25-21. 今後60以上の実体験なろう作家が増える説 アルファポリス「じい様が行く」
25-21. 今後60以上の実体験なろう作家が増える説 アルファポリス「じい様が行く」
https://www.alphapolis.co.jp/manga/official/514000219
のんびり茶畑の世話をしながら、茶園を営む晴太郎73歳。
夜は孫と一緒にオンラインゲームをこなす若々しいじい様。
そんなじい様が間違いで異世界転生?
いえ孫の身代わりで異世界行くんです。
じい様は今日も元気に異世界ライフを満喫します。
という話。50代以上のなろう転生小説を検索していたところ、アルファポリスという小説投稿サイトにたどり着き、マンガが読めたのでこのエッセイを書く。
今時点で、そこそこブクマ評価されているなろう小説の中で、ガチ50代以上の考察小説はひとつもなかった。
一言で言うと、20代が考えた「祖母祖父のイメージで描いたおじさんなろう転生」だった。
リアルで50以上で、直接体験、経験、知識、言語、文化から導かれる行動ではなく、
アナログな孫から見た祖父祖母の良い思い出をカッコ良く書いたような直感を感じた。
73歳でありながら、夜は孫と一緒にオンラインゲームをこなす若々しいじい様という設定。
これにより、転生後も魔法とかをすぐ使う事ができ、慈愛の心(下手な殺生はしない)、熟練の経験から無双スゲーできる。さらにオンラインゲームを孫とやっていたという設定によって異世界でもすぐ行動できて、戻りたいとかの下準備が要らない点が良い。
そして、ガチ50代以上が全力で小説化しても、グダグダで共感できない思想でまず評価されない=伸びない=失踪なのは承知の上で書こう。
え? おじいちゃんたちの世代は、こんな言語を使ってて、こういう意味があったんだ!?
え? 昔はみんな、そんなことしてたの? 初めて見た!
という50代以上しかわからない、共感と思想があって、我々30代以前の人には新発見や違和感になる、というものが「一切なかった」。
73歳でありながら、それまで生きた時代や思想による人格形成が一切なく、20代30代の知識や思想からつくられた「無双おじいちゃん」であった点が個人的には惜しかった。
当たり前の話だが、それらの情報は直接祖父祖母に聞いてみる他ない。
だから、今の73歳に近いガチおじいちゃんたちがこの小説を読んだら、まず共感は得られないと思う。もとより、なろう小説はガチさではなく、それっぽい共感できる新ジャンルで奇抜性があれば良く、ガチ考察するほうが逆に読まれなくなってしまう。
だから売れる=人気が出る=新作を書き続けられるという前提条件においては、ガチおじいちゃんの考察は要らないのだ。
著者コメントにも
ふわっとした知識で書いてるのでツッコミ処が多いかもしれません。
申し訳ないです。
という前置きがある通り、ふわっとした知識=実体験の73歳を聞いていないということであり、リアル73歳の共感は排除してなろう読者層に絞った書き方であることは間違いない。
なろう小説で売れるための、一つのツールとしてのおじいちゃん転生であったが、それは一つの答えだと思う。
だが、新しいジャンルの構築、客層の拡大を考えるのであれば、ガチ50代以上の情報を聞きながら若いなろう小説化がタッグを組んだ小説や漫画を読んでみたい。
自分は、ちょっと実験的に「リアル祖母にTRPGして異世界行動させてみた」という短編小説を書いてみようと思う。
やり方は簡単。ちょっと時間を借りて、TRPGのように「あなたは20代女性に転生した」「草むらにいるがどうする?」といった質問に答えてもらい、設定や確率に応じてゲームクリアを目指す感じだ。
その道中、おばあちゃんの思想、行動を記録し、それをそのまま小説にしてみる。
ただ魔法などの「ガチ70以上にはイメージしづらい要素」は省いて、シンプルな異世界でどう生き抜いて脱出するかを聞いてみようと思う。
それが読まれるかは別として、そういった特殊ななろう=高齢者体験談が増えることを望む。
まとめ
①なろう小説にある爺ちゃん系転生は、著者は年齢層が違うので同年代の共感はしづらい
②70歳同年代が小説を書いても、なろう読者には共感されず伸びない
③ガチ70以上の行動や思想を聞きながら、若いなろう著者が書いたニュージャンルを読みたい




