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23-26.  前世保全を制する企業は世界を制す

23-26.  前世保全を制する企業は世界を制す


 前回は前世保全と前世照合承認の仕組みとメリットについて考えた。

 今回は学会が前世の存在をついに認めた後について語る。


 ここ数十年で研究が一気に進んだ量子力学、ニュートリノ、ヒッグス粒子がある。

 実験と再現性があり、「観測できる客観データ」があって初めて学問として認められる。

 これをエマニュエルカントが生きていた1600年頃に、学問の範囲は一気に狭くなった。神学や錬金術さらには哲学と言った目に見えない不確かなことへの研究が一気に縮小し、物理学や科学のほうに資金や関心が一気に傾いた。それにより産業革命が起きて現代至る。

 つまり、カントの学問の範囲を狭めた事が世界の発展に繋がったと自分は考える。

 それ自身は正しい。その時期において、観測できない=証明できないことにまで余計な労力をかけていては発展が遅くなってしまう。だから、学問の範囲を狭めて正解だった。



 では現代はどうか? カントの狭めた学問では、新しい学問の発見や拡張へのかせになっていると思っている。だからこそ、直感が自分に伝えた謎の言葉「カントの呪いをぶっ壊せ!」に繋がったと考えている。

 最初は何が何だか分からず誰にも話さなかったが、今なら納得している。臨死や転生や前世といった超常現象はカントの呪いによってオカルト陳腐化され、まじめに研究する組織がなくなってしまった。


 学問の範囲を拡張し、「観測できなくても統計から存在を認める新しい学問」を作ることが新しい発見と人類の進化につながると確信した。


 それを成し遂げるためには、観測できなくても統計から認めざるを得ないという実ケースが大量に必要となる。

 「俺の前世は聖徳太子だ!神よ崇めよー!お布施せよ!」といっても誰も信用しない。

 金のためではなく、人類貢献のための精神を持つ集団を作り、不正ができない土台と試行回数と再現性を増やす事、そして精度を上げることが重要だと考えた。

 ちょっとでも金儲けに走れば、今のスピリチュアル占い師によるビジネスに堕ちてしまうからだ。


 まじめに哲学や心の研究をしようとしている人も、いざ魂や意識体などの仮想領域に入ると、このオカルト商売の罠に堕ちてしまって進むことができなくなる。これも全てカントの呪いである。




 唯物論絶対主義の今の学会では、唯物論がどうにも否定できない実データを用意するしかない。

 その一番の近道が、粛ラマなのだ。粛ラマさえ一度通れば、あとは勝手に流れ出るはずだ。

 要所の関所を落とすために、迂回して手間のかかる行為をすることになるが、結果的にそれが突破するための一番の効率になる。



 

 保全を制する企業は世界を制す。


 リバウンド王に言ったゴリのセリフである(嘘)。前世保全と前世照合承認の取り組みは最初、興味ある若者が登録し、賞金目当ての両親が赤子でサーチするようになる。

 2070年頃になると照合数が増え、国民全体に対する前世認知(自覚)の割合、「前覚率」が0.1%を超えたあたりから、富裕層が不老不死のために登録するようになる。

 このころには、前世照合賞金を出さなくても国民が積極的に活用するようになって循環するようになる。ウーバーイーツの配達バイトの値下げに似ているかもしれない。




 国民が積極的に前世保全と赤子の承認が増えると、有名な学者の転生承認時に企業が動くことになる。

 ノーベル賞受賞者が前世保全を行い、その前世の記憶を持つ3歳の赤子が認められたニュースが出る。



 当たり前だが、その赤子に英才教育してより高度な研究をさせる企業や組織が現れる。究極の青田買いである。普通の青田買いはインターンシップ大学三年生あたりでやるべきなのだが、それが3歳児で引っ張りだこになる。両親はワクワクと混乱であるはずだ。早すぎる認知と自覚によって、本ら受けるべ学校の洗礼や集団生活の学習がなくなってしまうと後々大事故につながる可能性はあるかもしれない。

 それでも、前世が実績ある学者でそれが早期に分かったのなら国益につながる。



 プロスポーツ選手が前世なら、同じスポーツをやらせてみる。絵描きなら絵。現代のように、何も知らずに小学校中学校高校で各自が自分の意思で探すのとは違う、最初から両親や国が知っている状態は異様であろう。

 実際に運用するなら、日本にある個人情報保護の観点からそう簡単に外部に漏らすことはさせないかもしれない。



 まとめ


①前世特定は最初は個人の趣味


②唯物論が否定され、カントの呪いが解かれると富裕層が登録し始める


③学者や偉人の前世を持つ赤子は、青田買いラッシュが始まる


④最終的には国益につながる

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