘は、若い時から「寿命」を意識して10歳から勉強と仕事をはじめ、恋も遊びも死ながら「人生の無駄」をせず生きたその20年を4世代で見送って来た。
そう、23歳は短命ではなく、「世間に作られた幻想によってガチャやニートやのんびり放置で無駄遣いしていた」のである。
初妻のミレの死、娘のミア、レノ、ミキ、ノアがいた。
前世で婚約していて見送ってくれた美紀を思い出して、娘の「ミキ」を名付けた。
彼女もまた、前世の美紀のように必死に生き、学び、仕事をして、恋をして、結ばれ出産して、21歳で大往生した。
それに気づいた瀬見は、85歳の時に強く、強く泣いた。
彼女たちを見送ったことへの悲しみもあるが、前世の地球でどれだけ時間があってどれだけ成長して行動できたか、それに気づけなかった自分自身を強く責めたのだ。
もしこの経験を再び、前世の地球で子供からチャレンジしたら、後悔しない生き方ができる。
88歳、ホタである瀬見は12人の娘の子孫家族に囲まれながら息を引き取った。
なお、70歳くらいまでは普通に繁殖する機能を持っていて、子作りは100人以上産ませていた。
異世界で死後、日本のとある農家で亀井永人として生を受け、2つの前世を思い出す。
今は10歳、彼女たちを見送り続けた彼には「生きる闘志」に燃えていた。
と言う話。この物語の1部目は、ハーレムからミレを看取って娘4姉妹の育児と彼見つけて
旅立つ所までかな。
2部は、ミレの孫、4姉妹の息子娘たちに囲まれながら「愛する妻のミレとの夫婦話」を孫や曾孫の娘たちにベッドで寝かせつけながら話すというストーリー。
最後は瀬見自身が寿命で亡くなり、日本の10歳児として生きようする! と言う感じにしよう。
俺がこの物語で伝えたいのは、人生80年あるからのんびり生きようという考えそのものが洗脳であり、短命な異世界の「無駄のない悔いない生き方」を知ってほしいというものだ。
瀬見や妻の美紀にとって、この地球にとっては23歳は短命だろう。
じゃあ彼や彼女は、余命宣告されたときに「後悔しない生き方をしたか?」と聞いてYesと答えるだろうか?
俺自身、余命30日と言われても「今を精いっぱい生きた。後悔はしていない」と自信を持って言える。
何故なら、死の淵、自死スレスレを体験し、自分自身の癌の腫瘤や無呼吸症候群などが分かっているからである。
いつ死んでもおかしくない。もしそうなっても後悔しないように生きよう。
それを体現化したのが、20歳平均寿命異世界なのだ。
これがもしマンガ化してバズって子供たちが読むようになったら、ほんの少しでも「命と時間の大切さを知って、明日やることを今日やろう」となるかもしれない。
セミ、カゲロウ、ホタル。
短命だからこそ、成虫になったら1秒1秒を必死に生きて、恋をして、繁殖して、死ぬ。
虫の寿命から学ぶべき異世界転生もあって良いと思う。




