27-12. 音声結晶化無双 ~刻む以外に記録が残せない古代ナーロッパの異世界転生錬成術死~ →エジソンのアナログレコード異世界版
★三行
大見喜久子は、音楽配信をスマホで聞いてたら脇見トラックに轢かれて異世界転生する
魔術は使えるが記録は本の活版印刷までで、喜久子はチートスキル「録音結晶化」によって録音と再生ができる魔石を作り上げる
日本の歴代アーティストの名曲を思い出しながら録音し、王の謁見により異世界全土に喜久子の声が広まった
★一言
→エジソンのアナログレコード異世界版
★五頁プロットと感想
映像の前に、まずは声だけの無双がしたい! という設定でエジソンのアナログレコード時代のナーロッパにした。
リアルでは1889年にエジソンが、「とんぼ」という曲をレコーディングしたのが初らしい。
プライベートライアンのような第一次世界大戦時は、オーディオレコードやラジオがあった。
あれをチートスキルで自分だけが開発、録音して配れるとしたら? ワクワクするよね!
大見喜久子さんは女性主人公なので、人気曲を歌って踊るのは得意。
だから、その美声を異世界に届けるというので良い設定だと思って女性にした。
結末は、アイドルになって終わり! ではない。
音声結晶化無双 ~刻む以外に記録が残せない古代ナーロッパの異世界転生錬成術死~
異世界転生錬成術死の「死」は誤字ではない。
普通ならば、錬金術師の「師」である。
読者に、「あれ、これ誤字でしょばっかじゃね?」と思わせておいて、実は壮大なタイトルネタバレって感じにする。
そう、彼女は音声結晶化により錬成術で死ぬのである。
仕組みはこう。「録音魔石はほんのわずかだけ、術者の声と声帯を消費し手奪う」のだ。
だから、最初に売れ出したころは喜久子本人も気付かずバンバン売れていく。
そして100万の音声結晶がうれて皆が効きだしたことに異変に気付く。
声が出にくい。それは、療養しても治らず、占い師などに聞いたら「売った魔石から微弱な吸い取られるオーラが見えた」とのこと。
より多くの声を届ける、再生されるほど自分の声が失われていく。
一時期は、喜久子の仲間が皆に呼びかけて再生を止める、回収するように行動したが、喜久子はそれをやめるように通達した。
20年後、喜久子は完全に声を失い「歌手」としての生命は「死」んだ。
その間、新しい異世界転生者に金銭面で支援して、声帯が奪われない音声結晶の改良に成功する。
喜久子は、喜久子シスターズ=ファンで歌手になろうとしている若い女性魔術師に、日々声なしで指導するのであった。
彼女はギリギリ最後に録音した、指導の録音声を何百と用意していたのだ。
「そこはもうちょっと高めに歌って見たらどうかな?」 カチャリ…… (※音声結晶を再生した音)
END。
俺、ハッピーエンドって普通過ぎて嫌いなんよ。
プロの漫画家さんなら上手ーく「術死」のルールを守りつつ、ハッピーエンドにできるかな?




