26-20. こちらスキル付与故障対応課 ~クーリングオフは14時間まで~ →アンチゴミスキルガチャ
★三行
茂野飯忠雄は、コールセンター社畜でありながら過労死した「転生者を見送る仕事」に従事していた
理不尽な死のお詫びとして上司女神がゴミスキルを与えるのだが、それが欠陥だったときに「回収して修繕して再付与」するというもの。
スキル「無」がまんま何もない、ネット買い物が通じ先が地球崩壊後、乙女令嬢でOLの声が届くがバレしすぎの効率厨で担当交代依頼などの苦情対応をする
★一言
→アンチゴミスキルガチャ
★五頁プロットと感想
最近は死亡したら天界で休養してまた地球に転生するのではなく、異世界転生でチートスキルをを持っていくことを希望する若者が多くなったとか。
そのため、30年前よりも「異世界転生者転移手続き」と「スキル付与」をする回数が40倍以上になった。
天界人によるミスや、スキル初期不良のために、正しく転生できなかったり、スキルが説明書通りに動かないなどの問題が多発。
最上位の神であるゴッドにまでその不始末と、魂クレームが届いてしまい、この「スキル付与故障対応課」が新設された。
ここでは、転生してから14時間までは「スキルクーリングオフ」を申請でき、この間はあらゆる事由があっても貰ったスキルの返品と交換ができるというもの。日本の2週間クーリングオフと同じ。
それを異世界の転生時にやる「女神とその従業員」が尻拭いをするという話。
基本的には1話~3話完結型で、よくあるなろう転生する10代、20代、30代の男女の転生とチートスキルをガチャ出付与する流れ、そして転生後に「フリーコール」がかかって来るという流れだ。
上司女神がガチャでスキル付与役(上司)、問い合わせ先の神トップ(国会議員)、コールセンター受付(茂野)、転生法務部のリリア裁判官(★ここがジャッジ)→却下ならコールセンター経由で伝達して終わり、受理されたらスキル回収業者を手配しする。
当事者に謝罪して追加お詫びとリポップをして再びスキルチェックしてOKなら転生スキル受領自認書を書いてもらい完了。
ケース1: 18歳キリュト「能力値が002になっていて、3桁で表示されないから超強いという能力だと思ってたのに、ただ「00」が表示バグで出ていただけで実際は2だった、ギルドメンバーにドヤってたのにどうしてくれる!!」という理不尽クレームである。
14時間以内のクーリングオフ申請したが、適用外認定、茂野が神の声を通じてキリュトに事情説明。表示的な問題で、本来持っているステータスと同じで保障されている、とのこと。
キリュトガチギレするも、表示00の誤表示バグということでわび石2個配って終了。
ケース2: クラス転生で、オタク陰キャのタクヤだけ「ネット買い物」というゴミスキルで可哀想だから救済して欲しい、と別の方の同情が来たパターン。異世界ネット買い物という女性にくすぐられるチートスキルだが、「異世界通信プロトコル」の違いで元の地球世界線と繋がらず、地球自体が飲まれて生物がいない異世界しか接続できないことが判明。要は繋がっても向こうは全滅でなにも送ってこれないというもの。
タクヤはネット買い物を信じて何度も接続を繰り返したりするが、他の有能スキル勇者学生一行が同情して「クーリングオフ申請」、受諾。繋がった生物のいない地球にしか繋がらないが、直接手を伸ばして「砂や鉱石」を1日数秒だけ接続できるようになった。
この能力の時点で、多少価値があってチートすぎない絶妙なバランスでタクヤも勇者一行も納得して、仲直り。タクヤは学生ギルドに誘われて「素材師」として一緒に行くのだった。
ケース3: チートスキル「無」が本当に何もなくて応用できないバグ。学生転移で順に「勇者」「鋼鉄の鉄壁タンク」「慈悲の無限回復」などが貰えている中、最後の一人は外れで「無」というスキルを与えられる。彼は、武藤和樹。ゴミスキルと他勇者転生者に笑われるが、後から自信満々で追放される。
その後、色々試したり、奴隷猫耳市場に行ってみるも何も発動せず。
「ホントに何もない、無じゃないか! こういうのチートスキルじゃねーかよ壊れてんだろこれ!」
とクーリングオフ申請するも、14時間以上経過したため期限切れ。本来はバグで無スキルでも「相手に無を押し付けて消滅させる」という強力魔術のはずだったが、「本当に何も発動しない無スキル」に渡す時に変化してしまったため、転生裁判所はその非を認めた
しかし、クーリングオフ期間14時間を超えてしまったため、わび金貨4枚送って終わりとなった。
ケース4: 悪役令嬢の「ゲームプレイしているOL達の声が届く: 応援スキル」バグ申請。綾乃真美は乙女ゲー綺羅星ファンで過労死で死ぬ。転生後に王子から追放されて前世を思い出す、そう、乙女ゲーの悪役令嬢として生まれ変わったのだった。
転生時に持たされたスキル、応援によって「自分とはちがう、前の地球の綺羅星ファンから攻略wikiの声や応援が届く」というもの。最初は便利だったが、あまりにもうざすぎる上に「全部先のネタバレ、効率厨の応援女子だったため、交代を依頼、もっとこちらを楽しませる人にしてほしい」と頼んだ。夜も眠れない層だ。
クーリングオフは14時間以内だったが、承認されず。徐々にメンヘラ化していき、badエンドとなる。
こんな感じの、アンチ異世界転生のチート能力で「コールセンター」と「承認とリストア」を楽しむ作品。




