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26-13.  ピンハネ無双 ~十次請けで殺された俺はピンハネする側のチートスキルで奴隷契約させる~ →日本の闇、異世界に通ず

 ★三行


 ★一言

 →日本の闇、異世界に通ず


 ★五頁プロットと感想

 「日本だけ多重下請けで苦しいの? 政府は何もしないの?」と考えたことがあったのでネタにした。


 「プライムには120万契約してる」俺が働いてた時に、仲の良い上司にちょっとしたことで聞いてみたら驚きの解答を聞いてしまった。


 ( ゜Д゜) えっ!? 俺の給与、30万いかないくらいなんだけどどういうこと!?


 依頼主から見たら、元請けが1次、下請けはその下で孫請けとなる。

 調べたらSIerは基本三次請けまでになったみたい。

 1998年の派遣法改正あたりから、ありとあらゆるところで多重請負構造になったそうな。



 でね、何が酷いってコレ、末端の個人事業主にはマジボランティアレベルの支払いになること。

https://contents.jobcatalog.yahoo.co.jp/qa/list/1039856450/


 客先 125万円

 商社 -25万円

 窓口会社 -55万円

 弊社 には45万円

 というケースが20年も前に有りました。



 単価45万なら、まあギリギリのギリやっていけるレベル。福利厚生や会社の利益考えると単価60万は欲しいよね!


 で、何十も請けをやることで、発注元が払った金額よりも、受けるサービスは格段に下がるわけ。

 で、失敗責任は末端が尻拭いする。



 アメリカとかだと、入りやすく辞めやすいし、終身雇用言うか雇用制度のルールが日本とまるで違う。退職金とか首条件とかね。


 だから、色んな「多重下請け なぜ?」で調べると根本原因がわかる。


 SIerというシステム開発者として言うなら、外部委託とかしないと全工程で利益が出ないのだ。

 一番労力のかかる詳細~単体~結合の部分のために、新入社員を入れるわけにもいかない。

 だから、中国オフショアとか外部委託=下請けに依頼して人員不測の穴埋めをする。


 で、請け負う側も「再請負」させることでその会社の人員を出さずに売上だけ出して利益も出せる。


 上の例だと。

 客先 125万円

 商社 -25万円

 窓口会社 -55万円

 弊社 には45万円だ。

 一次=プライム=客先は125万で受注して、商社に100万で委託する。25万はそのまま利益となり「125万」は毎月の売上として残る。

 次の勝者は100万貰って30万抜いた70万で窓口会社に三次請けさせる。

 で、3つめの窓口会社は60万単価から15万利益抜いて45万で最後の下請けに回す。

 最後の弊社=主の会社は-80万ぬかれた45万で請負契約となり、責任は最後に負わされる。

 

 うん。125万で委託したのに「45万」の仕事をする人の質が届くわけだ。


 これ、長期的に見るとガンみたいな徐々に死ぬ仕組みだと思ったんだよね


 だってこれ、125万払っても多重下請け仕組みによって45万の仕事を受け取るし、途中の80万は何もしてない=書類手続きだけでピンハネされるんだよね。


 今は法改正で多少きつくなったけど、それでも孫請け位なら平気でやってる。

 日本の雇用体系のルールとして仕方ないとはいえ、末端だけ苦しむような仕組みはマジで日本を滅ぼすと思うよ!




 という前置きをして、なろう作品プロット行こうか。

 5次請けでブラック手取り15万の田中陽介は過労死した。偶然聞いた一言は、プライムには120万で契約していた、とのこと。

 その言葉が死の間際でも離れず、恨み妬み、次転生する時は「ピンハネする側になってやる!」と強く思ったのだった。

 そうしたら、女神が現れてチートスキル貰って異世界転生させてもらえるって事で「多重契約ギアス」の能力を選ぶ。


 この能力は、なろう読者大好きの「奴隷契約」と「支払いピンハネ」のどちらも発動する。

 契約書にサインした時点で効果発動。その契約者の思考が全部読めて、洗脳したり意識を奪えるようになる。

 そして、契約した金額をピンハネスキル発動させることでより安い労働力が瞬時に表れて仕事をやってくれるようになる。

 事故による責任も丸投げでき、ピンハネだけで豪邸が立つほどもうかったのだった。


 もうこれ位でいいでしょ。実際問題、日本ではこの多重請負による「売上かさまし」で成り立ってる企業なんてごまんとある。


 俺が10年働いていたSIerだって売上55億、利益5億っていってたけど、中国オフショア=請負による下請けによる売り上げが半分くらいあるとか? って聞いた。


 ということは、55億のうりあげのうち、ピンハネは30億位あるってことだ。

 それ自体、1人当たりの利益は多くはない。薄利多売ではあるが、確実に利益になること、そして売上として単価計上できることがメリットだ。



 じゃあ他の下請けSIerなんてもっとひどくね? って思ったわけ。

 こんなしくみがあるからさ! 政府が委託した単価200万の仕事が5000円のクラウドワークスのオッサン委託になるのだよ!!

 どんだけピンハネしているのだ! と。マジいい加減にしろよって俺は思ったよ。



「俺の担架がプライム=元請けには120万」って聞いた時、それ本当? って疑ってそのまま倉庫にしまったままだったけど、実際それっぽいって調べて分かった。


 真偽はもう闇だが、おそらく実態は読者や一般市民がドン引きするようなエグイピンハネがあるのだろうね。



 それを異世界にも持ち込んだら、最初にその仕組みを作った人間が世界を制するだろうね。


 まあアメリカ風の仕組みで雇用体系が自由な設定だと恐らく2次請け以降は「フリーランス」になるから、日本のようなピンハネ無双にはならないと思うよ。


 だからもしこの日本の闇を世界に伝えるために「なろう漫画化アニメ化」するなら、日本のふるいそれら仕組みを持ち込んだ前提の異世界にしないとダメね。これだけは注意。


 そもそもね、こんなピンハネできるような国、そんなにないから! 日本が異常だってことに皆気づこうよ! って話ね。






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