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24-22. 序列社会とその弊害。合宿で出会ったNとその対応(短編小説)

24-22. 序列社会とその弊害。合宿で出会ったNとその対応(短編小説)


 序列N君と平等S君 ~あなたはどちらに共感する?~

  https://ncode.syosetu.com/n4578hi/


 11月に免許を取得したが、その過程で貴重な経験ができた。

 それは、序列社会における格付け方法を身をもって体験できたことである。


 内容は上のリンクから見てほしい。実際に11月10日からの実体験をベースに書いたエッセイだ。



 日本人は比較的序列がすくない、人類皆平等という思想で生きている。生まれでカーストの違いがあるインドや、肌の色で差別があったアメリカとは違う。

 日本では、肌の色や目の色で警戒する人が多く、バスや電車で近寄らない、座らないことはあるが、憎み見下し暴言を吐くことはまずしない。

 つまり、単一種族から部外者は怖く近寄りたくないのだ。それは外の人から差別と思われるかもしれないが、主にリスク回避であり、外国人がフレンドリーに対応すれば日本人も応えてくれるはずだ。

 外国人の犯罪率の高さから、敬遠するのは無理もない。他民族の国とは違うのは文化の違いであり、それを差別としてくくって非難する事もまた、差別である。



 自分は、格付けを体験した。それは、徐々に慣らして上限値を探るゲームと感じた。

 一つは残飯を食べさせるという行為だ。自分はもともと食べるほうで、レストランなどで食べ残しがあった場合は、残した人に聞いて平らげたりすることはある。(初対面や式などではやらない)。


 もったいない精神があるからである。


 Nの行動は、最初はやさしくお願いするかのように食事のおかずを押し付けてきた。嫌だったが、捨てるならと引き受けた。それがNにとっての「Sより序列が上」という見せつけの確定事項になった。

 当然自分Sはそのような序列など知るよしもない。だが、向こうはそれが序列契約書にサインした事と同じになる(と思っている)。

 二回目からは、前は受け取ったじゃないかという態度で渡してくる。丁重に断ろうとすると、何で前は従ったのに今回は反発する? 反抗すんのかてめぇとにらみを利かせる。

 初回だから100円引きで変えたけど、二回目からは通常価格になった時、「前は値引いたのに詐欺だろ!」という客である。

 日本人は、初対面に対して多少の恩義や揉め事回避でやんわり対応してくれる。だがその行動1回で、序列社会の人は勘違いをしてしまう。




 一度貰った権利は、二度と手放さない。変更されたのなら、相手が悪い。




 そう、韓国社会における日本の態度とそっくりだったのだ。犬社会ともいえる、強烈な序列社会のにおいては、この初動の許容が非常に重要である。

 自分がもし戻れるなら、行動を変えようと思う。それは、最初にきっぱり断り、しつこかったら「お前とは序列を競う気はない。やる気ならこっちもやるぞ」を見せることである。

 下手すると喧嘩になるかもしれないが、最初の段階でNがSに序列が下確定とさせないことで、恨みなく離れることができたかもしれないし、逆に序列を上にできたかもしれない。


 日本人特有の、喧嘩は避けて穏便に。という考えは、あちら韓国にとっては勘違いのエサだったのだ。




 パシリについても同じである。最初の初対面で「ジュース買ってきてくださいよ」と言ってしまえ、「はぁなめてんのてめぇ」「いい加減にしなよ」と外部や本人から反論が来る。

 最初に断られたら、序列が逆転する可能性がある。だから、直接ではなくても「買いに行かせた実績」を周囲に見せることに躍起になる。


 そう。じゃんけんに負けたら買いに行くという平等を装い、ターゲットが負けたら有無を言わさず序列確定。他人が負けたら、可愛そうだからS言ってやんなよと誘導して、間接的にパシリ達成する。

 万が一、25%のN負けになったら、「冗談っすよww」「あー時間きちゃったので帰りますね」と適当な言い訳をしてキャンセルするのが分かる。素直に受けてしまえば、Nより他3人の序列が上(だと思い込む)ことになる。最悪、NがSを誘って二人で買えば対等であり序列は確定しない。

 75%以上で序列が決まる分が良いじゃんけんだったのである。



 そして、ターゲットを笑い反論されないこと、それを周囲に見せることが大事だと思っているようだ。S本人の笑い話に、Nは一人だけ思い出し笑いをしていた。かれこれ5分くらいだろうか。もう他の人は冷静になって別の話を始めているにも関わらず、執拗に笑いを繰り返した。

 最初は笑いの沸点が低い人だと思っていたが、観察しているとこの長笑いは「別のパシリ候補Aの話」以外に見る事はなかった。つまり、序列が下と思った相手にのみ、意図して爆笑を繰り返し他に見せた事になる。


 こうすることで、ターゲットに対して笑い転げても大丈夫という序列が上をアピールできる。だから、面白いから笑ったのではなく、序列を確定させるための仕事として演技でやっていたのだ。

 おそらく、逆に笑われるようなことがあれば、ブチ切れるシナリオもちゃんとあるのだろう。



 ローキックしていいっすか? を初めて聞いた時は驚いた。普通、初対面から3日で言う事か?と。やりたいなら、自分の部屋で手持ちバッグに好きなだけければ良いのではないか、そう思っていた。

 おそらく、キックボクシング経験者でそれを見せたい→だから蹴られて感想聞きたい→蹴らせて。という意味不明な思考だと当初思っていた。もちろん痛いことはいやなので何度も断った。


 だが今考えると、それも序列決定するためのビジネスであり、犬社会でも甘噛みができる側が序列が上と見なされる。なので、暴力しても従うほうが奴隷でり、暴力する側が主人となる。

 だから、キックボクシングやってるから蹴らせてという思考にたどり着いた。だが卒業直前に、同期Hから嘘だと言われて納得した。喧嘩が強いから反発されないように、武力があると偽っていたことになる。

 もし本当なら、ピンサロで喧嘩うった時点で何かしらの序列行動があったはずである。Nから見て同期二人が格下で反抗されないとわかってから、序列の押し付けが始まった。


 最後に、敵対された後の対応である。普通、嫌いな相手はお互いに近づこうとはしない。だが、序列社会においては、ウリナムのナム(部外者)となるとそれは排除するべき敵となる。

 裏切り者を粛清することで、ウリ=仲間たちに示しがついて結束が高まる。敵をさげることで、相対的に味方たちの序列が少し上がる。だから、序列を覆した敵には容赦しない。

 それが、ちょっとしたことでのカス呼ばわりと、執拗な嫌がらせである。普段平等な環境で生きてきた人なら、不思議がる行為だが、序列の韓国社会ではこちらが当たり前である。



 だから、これらを考えた時に真っ先に思ったことは、Nへの憎悪ではなく



 「君が好む序列社会は、韓国にあるから行ってみたら?」 である。




 環境や相性が違うだけで、どちらが正しいとかではない。序列を作って群れて行動する動物の方が多い。何かあった時に、素早く指示して行動できるのが序列社会であり、平等で対等な平和社会だと、急な変化の時に指示ができずに後手後手になる。日本でもその弊害を知っているだろう。


 だから、どちらが正しいではない。向いている、向いていないの違いなのだ。




 これらに気づいた時、自分は合宿免許に行ったことに感謝した。このような人とは、初対面で会うことはないが、合宿同期であり、否が応でも一緒に授業や講習を受けることになる。その制約のおかげで、この対立と嫌悪を体験することができた。




 中山さんには、本当に感謝している。アドバイスをくれた沢畠さんにも感謝したい。

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