26-24. 山鹿美幸は山となり、愛する息子の恋人を選びます ~孤児ヴィオの24年の軌跡~ →山という母性
★三行
山鹿美里は絶頂の結婚後に不妊と分かり離婚に同意、失意のまま橋から飛び降りて異世界転生する。
山となった山鹿は嵐で死にかけた孤児のヴィオを救い、手塩をかけて秘石を砕きイケメンに育てた
山鹿を「山の母」を敬うヴィオは美貌と資産目当てに寄る令嬢たちを母の声に選別して、結婚する。祝賀で嫁に最後の秘石を託し死ぬ
★一言
→山という母性
★五頁プロットと感想
前回の「山男の猫耳娘を守る話」で男女を逆にしたパターン。
女性の母性を擽る話。なお、山となった山鹿さんは「擬人化」してヴィオと結婚とかはできない!
コレ大事。よくある、転生たら人外だったけど、魔法とか奇跡で「人間」になってイケメン彼と仲良くなりましたぁ!
はぶっちゃけ嫌いと言うか、それなら人外転生するな! って話だ。
だから、「母なる大地をああーー♪」の大地讃頌よろしく、山となることで手塩に育てた息子を選び、妻に託すという母性に尖らせた作品にした。
つまりね、これは子持ちで息子や娘が旅立つ頃の50歳前後をイメージしている。
山鹿は誰もがうらやむ玉の輿結婚をする。そして相思相愛で寿退社したのに一向に子供が生まれない。
3年後、調べたら不妊で、治療の施しようがない0.002%の奇病であることが分かる。
ダンナの河野仁は、離婚を申し出る。
「美里、すまない。子供ができないなら別れよう」
美里もショックで別れたくなかったが、愛する河野の幸せを考えて離婚届の判を押す。
もうこれだけでももうブラバ案件だけど、子を作れない、育てられないって前世が大事。
で、慰謝料とか色々貰って気持ちを整え直そうとするも、半年後に河野の再婚を知り、それが「知人」と知って絶望する。
知人はかつて、祝ってくれた親友の華原朋美。
朋美自身も、美里を知っていたが、友人関係が崩れるのを恐れて伝えなかった。
それらの経緯を知った美里は、元ダンナの家に行き、幸せな家庭、そして子供ができて妊娠していることを知る。
絶望でそのまま、ふらふらと山に向かい、真っ暗な橋のど真ん中から身を乗り出して死んだ。
気づいたら、神のイケメンがいて、異世界の山になら転生できると提案してきた。
自暴自棄だった美里は、承諾。山となり、砂や水を操れるようになる。
で、ここから1話目。孤児のヴィオは馬車移動中に山嵐で崩壊、川に落ちて奴隷仲間含めて全滅した。
翌日、たった一人ケガで重傷のヴィオは山になってた美里に拾われる。
山と言っても一部の川も管轄内で、魚や木の実、ちょっとした動物を誘導することができるようになっていた美里は、彼に食料を与え、洞窟で休ませた。
その後、遭難した3歳から24年手塩に育てて、ヴィオ自身も「山の神ミサト」という声と文字により自覚し、母として敬うようになった。
美里は山ではなく、人として彼を慕い、愛していたのだが「人間」のようになることは不可能で、悲しみながらも彼の成長を見守った。
山には3の秘石「ダイヤオパールルビー」があり、その3つを砕かれたり山から離れると「山鹿美里」の魂は消えてただの山となる。
彼女もそれを知っておきながら、彼の成長のため「ルビー」を宝石として渡して装着させた。
その強い魔力によって、魔力や筋力が高まり成長率が急上昇、立派に育った。
その急成長の影響でルビーは魔力を失い砕けてしまうが、美里は母として嬉しかった。
残りの2つも彼に託そうと思った24年目、27歳のヴィオに「令嬢」が押し寄せる。
生活のために魚を取り、家を建て、畑を耕し、美里は土地の栄養や彼の成長のために「秘石」の有限エネルギーを使って来た。
武闘会ではヴィオは連戦連勝。託したルビーの首飾りによって、美里は彼の行動を常に知ることができ、困った時の魔力供給や背後からの奇襲に「声」を届けたりと色々役になった。
美貌と強さから、あらゆる貴族の令嬢は「山のヴィオ」に惚れ、貴族がヴィオにすり寄る。
美里は困りながらも、「美里本人が良いと思わない相手」は山のチカラで排除するようになった。
ヴィオ自身も母=山の神ミサトの声が伝わり、この子はダメ、この子は継続的に会いなさいというメッセージを受け取り、素直に従っている。
その中で悪役令嬢、性悪な令嬢に「前世で結婚を奪った知人の華原そっくりさん」が現れる。
憎しみと悲しみを背負った美里は、華原そっくりさん令嬢を追い出すのだった。
この辺りは完全に、優秀な息子と、指示できる母としての「なろう要素」だね。
ただ、ヴィオそのものの彼女になることは不可能、だから美里の好きな人を「お相手」に選べるというもの。
で、この辺はお任せするけど2つの残りの秘石を消費しつつ、5人の令嬢候補から2人を選び、最後はヴィオの意思に従って「任せる」ことにした。
美里は山として一人の孤児を育て上げ、結婚を見送り、妻リレアに「秘石」のネックレスを自ら加工してヴィオ経由で渡すのだった。
1個はヴィオの成長に使ってルビーは砕け、オパールは選別式のための妨害や伝達にエネルギーを伝えて砕け、最後の一個は「ダイヤのネックレス」として妻へのプレゼントとなった。
「コレ、ミサト母さんから託されたネックレス。受け取ってほしい」
美里は秘石となり、二人の身近なところで見守りつつ、3つの石が全て山から離れて魂は
全て離れた。
ほんのり、ダイヤから「妻とヴィオ」の温かい感情が流れてくる中、美里は満足して天界に帰るのだった。
「神様、私に素晴らしい人生、いや山生を与えてくれてありがとうございました」
全体はこんな感じで、追加したいならダイヤネックレスとなって意思疎通が若干できるようになった美里は「姑」ポジションで、花嫁修業、妻リレアを指導しながらヴィオとリレアの結婚生活、出産、子育てを見守る話かな? 第二章。
もしなろうザマァを入れるなら、結婚した知人の華原かな。顔芸させて嫌われ役をするもよし、裏でヴィオと結ばれようと体張ったり、既成事実を作ろうとしたり、他の令嬢にあくどいことをする! って感じで、それらを全部知っている美里=山が阻止したり、ヴィオに伝えて悪事をバラシたりって感じでスカっとしようか。




